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トップ営業マンが、契約を取りたいお客様に「絶対に言わせない」こと

誰でも契約書に判子を押してしまいたくなる「特別な営業トーク」、そんなものが本当にあるのでしょうか? 今回のメルマガ『菊原智明の【稼げる人、売れる人に変わる知恵】』では、著者で営業コンサルタントの菊原智明さんが、 そんな「幻想」をバッサリ。そして、誰しも上手な営業ができる「契約への誘導方法」について、自身の苦い経験を織り交ぜて語っています。

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トップ営業スタッフの契約への導き方

トップ営業スタッフは「人とは違う特別なクロージングトークを知っている」といったイメージがある。

心理術を応用したトークでお客様を“買わずにはいられない”といった状況をしていく。

気づいたら、お客様が「あれ、ハンコを押していた」といった世界だ。

私も長年そう思っていた。実際、身近にいた営業スタッフが「絶対に決まる殺し文句がある」といった話をしていたこともある。

しかし、それは幻であって“再現性”はほとんどない。その人がそう思い込んでいるだけのトークだった。

トップ営業スタッフは決して、特別なクロージングトークなどしていない。殺し文句を言わずともお客様の方から進んで契約をしている。これは間違いない。

このように言うと「お客様が“契約させて欲しい”と言ってくるのを待つのかな?」と思うかもしれない。

それは違う。トップ営業スタッフはお客様が買うというサイン出した際、「急がなくていいんです。ゆっくり考えてください」などと言ったりはしない。

感じはいいが話をなかなか進めてこない。時々そういった煮え切らない営業がいる。こういった人で結果を出している人はいない。

トップ営業スタッフはお客様の購買意欲が上がれば「まずはこれをして頂き、次はこれです。そして…」と導いていく。お客様を不安にさせず一気にたたみかけるのだ。

ほとんどの営業スタッフはこの導く力が弱い。クロージングポイントになっても「このような使い方がありまして」などと、いらぬ説明を続けてしまう。

そのうちにお客様は冷めてくる。「では、これで検討してみますね」などと言われ、逃げられてしまうのだ。

しかも、チャンスを逃したことに気が付いていない。断りの電話をもらい「やっぱりA社の方が多く値引きしてきたかぁ…」などと思い込んでしまう。

一部を見て間違った分析をする。こうしていつまでも同じミスを繰り返してしまう。

ダメ営業スタッフ時代のこと。あるお客様と商談していた。何度も間取りの打合せもしており、見積も数回出していた。

毎回アポも取れるし「いい感じで進んでいる」という感触はあった。

というかほぼ決まっている。競合の影もなく、単独指名。予算も問題ない。

客観的に見れば“いつクロージングしてもいい状態”のお客様だったのだ。

そんな時のこと。お客様が突然「契約はどうやったらいいのでしょうか?」と言い出した。

私は嬉しかった。なにしろお客様の方から契約の話を切り出してくれたのだから。その後、無事に契約となった。

今までお客様から契約を切り出されたことはない。その時は「自分の営業力がかなり上がったのでは」と有頂天になっていた。

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この話を先輩にしたところ「お客様に“契約をどうしたらいいの?”なんて言われるのは営業として恥ずべきことだ。絶対にやってはならない!」ときつく注意された。

その時はカチンときた。その先輩に対して「力がついてきた私に嫉妬しているのだろう」程度しか思わなかったのだ。

それから数年経ち、私はトップ営業スタッフになった。商談の途中で「菊原さんに決めています」と言われることはあった。

しかし、お客様から「どうやって契約したらいいのでしょうか?」などと言われることは一切なくなった。

その理由は“お客様に次にやることを示していた”から。

お客様にとって家づくりは初めてのこと。分からない事だらけだ。そこでプロである営業スタッフが上手に導く必要がある。

お客様が不安になり「次はどうしたらいいのでしょうか?」などと聞かれるのは恥ずべきこと。この段階になって先輩が言っていることを理解したのだ。

ここからはできる方のみ挑戦して欲しい。契約の流れにのってきたら“決め手になるひと言”をズバッと伝える。

知人のトップ営業スタッフは「私が窓口となって最後まで責任を持って進めさせて頂きます」とお客様に伝えている。

また、ハウスメーカーのトップ営業スタッフは「契約してからが本当の付き合いになります。一生のお付き合いさせていただきます」と伝える。ここまで言ってくれればお客様は安心するものだ。

お客様が買う気になったらしっかりと導いていく。そして安心させるひと言をズバッと言う。それがトップ営業スタッフの条件である。

【今日の課題】

・購買意欲が上がったサインを見逃さない
・決め手になるひと言を伝える

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image by: Shutterstock.com

菊原智明この著者の記事一覧

群馬県高崎市生まれ。工学部機械科卒業後トヨタホームに入社し、営業の世界へ。 自分に合う営業方法が見つからず7年もの間クビ寸前の苦しい営業マン時代を過ごす。 お客様へのアプローチを訪問から「営業レター」に変えることをきっかけに4年連続トップの営業マンに。 2006年に独立。営業サポート・コンサルティング株式会社を設立。 現在、上場企業への定期研修、講演、コンサルティング業務、経営者や営業マン向けのセミナーを行っている。 個人の営業マン向けとして【営業通信講座】や個人コンサルティングも実施。 2010年より関東学園大学にて学生に向け全国でも珍しい【営業の授業】を行い、社会出てからすぐに活躍できるための知識を教えている。 また(社)営業人材教育協会の理事として営業を教えられる講師の育成も取り組む。 2019年までに56冊の本を出版。ベストセラー、海外で翻訳多数。

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【著者】 菊原智明 【月額】 ¥770/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎週 金曜日 発行予定

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