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【WBC日本優勝】大躍進を支えるキーマンは誰だ?侍ジャパンの団結力が半端じゃない理由

21日にTBS系で放送されたWBC準決勝 日本ーメキシコ戦。9回裏まで1点ビハインドの展開の中、先頭バッターの大谷翔平がヘルメットを取りながらの全力ツーベースで仲間を鼓舞すると、悩める三冠王・村上宗隆のサヨナラ打で劇的勝利を収めました。そして22日、ついに強豪アメリカを3-2で下し14年ぶりに優勝。“史上最強チーム“と呼び声高い今回の侍ジャパンですが、個々の能力だけでなく、「チームのまとまりが半端じゃない」と話すのは、今回の無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』の著者で経営コンサルタントの梅本泰則さんです。「まるで高校野球のチームのようにも見える団結」を支える“あの人物”から、経営術を学ぶことができると解説しています。 

WBC侍ジャパンと経営

1.侍ジャパンのまとまり

今回の侍ジャパンの活躍には目を見張ります。選手一人ひとりの力が、過去のチームに比べて、はるかに高いです。

それだけでなく、チームのまとまり方が半端ではありません。まるで、高校野球のチームのようにも見えます。

そのつながりも、日が経つにつれて一層強くなっているようです。その秘訣はどこにあるのでしょう。それを探ることで、企業経営にも参考になりそうです。

そこで、どうして侍ジャパンがこんなにまとまっているか、少し考えてみてください。どうも、侍ジャパンには、そのキーマンがいるようです。それは、ダルビッシュ選手でも大谷選手でもありません。キーマンは栗山監督です。栗山監督の力が、侍ジャパンをまとめあげています。そして、その方法はまるで企業経営者のようです。

私には、栗山監督が次のことをしているように映ります。

  1. 目標を明確にする
  2. 良いメンバーを選ぶ
  3. メンバーを信頼する
  4. 対戦相手の戦力分析をする
  5. 自チームの戦力分析をする
  6. ゲームの戦略、戦術を組み立てる
  7. ゲームでの選手の適材適所を考える
  8. 勝つための判断、決断を繰り返す

いかがでしょうか。これらは、すごく経営者の仕事に近いと思いませんか。そこで、これらをスポーツショップにあてはめながら考えてみます。

2.良い組織作り

侍ジャパンにとっては「目標」は明確です。当然、WBCで優勝することが目標でしょう。この目標を全員が共有することで、組織は動いていきます。

ですから、経営においても目標が明確になっていなければなりません。また、明確になっていたとしても、従業員に浸透していなければ、意味がありません。

目標は、経営やチーム作りの出発点です。従業員に共有されていなければ、あなたが大きな声で訴える必要があります。

次は、「メンバーの人選」です。良い組織にするには、良いメンバーを選ばなければなりません。ファーストリテイリングの柳井正会長は、「一緒に仕事をしたい人を選ぶ」ことが必要だと言っています。

栗山監督も、自分の思いや方向性を共にできる選手を選んでいるに違いありません。ですから、あなたも従業員を採用する時は、そうした目で人選することです。

そして、「選手の適材適所」を考えます。野球チームは、スラッガーだけを集めても良いチームにはなりません。守りや走りや小技に長けた選手も必要です。経営も同じように、それぞれにあった役目につかせるようにしなければなりません。

のためには、経営者の人を見る眼が求められます。その眼を養うには、日頃から多くの人に会う機会を持つと良いでしょう。

良い人材を選ぶことができたら、次は従業員を「信頼」することです。今回の侍ジャパンは監督と選手との信頼関係が強いように思います。これが、良い組織づくりのポイントです。

3.戦略作り、判断・決断

人の次は、戦略作りに入ります。

そのためには、まず「対戦相手と自チームの分析」が必要です。対戦相手の戦力や戦術を調べて分析します。相手の強みと弱みを知るためです。

当然、相手に強みを発揮させない方法、弱みを攻める方法を考えます。お店の経営も同じです。競合先の強みと弱みを調べて、戦略を考えなければいけません。

そして、相手のことを調べるだけではいけません。自チームの強みや弱みを明らかにしたうえで、強みを活かす戦術を考えます。

スポーツの戦術はその専門家に任せるとして、スポーツショップの場合は、「売り先」「売り物」「売り方」に分けて考えると良いです。

「売り先」とは、「どんなお客様をメインにするか」ということです。

「売り物」とは、「お客様が求めている商品やサービス」を指します。

売り方」とは、どんなチャネルで売るか、どんな価格で売るか、どんな設備で売るか、どんな広告宣伝やイベントで売るか、といったことです。

そして、スポーツでは、ゲームが始まったら、監督やコーチには数えきれないほどの「判断・決断」の場面がやってきます。まさに重要な仕事です。経営者もそれと同じで、日々判断・決断が求められます。

そのためには、目標がしっかりしていて、良い人材が集まり、競合先や自店の分析がされていて、それに基づく戦略や戦術が考えられていることが必要です。そうすれば、侍ジャパンのようなまとまりのあるチームとして、力を発揮することでしょう。WBCを観戦して、そんなことを考えました。

■今日のツボ■

image by: Shutterstock.com

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ワン・トゥー・ワンコンサルティング代表。スポーツ用品業界での経験と知識を生かし、業界に特化したコンサルティング活動を続ける。
スポーツ用品業界在籍33年の経営コンサルタントが、スポーツショップの業績向上法について熱く語ります。スポーツショップのために書かれた、日本初のメルマガです。ここには、あなたのお店がかかえている問題を解決するヒントがいっぱいです。

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【著者】 梅本泰則 【発行周期】 週刊

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