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台湾の若者をカネの力で大陸へ誘惑。中国・習近平政権が仕掛ける卑怯な罠

軍事的威嚇や外交的圧力といった手段で着々と台湾併合の準備を進める中国。そんな習近平政権が、近年台湾の若者たちを中国本土に「カネの力」で誘惑する策謀に出ていることをご存知でしょうか。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では著者で台湾出身の評論家・黄文雄さんが、そんな実態を伝える記事を取り上げ詳しく解説。さらにこのような呼びかけに応じた台湾の若者の行く末を予言しています。

※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2022年7月13日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

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プロフィール:黄文雄こう・ぶんゆう
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。 

【台湾】台湾青年を中国に引きずり込む習近平と国民党の策謀

台湾青年に大陸就業支援 習氏が書簡で呼びかけ

中国の習近平国家主席は11日、福建省アモイで開かれた中台の青年が参加するフォーラムに書簡を寄せ、中国本土で修学や就業をする台湾青年を積極的に支援すると訴えた。また中華民族の偉大な復興のプロセスに参加するよう台湾青年に呼びかけた。

 

中国は台湾の防空識別圏に連日軍機を進入させるなど軍事的圧力を強める一方で、対中融和的な勢力には経済面などで優遇する政策も進める。

 

習氏は「多くの台湾青年が大陸を経験、理解してほしい」とも述べた。

 

台湾で対中政策を主管する大陸委員会は、フォーラムは中国共産党による「台湾統一戦線工作の手段」だとして台湾人に参加しないよう呼びかけている。

以上、産経新聞の記事の内容を引用しました。

習近平は、台湾を統一するために、お金の力を借りてあの手この手で台湾を懐柔しています。2014年、ひまわり学生運動が台湾で起こると、それまで台湾企業を中国に誘致したり、中国人観光客を台湾に送り込み台湾の国民党系企業に利益をもたらせるといったやり方をしていた中国が、台湾の若者を取り込む作戦に出ました。それが「海峡両岸青年創業基地」です。2016年の記事を一部引用します。

海峡両岸青年創業基地は、進出する台湾の企業、青年起業家に対し、金融や上場、審査・承認などの面でサービスを提供する。同産業園区投資促進局の張海梁局長は基地内で創業、就業する台湾青年に対し、少額の無利子融資や住宅補助などを提供するという。

山東に海峡両岸青年創業基地

台湾の青年企業家や就職を控えた台湾の青年を優遇し、ビジネスチャンスを与え、金銭面でも支援するというものです。この政策のせいか、一時、台湾の若者の中では中国行きが人気だったこともありました。

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しかし、もともと台湾では対中感情はよくないし、香港の雨傘革命なども影響したのか、中国に対する評価はすぐに下がりました。それでもなお、冒頭のように厦門での呼びかけをしています。

呼びかけの舞台となった、厦門で開かれた中台青年のフォーラムというのは、「第20回海峡青年フォーラム」というもので、「中華全国青年連合会、台湾中華青年交流協会、中国国民党青年活動総会の共催で2003年に始まった同フォーラムは、両岸の青年交流の重要なプラットフォーム」だそうです。

第20回海峡青年フォーラムが開幕 福建省アモイ市

中華全国青年連合会は、「全青連」との略称で呼ばれ、「1949年に設立された中国共産党の指導下にある団体の一つで、中国共産主義青年団を核とする各青年団体の連合組織、各民族・各界の青年による愛国統一戦線の組織である」

中華全国青年連合会

つまり、このフォーラムの主催者は国民党の下部組織のようなものです。このフォーラムでの呼びかけに応じた台湾の青年の行く末は火を見るよりも明らかでしょう。中台統一の洗脳を受けるはずです。

冒頭の記事の最後にあるように、台湾側は警戒心を露わにし「『台湾統一戦線工作の手段』だとして台湾人に参加しないよう呼びかけている」のも分かります。

台湾には、中国とは社会構造が違い、中国のような赤貧層はいないので、中国の甘言に飛びつく人はあまりいないのではないでしょうか。

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