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施術をしたのは10万人以上。ピカソも受けたトンデモない“若返り”手術とは?

人類永遠の夢である「若返り」。さまざまな童話や昔話でも若返りたい魔女や悪者はよく目にしますよね。実は、実際に若返りができるとして医療手術で一世を風靡した医師がいたといいます。そこで今回は、メルマガ『見ル野栄司のシブすぎ技術秘話』の著者で元エンジニア漫画家の見ル野栄司さんがその医師の話を詳しく紹介しています。

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人類永遠の夢「若返り」を追い求めた医者の話

セルジュ・ボロノフをみなさんご存じでしょうか?今から100年ほど前の人物なのですが。医者です。

かれはなんと、人類の永遠の夢である「若返り」の医療手術で当時を一世風靡した人物です。

この若返りですが、ひとことで言うと猿の睾丸をスライスして人間の睾丸に張り付けると若返るというもの。

恐ろしいですよねー!でもやったんです。このマッドは!

発案は、元気な年寄はいつまでも女好きである。というイメージを持っていたボロノフは、人間の睾丸をデカくすれば若返るんじゃないか!?という単純な発想を思いついたのです!

アホですよねー。ところが彼はどんどんと牛やヤギで実験して成功させたのです。移植手術をした動物たちは衰えていた生殖機能が復活して子供をばんばん産んだといいます。

ボロノフのうまいのはこれを学会で発表すると同時にマスコミにがんがんアピールしたのです。

学会は眉唾ものだったようですが、一般人は「若返り」なんてことばを新聞で目にしたら飛びつくしいいことだ!となるわけです。

そしてボロノフはこれを人間で実証していくというわけ。フランスで医者をやっていた彼のもとにぞくぞくと集まる金持ちたち!

ボロノフは弟子も増やしてこの医術方法をどんどん広めていったわけです。ついには世界中でこの施術が広まり、これを受けた人間の数はなんと10万人もいた!といいます。

その中にはなんと…あのピカソもいたとか。ボロノフはいっきに金持ちになり、皇室の奥さんまでもらう始末。億万長者になっていったわけです。

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ところが、これに疑問の目を向けた医師もいたわけで、動物の実験をやっている時に来た調査の時にどうもおかしい…と思っていました。

そしてボロノフが大暴れしている間に動物で実験したのですが、若返りなんてまったくのウソという結果が出たのです。

しかしながら施術を受けた人間たちで、なんか若くなったという者が多い。これにトリックがあったと言います。

患者たちは1週間入院して禁酒禁煙禁欲という生活をしていかにボロノフの手術が素晴らしい未来をもたらすか…を頭にたたき込まれるのです。

そして健康的になってさらにその洗脳が加わるのだからプラセボ効果がばりばり働くわけです。ギンギンの状態で退院するのです!(笑)

信じる者は救われる?のかな?結局、ボロノフのコレはインチキということになり世間から忘れ去られたのです。

今なんて初耳って人が多いですよね。

時としてマッドサイエンティストと言われている者は未来を変えるものを創っていたりします。

ニコラテスラしかりニュートンしかり。

しかしこのボノロフとこの金玉手術は悲しいかな歴史の闇に葬られてしまいました。そう、我々もいままであらゆるものを創ってきたのに日の目を見ないもののほうが多いですよね。

悲しいかな。いや…それが普通なのですね。

※本記事は有料メルマガ『見ル野栄司のシブすぎ技術秘話』2022年3月8日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

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image by: Shutterstock.com

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漫画家 半導体製造装置やアミューズメントゲーム機などの会社で、設計・開発に10年携わりその後漫画家としてデビュー。ものづくりエンジニアの取材漫画「シブすぎ技術に男泣き!」がベストセラーに。現在でもフライス旋盤、3Dプリンター、マイコンボードを使いものづくりをして漫画にしている。週刊プレイボーイ(集英社)、インターフェース(CQ出版)などで連載中。代表作に「シブすぎ技術シリーズ」「ロッカク」(KADOKAWA)「東京フローチャート」「ヤバすぎ技術にむせび泣き!」(小学館)「スナック鳥男」(コアマガジン)他多数。

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【著者】 見ル野栄司 【月額】 ¥880/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎週 火曜日(祝祭日を除く)

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