実際、金正恩は涙を流した時、もっと怖かった。金正日総書記の告別式の日、そのように号泣した幼い青年は、数日後、叔父の張成沢(チャン・ソンテク)を残忍に処刑した。
2017年に異母兄の金正男(キム・ジョンナム)を毒殺した時は中国メディアで「金正男殺害の便りを聞いて金正恩がソファーにつっぷして泣いた」と報道した。
玄哲海の喪屋で悲痛な顔を見せた金正恩は、わずか5日後に新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)と短距離弾道ミサイル(SRBM)を混ぜて3発もぶっ放した。
自ら「建国以来の大動乱」と表現したコロナ時局の中でも軍事挑発の時計は止まらなかった。
北朝鮮は2020年の閲兵式でICBM、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)など新型兵器を誇示して武力示威を行なったが、当時の文在寅政府は「愛する南朝鮮同胞」云々して涙ぐんだ金正恩の涙に、さらに注目した。
「(金正恩が)南北関係を修復しようとしているということだ」と喜んだ。このような誤った判断で笑ったはずの金正恩は、涙の裏側で着実に核・ミサイルを確固たるものにしていった。
金正恩が涙ぐむ時は、下手に拍子に合わせるよりもその裏を見極めなければならない。
「ワニの涙(偽善者が悲報に接して?泣きをするような、偽りの不誠実な感情表現のこと)」に惑わされてかんぬきを開けてしまったばかりに、これまであまりにやられっ放しだったじゃないのか。
文在寅と同じような轍は踏んではならない。(東亜日報参照)
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