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バイデン、過去最低の支持率で危険水域に。歴代の中で最も“インフレに弱い”政権構造の実態

米連邦準備制度理事会(FRB)は15日、政策金利を0.75%引き上げると決めました。これほどまでの大幅利上げは1994年11月以来、実に27年7カ月ぶり。記録的な物価上昇を抑制するため、上げ幅を従来の3倍にした形となりました。そこで今回は、アメリカ国内でバイデン大統領の支持率が最低に落ち込んだこととその理由、インフレに弱い政権の構造問題などについてご紹介していきます。

バイデン大統領の支持率低下が止まらない

バイデン大統領のアメリカ国内での支持率の低下が止まりません。最新のリアルクリアポリティクスのデータでは、支持率が39.4%と過去最低を記録し、持ち直す気配が全く見えない状況となっています。

その要因の大きな一つがインフレ対策です。

アメリカ労働省が10日に5月のCPI(消費者物価指数)を発表しましたが、昨年同月比で8.6%の上昇と、市場予想の8.3%を上回り、ピークと見られていた3月4月から更に上昇して過去40年間で最悪のレベルとなりました。

牽引要因の一つと言われているのはガソリン価格で、アメリカ自動車協会の数字では、5月のガソリン価格は1ガロン当たり平均4.37ドル。

これ、トランプ政権時は2.5ドルから3ドルのものがここまで上がり、前年比で言うと48.7%上昇、そして今6月10日現在では、1ガロン当たり5ドルに迫っています。と言うことは6月のCPIも更に悪化する、という可能性を示唆しています。

その他、家計に直結する食品価格なども上昇して前年比で10.1%上昇となっている訳ですが、このインフレの直接要因は、皆さんよくご存じの通り、ウクライナ侵攻や新型コロナ対策によるサプライチェーンの寸断、ではあります。

しかしながら、これに対してバイデン政権が完全に手詰まりで何も出来ていない、FRBの利上げ頼みで、丸投げするのみならず責任転嫁をしている、そして中期的にはインフレを悪化させる要因を自ら作っている、と言うことがよりクローズアップされつつあります。

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これまでのバイデン大統領

そもそもバイデン民主党は、アメリカの歴代政権の中でも最もインフレに弱い構造の政権です。

予備選の時に注目された、バーニーサンダースやエリザベスウォーレン、こういった方々に代表される、急進左派と呼ばれるリベラル派の意向を反映させねば成り立たない宿命を負った政権です。

経済政策は最初から如何に大きな歳出をして国民に平等にお金を行き渡らせるか、というところからスタートしていますが、じゃぶじゃぶのばら撒きは当然インフレの助長に繋がります。

昨年3月に、既にトランプ政権で6兆ドルもコロナ対策につぎ込んだ後に、インフレを加速させるとの批判も聞かずに、米国救済計画法という法案を民主党単独で無理やり通しました。

1.9兆ドルを個人向け現金給付につぎ込んだところからこのバイデン政権はスタートし、このばら撒き過ぎが今の労働力不足の原因とも言われています。

そしてその後に、米国雇用計画、米国家族計画と、数兆ドルの歳出法案を提案した結果、あまりにも巨額のばら撒き政策に野党共和党は勿論ですが民主党内からも反対が噴出。

この中のほんの一部を11月にインフラ法案として通しただけで、今のインフレ対策に効果が期待出来る、エネルギー、処方薬、輸送などのコストを低減する法案がなかなか通りません。

これは、通称「ビルドバックベター法案」に含まれている訳ですが、この法案の中にはまだまだ巨額のばら撒き案が含まれていますので、いつ通るか目途がつかない状況となっています。

一方で、ウクライナ侵攻に対する支援も、現在アメリカの税金で大量の武器をウクライナに供給している訳ですが、この紛争が長引けば長引くほど、ガソリン価格や電気代などのエネルギーや食糧不足による食品のインフレが悪化します。

海外よりも国内問題だという、つまりウクライナ援助に反対する声も大きくなってきている状況です。

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円安は続く

このまま行くと問題は利上げです。

5月までは、FRBは9月以降は利上げも一服かという予測もありましたが、急激に、今の利上げペースを維持するのでは、という憶測が出ていて、そうなると円安は135円どころか、140円にも突入かと言う、日本国民の生活には大打撃が避けられない状況になっていきます。

今が11月の中間選挙に向けて正念場、バイデン大統領の今後の党内の統率力を見守りたいと思います。

出典:メルマガ【今アメリカで起こっている話題を紹介】欧米ビジネス政治経済研究所

image by : Ron Adar / shutterstock

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