役職というのは会社が与えた機能であって、仕事上でだけ発動されるモノ。それ以外のことでは長幼の序をわきまえて、年上の人を立てるということを、かなり強く意識して振る舞うべきなんです。
そうすることで、年上の部下の方は、釈然としない想いが和らいでいきます。その結果、公の場でも年下の上司を敬うということが自然にできる気持ちになっていくんです。
ですから私は、年下の部下ほど口の利き方には注意をして、常に相手に敬語で話すようにしていました。しかし仕事としてやってもらわなきゃいけないことは引きません。丁寧な口調で話しますけど、内容については、
● これは仕事なので、やって頂く以外の選択肢は無いです
ということをハッキリ伝えるのです。ここで毅然とした態度を取れないと、今度は部下の方があなたを舐めるようになるのです。年上としてリスペクトすることと、仕事でやらせるべきことを引いてしまうのは、全く別の話ですから。リスペクトはするけど、仕事は仕事。本人がイヤがるような内容でも、
● 仕事ですから、これはもう仕方ないですよね
と言わなきゃいけません。もちろんあからさまに業務命令だとは言いませんよ。でもこちらは一歩も引きませんよということを、態度で相手に分からせる必要があるんです。
これは最初の一回目が重要で、最初にパシッとやると次からはグズグズ言うことはありませんから。
この2点を意識するだけで、相手が常識があるのなら、揉めたり、関係が悪くなったりすることはなくなるはずです。
そしてそのような業務命令的なことをお願いした後には、自分はあくまでも会社の機能として、組織として成果を出すために、あなたにあのようなことをお願いしているわけで、そこには、私の私心は混じっていないのですということを、説明できたら完璧です。
そう思ってもらうためには普段から、年上の相手をリスペクトしているという態度が必要になるのです。
ビジネスを進めるために、会社が私にそのような権限を付与していて、それを私は成果を出すために適宜使っているだけで、それ以上でも以下でも無いのですということを理解してもらえたら、次回からはグズグズ言わずに仕事をしてくれるはずなんですよ。相手に常識があれば。
もちろん、相手の人格が低い場合にはそうならないケースもありますよ。それでも同じシーンでは毎回同じ態度で、同じことを言い続けなきゃならないのです。決してあなたが日和ってはいけないのです。これが年上の部下と仕事をする時の鉄則なんじゃないですかね。
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