職場で長い時間をともにすればその人物が優秀かそうでないかを見極めることは簡単ですが、なかなか初対面でそれを判断することはできません。しかし、ある質問をすることでそれが即座にわかるといいます。その言葉とは何でしょうか。メルマガ『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』の著者・佐藤しょ~おんさんが優秀な人かどうかを見極めるために役立つ質問について教えてくれます。
成果の定義ができているか?
仕事とは成果を出すためにやるモノなんですが、ところが不思議なことに、
● あなたの仕事の成果ってどう定義されているんですか?
という問いに即答できない人がかなりいるんです。
あなたの仕事は何ですか?という問いに、作業手順の説明を始めちゃう人は、完全にそっちの方向の人です。つまりアフォってことですよ。
ちょっと老獪な人だと、業務の概念を説明したりします。例えば、
▼ 人事研修を担当しています
▼ 業務の効率化を担当しています
▼ 使いやすいUIを設計しています
▼ 品質を高める活動をしています
▼ 社員が意欲的に取り組める目標を考えています
みたいなことを言い出すわけ。この回答がダメだと言っているわけじゃありませんよ。これだけだと実態は分からないよねということを言いたいんです。つまり、
● 人事研修の成果って何ですか?
と訊かなきゃ、その人が自分の仕事を理解しているかどうかは分からないのです。同様に、
▼ 業務効率化の定義は何で、それはどのように改善されてきたのですか?
▼ 使いやすいUIの定義はなんですか?誰がどのように測定しているのですか?
▼ 品質を高めるの「品質」とは具体的に何を指していますか?
▼ 意欲的か意欲的でないかはどうやって判断されるのですか?
という質問に的確に答えられるかどうかなんです。
仕事に於ける成果ってこのことですよ。与えられたテキストを端から端まで説明することが人事研修の成果ではありません。
人事研修の目的は何か?その目的がクリアされたかどうかをどのように測定するのか?測定された数値を向上させるために、どんなことをやっているのか?これにスラッと答えられるのなら、その人は成果を出すために仕事をしていると言えるのです。
業務の効率化とは具体的に何と何を比較して「効率化された」と判断できるのか?その数字を改善させるためにあなたは何をしているのか?その数字が、他部署や顧客、会社全体にどのような影響を与えているのか?という問いに答えられないのであれば、それは頭を使って仕事をしているとは言えないのです。
使いやすいUIの定義は何ですか?それはイコール使いにくいUIが定義されているということで、使いにくいことで何が起こっているのか?それが改善されると、ビフォーアフターでどこの何が変化するのか?改善されたかどうかはどこを見て判断しているのか?そのためにどんな取り組みをやっているのか?
このレベルの質問に即答できる人は、全体の1割程度しかいないと思います。ですから即答できたら、その人は即「優秀な人」フラグが立ちます。
管理職として新しい部署に赴任したら、チームの主だった人にこの手の質問をするんです。その回答のレベルによって、優秀な人か、そうでないガラクタかがパッと分けられます。
みなさんもその観点で自分の仕事を棚卸ししてみたら良いですよ。そして自分は優秀な人間なのか、ガラクタだったのかをちゃんと理解した方が良いです。
そもそも成果が定義されていないのに、成果を出せるわけがないんです。
成果主義を標榜する会社はたくさんあるんですけど、成果の定義が前述したようなアナログで抽象的、情緒的なモノだったら(使いやすいとか、品質を高めるとか、意欲的かみたいな指標のことですね)、それが達成されたかどうかを検証することなんてできませんから。
そして成果とは、最後は必ず数字で測定されるモノなんです。
使いやすい、意欲的、高い品質、効率的のようなアナログなモノを、どんな数字に置き換えることができるのか?その数字を追いかけるような業務デザインにしないと、本当の意味では成果なんて出るようにならないんですよ。
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