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実は国外のリスクより深刻。「日本人が日本を滅ぼす」という国内のリスク

ウクライナ情勢を受けて、これまで「平和ボケよりタチ悪い。自分は大丈夫という思い込みが日本を滅ぼす」や「ロシアが日本に侵攻しない理由はない。それでも日本人が戦争に備えぬ訳」などで、日本人の危機意識の低さを指摘してきたジャーナリストで作家の宇田川敬介さん。今回のメルマガ『宇田川敬介の日本の裏側の見えない世界の話』では、周辺の国々以上のリスクが実は国内にあるという現実を暴露。すなわち、経済優先や平和重視を叫び国を守る動きを妨害する人々の存在をあげ、「日本人が日本を滅ぼす」と警鐘を鳴らしています。

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ウクライナ情勢を見て、日本はリスクを回避するために何をすべきか

ウクライナ情勢見て、「人の振り見て我が振り直せ」の事から見えるように「日本はどうなのか」ということを考えてみる第53話 ウクライナ情勢を見て思う「我が国は生きのこれるのか?」は今回が最終回になります。

最終回なので、少々いつもよりも短めになるかもしれませんが、頑張ってまとめてみましょう。日本はリスクが国の周辺で非常に多く、その為に、本来であればそのことに関して備えなければならない状態であるにもかかわらず、残念ながらそのようになっていないということになります。

実際に、「リスク」のほとんどが「日本の経済優先の政治体制」が問題になっており、そのことから、日本人が日本を攻撃する兵器づくりに寄与しているというような状態になっているのではないかということなのです。

そのうえ、日本人が平和憲法などということを言い、平和のために主権も領土も失うことを望むような書き込みをしてしまうということになっています。

一部の日本人が、日本を守ろうとすることを、他の日本人が経済優先ということを言い、またその他の日本人が平和だから軍備反対と言い、そのことで、日本を守ることを妨害するというようなことになっています。

学術に関しても、「軍事利用反対」と言いながら、外国によって軍事利用されることに関してはまったく口を閉ざしているというような状況なのです。

そのような状態では「日本人が日本を滅ぼす」ということになってしまい、国外のリスクということとは全く異なるということになってしまいます。

まさに、ロシアに侵攻されたウクライナの国民が、老人や子供を安全な場所に難民として避難させた後、自分たちは国に戻って国を守る行動をしていました。ビール工場の人々は、ビール瓶を加工して火炎瓶を作り、それを前線に送ることによって国を守ろうとしていました。「自分にできること」で、貢献し、そして国を守ろうとする姿は何度も報道されていたのです。

日本が、もしも諸外国に攻められたら、そのように「自分にできることで国を守ろうとする」人は何人いるのでしょうか。そして何ができるのでしょうか。

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一方、ウクライナの場合は、南の都市の一部を除き、海に面していません。その為に、陸続きで外国に逃げることができます。上記に「安全な場所に避難させて」ということを書きましたが、単純に、外国に難民として非難させるということができたのです。

しかし、日本の場合は、海を渡らないと外国に行くことができません。つまりは、ウクライナのように外国に難民として逃げるということはできないのです。また、韓国のように地下シェルターもありません。その為に、一次隠れて、その後戦うということもできないのです。

「戦争反対」「憲法9条」と言っていれば、ミサイルも来なければ、砲撃もないというような、宗教的なことを言う人も少なくありません。しかし、インドのガンジーが無抵抗主義を行ったために、ベンガル地方は何人が犠牲になったのでしょうか。それよりも、チャンドラボースが戦ったことによって、どれほどの人が助かったのでしょうか。

いつもこのような話をするときに、私は映画の話をします。戦後すぐの映画は「○○愚連隊」など、勝新太郎などが主人公になった映画が多くありました。これは実際に軍隊に行っていた人が最前線の事を楽しく書いた映画です。戦って死ぬというような話ではなく、なにかドジを踏んでも楽しく軍隊生活を送る人々の映画です。

もちろん、敵が攻めてくれば戦うのですが、しかし、そのような中にも何か笑いがあるというような映画を作っていたのです。これは映画を作るときに、実際に戦争に行った、というか戦場に立った人が多く、その真実の姿をしっかりと残していたということになるのではないでしょうか。

毎日毎日、激戦が続くわけではなく、戦闘行為などは数日間で、実際は何日も見回りなどで終わっていて、その中で様々な生活模様があったということになるのではないでしょうか。

しかし、実際に戦争に行った世代が映画の世界から引退し、そのことによって、当時国に残った世代が映画の中心になります。ガラスのウサギやはだしのゲンなど、「自分たちは悪いことをしていないのに一方的に空から爆弾が振ってきた」という、悲惨な出来事、身近な人々が死ぬというような描写の映画ばかりになります。

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実際に、戦争反対と言っているのはこの世代と、この世代に感化を受けた一群であるということになります。日本に残っていたのですから、実際に戦場の様子を知っているわけではありません。そのことから、戦争の実態ではなく「空襲で被害に遭って戦わなかった人々」の記録が残っているのです。

そして、自分たちの被害に対して「戦争を決断した政府」や「外地に向かって戦っている兵隊」に対して不平不満を言ってるということになります。そして、「被害を受けた」「身近な人が死んだ」というようなことばかりを強調し、「なぜ戦争になったのか」「何故日本は爆弾が降るようになったのか」など、本当の歴史を直視できない状態になってしまっているのです。

しかし、兵に出て、戦地を経験した人が徐々にいなくなってしまったので、この「被害者世代」が中心になるということになります。この時代の思想や学術理論が、なぜかいまだに日本を支配しているのです。

一方その世代が徐々に映画の世界から引退し、そして「戦争を経験していない世代」が台頭してきます。この世代は、戦争そのものを歴史に従って調べ、そのうえで、その戦争の体験や、現代の戦争(アメリカなど)の記録を読んで、そのうえで、なるべく史実に近いような描写を心掛けるようになります。

はじめのうちは「被害者世代」の影響を大きく受けることになるのですが、しかし、徐々にその世代も口を出さなくなると、現実描写が始まります。戦わなければ大切なものを守れないというような表現が大きくなり、そして戦うということを否定しない世代が生まれてくることになります。

戦わないで逃げること、主権を失うこと、人の奴隷になって服従しなければならなくなることのみじめさなどを強調することになるのです。(メルマガ『宇田川敬介の日本の裏側の見えない世界の話』2022年5月30日号より一部抜粋。続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)

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image by:ally308/Shutterstock.com

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