廃れたドヤ街にある“けんちん汁専門店”になぜ行列ができるのか?

 

このお店の営業時間は、朝5時から朝10時まで。

豆腐屋さんの名残りで朝早くから開けていますが、開店早々、やって来る人もいます。

近くに住む人の朝ご飯となっているのです。

しかし、その客層は、腰の曲がった人、杖をつく人など、高齢者ばかり。

この地域の日雇い労働者は、現在3,500人ほどだと言われますが、その9割は生活保護受給者です。

つまり、実際は労働者ではなく、もう働けなくなり、生活保護で暮らしている人なのです。

また、日雇い仕事も無くなってきた上、2020東京オリムピックをきっかけに、街が様変わりしたのです。

古い建物を取り壊し、街の整備を始めました。

古い簡易宿泊所や商店が、次々と消えていきました。

「ドヤ街の解体」です。

これにより、どんどん人が減り、街の灯も消えようとしています。

けんちん汁専門店も運命をともにするのかもしれません。

店主も「体力的にいつまでやれるかわからない」「仕入れのために乗っている自転車もいつまで乗れるか」と言います。

時代の流れで、仕方のないことかもしれませんが、長年人びとに愛されたお店が無くなるのは寂しいことです。

そして、街全体がまったく新しいものに生まれ変わることで、このお店のことも人びとの記憶から消え去るのです。

image by: Shutterstock.com

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なぜ、人はモノを買いたくなるのか。欲しいという感情は、どこから生まれるのか。消費行動における人の心理を知れば、売れるモノが見えてくる。売り方がわかる。小手先のテクニックなど、いらない。人を研究すれば、やるべきことはすべてわかる。

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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