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Back view of strong motivated woman celebrating workout goals towards the sun. Morning healthy training success.

新年の目標を立てても達成できない人がまったく理解していないコト

新しい年になると、今年の目標を立てる人が多いと思います。しかし、年末になって振り返ると「あまりできなかったな…」などということはありませんか? そこで、Google、マッキンゼー、リクルート、楽天の執行役員などを経て、現在はIT批評家として活躍されている尾原和啓さんが自身のメルマガ『尾原のアフターデジタル時代の成長論』のなかで、新年の目標設定をする際に理解しておくといいモチベーションについて語っています。

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新年の目標設定にはモチベーションステップを理解してるといいよの巻

新年1発目は、モチベーションをいかに持続するかについて解説します。

年末は、毎月こんなことをやりましたよみたいなことをツイッターとかでシェアしたりとか、グラフで「春は調子良かったけど8月くらいに下がってまた調子が上がってきたな」みたいなジェットコースターみたいなグラフを描いたりとか、いろんな方法で去年を振り返ることをやっている方が多かったと思います。

結局、振り返りというのは何かというと、一言で言えば変化を見ることで未来をより歩きやすくするということなんですよね。「じゃあ何を振り返るのか?」というと、ひとつは「自分はどこからきたのか?」「そしてどこに向かうのか?」というのが明確になるから「自分がどれだけ成長したのか?」というWHATの部分を見ていくことです。

それにより次は「こういう成長ができるよね」とか「未来からバックキャスティング」で、次はこういう未来に行きたいからそれを逆算で考えたら今は何をやるべきなのかというのを計画するというのがあります。

よくある話は12月とか1月に新年とか年末で「来年はこうしよう」という計画をするんですけど、やっぱり3月くらいになったらもたないよねとかですよね。改めて5月とかのゴールデンウィークで5月病みたいなところからもう一回巻き直して7月でもたないよとかありますよね。

つまりモチベーションをいかに持続するかというのが大事にだったりするわけですよね。特に変化の時代というのは見えないことをやり続けないといけないんですよね。

 

モチベーションには2種類ある

実はモチベーションって2種類あるんですよね。

「外側から引っ張られることによって元気になってやってくというやり方」と「内側からエネルギーが出て伸ばしていくというやり方」の2種類があるんですよね。

一時的にカンフル剤としてめちゃくちゃ効くのは外側から発奮してやるカタチなんですよね。ただやっぱり外側から引っ張るのはゴムが引っ張るとプチンとキレたり、ゴムを伸ばし続けると段々伸びが減っていて段々伸びなくなってきたりとかする。

なので、いかに外側のモチベーションというのを内側から立ち上がるように変えていくというのが大事なんですよね。だとした時に、自分が1月~4月という感じで今年を見た時にどんなモチベーションの種類によって自分が動いていたのかというのを振り返ると、結果として外側から内側にモチベーションの変化というのができていたのか。やっぱり外側からのモチベーションだとなかなか持ちにくいので、内側のモチベーションに変わっていたら、これは持続的になるという話なんですよね。

外側から内側:自己決定理論

じゃあ、具体的にどう外側のモチベーションを内側のモチベーションに変えるかというと、これは「自己決定理論」というのがあるんですよね。

要は外から決定されたものは強制になるから「やりたくないけど強制されているからしょうがないよね」「やりたくないけど受験だからやるよね」とか、そういうのは一時的に動くんですけど、やはり自分で決定していないから段々マストでやっているから時間が持たないんですよね。

それに対して自己決定が高いと自分の心から「これが楽しいからやるんだ」という状態になっていると、苦労が苦じゃなくなるわけです。こういう「努力の娯楽化」という話を僕のオンラインサロンハックで言っていますよね。「もう楽しいからもっとやりたい」という状態になるわけですよね。

でもこの外発で外から強制的にやられている状態から内発で内側からもっとやりたいという状態になるまでには間があるわけですよね
。実はこの外側からのものを内側へ取り組んでいくためのステップを理解しておくとより内発性にわかりやすいんですよね。

じゃあ自分の過去を振り返った時にどこから外側から内側に変わっていったのかというのを振り返ってみると、今年何かをやる時に「今外側からやられているから、内側に変えていくためにはどういうステップなんだろう?」というのを考えていくんですね。

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外から内側に変えていくためのステップ

まず1の「外発調整」は外から強制的にやらされる話です。

次の2は「取り入れ的調整」です。要は収入が増えるからとか出世するからという実利があるからやる。実利が何かというのが明確になって動いている状態です。実利といったって収入って他にも得られるやり方はあるし、社会的立場も色々選択ができる中なので持たないんですよね。

次の3は「同一化的調整」です。つまり自分にとって価値があるかということです。2は外から見た時に価値があるかという話で、3は自分から見た時に価値があるかという話です。だからそれって「自分の成長のためにはこういうことをやりたいよね」とか自分らしくするためにはどういう価値がある技術やスキルを身につけるべきなのかという価値で「自分を拡張させていこうよ」という先にものが比較的に外部より内部のほうが近いんですよね。

次の4は「総合的調整」です。今度は何が起こるかというと価値があるから意味があるわけですね。これはもう自分にとって意味を感じていてある目的に達成するということは自分らしさを増すこと。だから「それをやるんだ!」というふうにやっていくと、段々「努力の娯楽化」が起こってきます。
そしてもうそれをやっていること自体が自分らしかが輝いているんだから、もう楽しくてしょうがない。むしろその仕事を奪わないでという感じで変わっていくわけです。

だからついモチベーション革命とかプロセスエコノミーに行くんですけど、最初から内発的動機にたどりつければ良いんですけど、世の中の仕事は大概そうじゃないわけですよ。とするとどうやってこの外発的な矯正されるものから実利があるから取り入れていこうよと。んで、価値があるから自分が拡張するからやっていこうよと。それから自分にとって意味があるからもうそれをやっていることが自分らしくなってくるということで楽しいからやってみる。

そうしてその4ステップを身につけながら過去を振り返ってみると今年新しいことをやる時にいいかもしれません。最初は別に強制から始まっていいわけですね。でもちゃんと強制→実利→価値→意味というカタチでやっていくと内的動機に変わっていくわけですよ。

さらに言えば、だいたい会社は3月決算だったりしますよね。そうすると12月に振り返っても3月にやり切らないといけないケースが多いわけですよね。外発調整という外から強制というのは、最後のエンジンをふかすためのブースターになるんですよね。最後の3ヶ月「もう走り抜けるんだ!」という時のテクニックがあるんですよ。

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6つの外発的動機づけ

外発的動機づけも実は6つあると言われているんですよ。上の「ホメオスタシス性動機」というのは日本ではほとんどないことですよね。要は死にそうだからやるということです。あとは「日本人らしさが損なわれるからもう日本人が死んだとしても日本を守るんだ」みたいな集団としてのアイディンティティとか生存の危機みたいな時に何がなんでもやるというのなんですけど、なかなか今の日本社会では起きません。

だから外部からのカンフル剤としては「社会的動機づけ」が6つで、1つ目は「親和性動機」で仲間と一緒にやりきって「楽しい!」というもの。2つ目も「獲得動機」は実利動機に近いんですけど、要は短期のボーナスだったりインセンティブだったりというものです。要は短期間で獲得するために走り切るということです。

3つ目は「承認動機」です。1位と呼ばれたとかMVPと呼ばれたいとかみたいなものです。4つ目は「優越動機」です。僕はあんまり好きじゃないですけど「アイツよりも優れている」とか「去年よりも俺たちの方が増している」みたいなものです。

5つ目は「顕示動機」です。人に注目されたいとか有名になりたいというものです。これも外からのカンフル剤として最終的に内的動機になればいいわけです。6つ目は「達成動機」です。「誰も見なかったギネスレコードを達成しようぜ、俺たちは!」というものです。

こういう社会的動機というのは外的動機なので、一時のカンフル剤ですから、最後の3ヶ月を走り切りましょうとか1ヶ月息を止めて走り切るんだという時には外的動機の6つを使えます。

なので、このバランスをうまく考えながらこの1年の自分のモチベーションを外から引っ張られるものから内側から燃え上がってやり続けたいと思うものにどうやって変えていくかということをやっていくと、振り返りも目標設定もうまくいくよという話でした。

今年も変化の時代を楽しみましょう!

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image by: Shutterstock.com

尾原和啓この著者の記事一覧

IT批評家、藤原投資顧問 書生 1970年生まれ。京都大学大学院工学研究科応用システム専攻人工知能論講座修了。 マッキンゼー・アンド・カンパニーにてキャリアをスタート。 NTTドコモのiモード事業立ち上げ支援を経て、リクルート、ケイ・ラボラトリー(現:KLab取締役)、コーポレートディレクション、サイバード、電子金券開発、リクルート(2回目)、オプト、Google、楽天(執行役員)の事業企画、投資、新規事業立ち上げに従事。 経産省 対外通商政策委員、産業総合研究所人工知能センターアドバイザー等を歴任。 現職は14職目。シンガポール・バリ島をベースに人・事業を紡ぐカタリスト。ボランティアで「TEDカンファレンス」の日本オーディション、「Burning Japan」に従事するなど、西海岸文化事情にも詳しい。

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【著者】 尾原和啓 【月額】 ¥550/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎週 月・木曜日 発行予定

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