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Large business team showing unity with their hands together

劇的変化。リクルートはなぜ会議の通称を「ヨミ会」に変えたのか

ビジネスでも家庭でも、なかなか相手が思うように動いてくれないことやうまく回らない時ってありますよね。そこで、今回のメルマガ『尾原のアフターデジタル時代の成長論』では、著者で、Google、マッキンゼー、リクルート、楽天の執行役員などを経て、現在はIT批評家として活躍されている尾原和啓さんが、 雰囲気が良くなる「ふたつの魔法の言葉」を紹介しています。

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たった「2つの言葉」を変更するだけで、チームも家庭も劇的に変わる

今日はこんなことしてみたらどうでしょう?ということを語りたいです。

僕が色んなプロジェクトに入らせていただいて、最初にすることがあるんですけど、その中で1個だけ皆さんに強制することがあるんです。

これだけは皆さんお願いします、騙されたと思ってやってくださいよ!っていう2つの事をやると組織の雰囲気がめちゃめちゃ変わって且つ、結果的に生産性が良くなる、っていうマジックワード2つがあるんですよ。

そのことについてちょうど僕の遊び友達である楽天の学長である仲山さんが丁度2年前に同じポストをされていて、これが正に僕もやっていたことなのでお話したいんですね。

2つのマジックワード

その2つとは僕が何をするかっていうと、「〇〇させる」って言葉をまずやめましょうっていうのが1個。

あともう1つが人を叱るときに、過去を叱るのではなくて未来を一緒にどうしようか、っていうことをする。

これを短く言うと、過去にWHYするんじゃなくて未来をHOWしようよ、っていうこと。

〇〇させるをやめて、過去のWHYをやめて未来のHOWにしようよっていうこの2つをやると、本当に組織変わるんですね。

じゃあ具体的にどういうことかと言うと、まず今ここに書いてますけども〇〇させるをやめるっていうのはここに書いたように、それさぁあいつにやらせようよ!とか、客に買わせろ!とか、家庭の中で子供に勉強させろ!とか。

あと、もっと可笑しな言葉だと、感動させる!とか共感させる!とかっていう言葉ってついつい使っちゃってません?

でもこれそもそも言葉として可笑しなことがあるわけですね。

感動させるとか共感させるって、感動とか共感は自分心から湧き上がるものじゃないですか。

それを自然に感動させようよ!って言ってるわけですよ。

これって相手をコントロールできる、操作できる、っていうことに囚われてるんですよね。

だけどよく分かるように、自分で考えさせる!とか子供に勉強させる!っていう風にやってると結局子供って人から言われないと出来ない子供になるかもしれないし、もっというと自分で考えさせるって言ってる時点で自分で考えていないわけですよ。

これってほんと矛盾なわけですよ。

何よりも最近大事なことは2つあって。

基本情報はいっぱいあってユーザーが選択できる時代になってきたときに、自発的にお客様自体がやりたい!って思う気持ちにならなかったら長続きしないんですよね、周りからやらせようとしても。

っていう話と、あともう1個大事なことは結局何かをさせるっていうのは相手を無理やり動かそうとしてるから、土台大変なわけですよ。

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コントロールできることとできないこと

で自分というのは確実にコントロールしてうまく動かせるんです。

あともう1個は、環境なわけです。

つまり相手がやりたくなるような環境を作る、これはできるわけです。

だから相手が自然と感動したくなるような物語を周りに置いておくってことはできるわけです。

だからコントロールするのは、環境と自分だけ、って事を考えたときに〇〇させるっていうよりは、お客様に買ってもらえるってするにはどうしたらいいんだろうね、とか。

部下にやらせるじゃなくて、部下が自らやりたくなるような環境とか、周りのコミュニケーションってどう変えればいいんだろうね、とか。

あと自分で考えやすくなる環境をつくろうよ、子供が勉強したくなっちゃうような環境をつくろうよ、感動とか共感とかってことが生みやすくなる物語、遊び代はどこにあるんだろうね、とか。

っていう風に環境を作り、余白を作り、そしてそこに自分をコントロールするっていうところにやっていくと自ずとその人たちがやる、っていうことがうまれて。

それは逆にいうと、一見めんどくさいように見えるんだけれども自発的な行動だから長続きするし、何よりは相手はコントロールできないもの。

だけど環境と自分はコントロールできるし、何よりも振り返りが簡単なんです。

だとした時に、結果として成果が出るんですよね。

それと同じでもう1つやってるのは、過去を叱るのではなく、未来を一緒に考えよう。

過去のWHYじゃなくて未来のHOWにしようって話なんですけれども、要は人ってついつい上手くいかなかったときに、なんでそんな事やっちゃったんだよ!っていう言い方をしちゃうわけですよね。

なんだけど、なんでそんな事をやったんだって言われると、ついだって僕にだってこういう事情があるんですよ、ってついつい防衛に入っちゃうわけですよ。

過去ってのは基本塗り替えられないものなので、なんでそれやったの?って聞くよりは、あぁーそうか起きちゃったね、だとしたら次はどうやれば上手くいくと思う?次上手くやるために僕とか周りが協力できることって何があるかなっていう言い方をした方が自ずと未来解決思考になりますよね。

更に言えば、じゃあ考える時にどういう風に未来に対して2回目やれるのかな、それをどういう風に読んでるの?っていう風な言い方をするわけです。

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リクルートの具体例

だからリクルートが面白いのは、リクルートってめちゃくちゃ営業が優秀ってのがあったんですけど、昔はリクルートの会議のことを「詰め会」って言ってたんですね。

なんで目標が達成できないんだ、なんであのクライアントが攻略できないのか、って言って相手をコントロールするだけじゃなくて、コントロールできなかった事を詰めて詰めて詰めまくるっていう地獄のような会だったんですけど、ある時から詰め会から「ヨミ会」に変えたわけです。

このヨミ会になったことによって、未来をどう読んでいるのか、それを教えてよ、なるほどそう読んでるんだ!だとしたらこれを足してみたらどうだろうか、その事例って他の部署であったからあの人に聞きにいったほうがいいんじゃないか、っていう風に未来の読み方をみんなで良くしていくってことなんですね。

この時に大事なのって詰め会でやっちゃうと、できなかった事をみんなに怒られてどうにかするっていう守りの気持ちになるのに対して、未来を一緒にヨミにいくから、一緒に冒険する仲間に変わってくるってのが1つと。

あともう1つ、なんでそれができないの?っていうとなんでそれができないんだろうっていう1個をどうにかしようと思っちゃうんですよね。

でも未来を読むって形になると、どういう風にしていけば未来をよくできるんだろうっていう風に1個じゃなくてやり方の改善につながっていくわけです。

そうすると、やり方の改善っていうのは、1つの営業の攻略だけじゃなくて、他のケースにも展開できるわけですよね。

さらに言えば1個の個別の攻略ではなくてやり方を一緒に良くしていくっていうと、そのやり方いいね!うちも使わせてよ、っていうふうにやり方ってのは、他の人にも渡すことができるわけですよ。

そういう風に詰め会からヨミ会に変えていく、その時の言葉っていうのはなんでそれやったんの?ではなくて次よくするにはどうしたらいいかな、それをよくする時にどういう風に未来をよんでるの?

なるほど、じゃあそれを一緒に良くしてこうよ!っていう風に詰め会からヨミ会に変えた過去の姿勢から未来の方法を一緒に考えていくっていうやり方に変えていくと、圧倒的に生産性が上がっていくし、何よりも雰囲気が良くなる。

この〇〇させる、をいうのをやめようっていう話と詰め会からヨミ会に変えていく。

この2つを是非自分の家庭であり、自分のグループであれ、自分の会社の組織であれチームであれ是非試してもらえればと思います。

繋がる未来を楽しみましょう!じゃあね!

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image by: Shutterstock.com

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IT批評家、藤原投資顧問 書生 1970年生まれ。京都大学大学院工学研究科応用システム専攻人工知能論講座修了。 マッキンゼー・アンド・カンパニーにてキャリアをスタート。 NTTドコモのiモード事業立ち上げ支援を経て、リクルート、ケイ・ラボラトリー(現:KLab取締役)、コーポレートディレクション、サイバード、電子金券開発、リクルート(2回目)、オプト、Google、楽天(執行役員)の事業企画、投資、新規事業立ち上げに従事。 経産省 対外通商政策委員、産業総合研究所人工知能センターアドバイザー等を歴任。 現職は14職目。シンガポール・バリ島をベースに人・事業を紡ぐカタリスト。ボランティアで「TEDカンファレンス」の日本オーディション、「Burning Japan」に従事するなど、西海岸文化事情にも詳しい。

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【著者】 尾原和啓 【月額】 ¥550/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎週 月・木曜日 発行予定

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