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【受験生と食】野菜ソムリエ&医師が実践!合格するための食生活のレシピ

受験で保護者もアンチエイジング

『森の診療所から始める 旅こそアンチエイジング』第18号より一部抜粋

あたりまえのことですが、受験は「その日いちにち」で決まるわけではありません。こつこつと努力し、自分の弱点を克服し、強みはさらに伸ばして弱点をけん引する。これが受験勉強の王道です。

アンチエイジングも同じです。弱み(加齢促進している部分)を知りメンテナンス、強み(暦年齢より若い部分)を知って自信をキープする、そして、バランスの良い身体状況をめざします。これもこつこつ、日々の食事と運動と「ココロのありかた」です。

長いようで短い受験期間。その1年を走りきるためには、やはり健康維持と日内リズムを確立することが先決です。これが保護者と受験生の共通項目です。いくら勉強時間を長くしても睡眠時間が不足していては免疫低下、特に風邪やインフルエンザなどが蔓延するのが入試日程のあたり、当日発熱なんて言い訳もできません。

受験に成功する遺伝子を磨く方法

そういった目先の事柄よりも父兄も受験生ももっと大切な、「遺伝子を磨く」という共通認識。

なに???解らない。

遺伝子にはいろいろな命の情報があり、その発現は「どのようなスイッチが入るか?」ということで決まります。それは環境によるところが大きいのです。科学的な視点から(科学を知って)自分を磨く、ということです。精神論ではありません。

磨く、ということは自分の身体状況をベストにするために、命の情報(遺伝子)を不利な状況に追い込まない、まず大事なのは、戦いモード時間と休息モード時間をはっきりと設定することです。

受験生がすべき朝の過ごし方

朝、起きる。日差しを感じる(概日リズムで大事、特にメラトニン分泌)
朝食を食べる。エネルギーだけでなく体温産生のために炭水化物とタンパク質。朝食を摂ると排便もスムーズ。体温上昇は勉強に(仕事に)集中できるポイントです。昼食前に空腹でお腹が「ぐーっ」とならない様にGI値の低い食べ物、食べ方をする。

最近は排便が上手くいかず、きりきりした腹痛で救急搬送され、浣腸1本で帰宅という事例も。このような事を、思春期に経験してしまうと、トラウマになってしまいます。そのようなつまらないことで時間を費やさない。

受験に効くお弁当とは?

昼食:お弁当の場合。野菜をいかにお弁当に入れるか、となると温野菜サラダやピクルス、根菜類の煮物やキンピラなど。揚げ物をいかに控えるか(酸化した油の摂取を控える)、特に電子レンジ・チンの冷凍揚げ物は要注意なんですよ。せっかく魚のω-3で脂質バランスを整えても、脂肪酸の質を低下させてはいけません。

塾がある場合の食事。2回に分けて食べたほうが良いでしょう。夕方、果物(かんきつ類がおすすめ)と牛乳やココアで空腹感を一旦鎮め、塾にでかけて、帰宅後主菜(おかず)と副菜(野菜メニュー)で済ませる。

体温(熱産生)
血糖値の変化
胃内停滞時間
排便管理

これらのポイントは野菜料理をいかに食事に盛り込むか、ということになります。特に葉野菜。量を食べさせるためには加熱調理が必要ですから、野菜スープ・みそ汁、ミネストローネ、おでん・ポトフ、おひたし・・・ともかくお母さんが丁寧に料理するかにかかっています。生野菜サラダはお料理が楽ですが、香辛野菜をうまく盛り込まないと体を冷やしてしまいます。

運動部にいた子は注意したい食事

運動部だった子供は、受験モードに入ったら炭水化物の量に注意。勉強は筋肉をさほど使いませんので、運動していた時と同じ量の炭水化物を摂取すると体重増加しがちです。間食に注意ですね。

同じパンでもこういった菓子パンは糖質(炭水化物)が多いのです。

受験期のポイントは野菜にかかわる食費はケチらない。美味しい野菜を選べばきっと食べてくれると思いますよ。

ともかくバナナと菓子パンと牛乳、では受験は制しません。運よく受験は乗り切っても、何度かやってくる人生のハードルには連続して超えることは出来ないでしょう。

それからペットボトル飲料。選ぶ銘柄によっては虫歯になります。それに工業的に作られたブドウ糖は血糖値の上昇が早すぎるし、一方、人工甘味料は満腹中枢に信号を送りません。

受験当日の注意点

さて、ここまで考え実践していた私の親としての失敗

それは受験当日をセレモニーにしてしまったこと。

受験勉強の延長線上に当日を考える。同じ態度、同じような食事、同じようなお弁当で臨むこと。イチローが毎日カレーを食べていた理由と同じです。

子供の受験を食、ライフスタイルから考えて取り組むと、自分のアンチエイジングに繋がります。こどもは自分を勉強で日々変える努力をしています。私たちアンチエイジング世代、変える努力・あるいは維持する努力を怠ると、あっという間にアンチエイジングカーブは下っていくのです。

自分を磨く、自分の遺伝子を磨く

保護者が受験でブルーになると子供もブルーになりますよ。子供の受験でアンチエイジング、考え方次第で大成功の道のりです。

最後に、最も大事なのは「生きていく能力」。これは中二まで成績がふるわなかったうちの子が震災前に技術家庭科で制作した「手巻き充電の、携帯電話充電機器とライト、ラジオ合体マシン」。震災で大活躍のこのマシン、作りが良く頑丈で持ちこたえました。長引く停電、このマシンでメールを1件送信しては充電をずっと繰り返していました。子供にはとっても感謝です。5段階評価ではなかなか現れにくいこういった能力。でも生きる能力の高い子は、受験も、これからの人生のハードルも、それなりに飛び越えてくれるものです。中三でグングン成績が伸びました。

親も子供に励まされます。

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岩手県出身、岩手医科大学卒業、放射線科専門医、社会を幸せにする医師としての実績を日々模索し続けている。医師、野菜ソムリエ両者の視点から綴られるメルマガは読めばすぐに役立つ内容で人気を集めている。まぐまぐ大賞2014ライフ部門入賞。

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【著者】 宮田恵 【月額】 初月無料!月額330円(税込) 【発行周期】 毎月 第2土曜日(年末年始を除く) 発行予定

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