MAG2 NEWS MENU

Woman choosing frozen food from a supermarket freezer

コロナの影響で閉店した老舗中華料理店が奇跡の復活を果たした「秘策」

いまだコロナの影響は大きく、飲食店は経営難を解消できずにいるところも多いのではないでしょうか。今回のメルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では、 一度コロナによって閉店に追い込まれた老舗中華料理店が、とある秘策によって奇跡の復活を遂げた話を紹介しています。

秘策で復活!?閉店しても、味と雇用を守った中華料理店

2022年4月。大阪府箕面市に、冷凍食品専門店「FROZEN Lab」が開店しました。

「薬膳麻婆豆腐」「薬膳お粥」「黄金だしちゃあはん」「牡蠣塩とんこつらーめん」「濃厚とまとらーめん」「生餃子」など、中華料理を中心とした品揃えです。

手軽さで流行となっている冷凍食品専門店であることと、商品の美味しさが評判となり、いま大きな注目を集めています。

実は、このお店に並んでいる商品は、すべてオリジナルで、しかも製造ラインではなく、普通の厨房で作られています。

料理人が、中華料理店と同じ作り方をしているのです。

たとえば、麻婆豆腐は大量に作ると味がブレるので、3人前ずつ作っています。

スーパーに並ぶ冷凍食品とは、まったく違う作り方なのですが、なぜ、これほど手間を掛けた作り方をしているのでしょうか。

それは、このお店が誕生した経緯に関係しています。

お店の商品に中華メニューが多いのは、このお店の前身が中華料理店だからです。

1963年創業の老舗だったのですが、コロナの影響を受け、今年4月に閉店してしまったのです。

しかし、オーナーは、すべてを終わりにするつもりはありませんでした。

先代から続く伝統の味と腕のある料理人たちの職場は、何としても守りたいという思いがありました。

そこで目をつけたのが、冷凍食品事業です。

中食や内食はまだまだ伸びしろがあり、伝統の味を守り続けることができるのではないかと考えたのです。

さらに、その味を守ってきた料理人にも、同じ仕事で働き続けてもらうことができます。

お店と同じ作り方をしながらも、冷凍食品として販売できるのは、現在の冷凍技術の進歩があるからです。

できた料理を熱々のまま真空パックにし、マイナス30度の急速冷凍機に入れるだけなのです。

このような最新の機器が、小さな事業所でも導入できるようになったのです。

これがあれば、飲食店は自慢の料理を冷凍食品として販売できるようになるのです。

外食産業が落ち込んでいるいま、たとえお店が無くなったとしても、その味を残すことができます。

かなり勇気のいる決断ですが、考えられない選択ではありません。

長年営業してきたお店を手放すことは辛いことです。

しかし、お客さまの減ったお店を維持することは、もっと辛いのではないでしょうか。

もちろん、営業を続けながら、冷凍食品を手掛けることもできます。

お店の置かれた状況によって、選ぶ道は違ってきます。

冷凍食品事業という選択肢があることを知れば、これから歩く道を明るく照らしてくれるのではないでしょうか。

image by: Shutterstock.com

佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント)この著者の記事一覧

なぜ、人はモノを買いたくなるのか。欲しいという感情は、どこから生まれるのか。消費行動における人の心理を知れば、売れるモノが見えてくる。売り方がわかる。小手先のテクニックなど、いらない。人を研究すれば、やるべきことはすべてわかる。

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座 』

【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け