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「服装どうにかしてよ」はセクハラでは?公認心理師に聞いてみた

仕事に合わせた動きやすい格好をしているだけなのに、服装や化粧について意見されるようになり「そんなのセクハラですよ」と言い返した。そんな事務職の女性の相談に答えるのは、メルマガ『公認心理師永藤かおるの「勇気の処方箋」―それってアドラー的にどうなのよ―』著者で公認心理師の永藤さん。普通の職場であれば“おしゃれ”である必要はなくても“こぎれいこざっぱり”と身だしなみを整えるのは「社会人のマナー」と回答。ファストファッションを上手に利用することや、面倒な服選びをラクにするテクニックをアドバイスしています。

ちょっと御相談がありまして:おしゃれしなきゃダメですか?

皆様からお寄せいただいたご相談や質問にお答えしたり、一緒に考えたりしていきます。

Question

50代女性。家族経営のような小さい企業で事務職をしています。つい最近社長が代替わりし、副社長だった私と同年代の男性(前社長の息子)が社長になったのですが、この社長にことさら外見のことを言われます。

私は会社には仕事をしに行っているし、時々会社周りの掃除をしたり電球交換をしたりするので、作業をしやすい恰好の何が悪いんだと思うのですが、「髪もぼさぼさで、履き古したスニーカーだし、寝起きで化粧もしないでそのまま来たの?」とか、「お客さんも来るんだから、服装もうちょっとどうにかしてよ。おしゃれするとかさ」とか言われます。

「そんなのセクハラですよ!」「会社は仕事をするところで、おしゃれするところではないですよ!」というのですが、聞き入れてもらえません。前の社長の時は何も言われなかったといっても、「あなたが怖いから遠慮していただけだ」と言われます。これって私が悪いのでしょうか。

【永藤より愛をこめて】

50代、同年代ですね。お仕事お疲れ様です。わかりますよ。会社は仕事をするところであり、おしゃれを見せびらかしに来るところではない。動きやすい恰好の方が、作業をしやすい。確かにあなたのおっしゃる通りです。

そうなんですが。でも、あなたがその会社(仮に『ニッポン産業株式会社』としましょう)の社員である限り、あなたは「ああ、ニッポン産業のAさんですね」とか、「ニッポン産業さん」といわれる可能性が大いにある、ということも忘れてはいけません。

「別に社名入りの名札ぶら下げているわけではないし、わかりゃしないでしょう?」いやいや、まずその会社のオフィスにいるのであれば、当然その会社の人ですし、あなたが頑なに秘匿しない限り、どこにいようと「ニッポン産業で働いている人」なのです。

自分が会社を背負っていると思っていなかったとしても、看板は背負っているんです。事務職で、接遇の機会があるのであれば、特にです。

「就業規則に明確なドレスコードはない!」 「だったら制服を決めろ!」

いやそこは大人の分別で、そしてその会社にいることに何か恩義を感じているのであれば、せめて「こぎれいこざっぱり」しませんか。「おしゃれ」と社長さんはおっしゃったのですが、おしゃれというより「社会人のマナー」です。

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何もこってり厚化粧をして髪を巻けというのでもないし、高い服を買えというのでもないし、ハイヒールを履けというのではありません。ファストファッションで着やすい・動きやすいオフィスカジュアルはいくらでもあります。

仕事のオンタイムであれば、どこに行って誰と会ったとしても、「あ、もうちょっとちゃんとした格好すればよかった」と後悔しない程度のこぎれいこざっぱりした身だしなみに整える。だれも不幸にならないし、あなたも嫌な思いをしないということです。

かくいうワタクシも、講師業や人前に出る時はジャケット着用でそれなりの恰好ですが、オフィスワークだけで誰かにお会いしない時はかなりラフですし、オフの時は可能な限り「Tシャツ短パンビーサンすっぴん」でいたい人間です。服に対して頓着もありません。

そうそう、服を考えるのが面倒ならば、いっそ季節ごと×曜日ごとの制服を自分で勝手に作っちゃってもいいと思います。こぎれいこざっぱりすると、気持ちもちょっとアガルし、背筋も伸びます。もう文句言わせないわよ!の2023年春にしませんか?

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image by: Shutterstock.com

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有限会社ヒューマン・ギルド 取締役研修部長 公認心理師(登録番号: 29160号) 。日本アドラー・カウンセラー協会認定シニア・アドラー・カウンセラー。日本アンガーマネジメント協会認定 アンガーマネジメント・ファシリテーター 平成元年 三菱電機株式会社 入社。その後、ビジネス誌編集、語学専門学校専任教師など、20年以上にわたるビジネス経験を経て、自身が働く中で壁に当たった際に出会ったアドラー心理学を修得。 現在、日本におけるアドラー心理学の一大拠点であるヒューマン・ギルドにて、アドラー心理学研修講師(企業・自治体、教育機関、個人等)、カウンセリング、書籍執筆などを担当。

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【著者】 永藤かおる 【月額】 ¥440/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎月 第2金曜日・第4金曜日

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