2021年2月1日のクーデターにより政権を掌握し、現在も暴政を敷くミャンマー軍事政権。政変から2年以上が経過した現在、現地の人々はどのような状況に置かれているのでしょうか。今回のメルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』では著者の大澤先生が、ミャンマー国民から直接聞くことができたという同国の現状を紹介。さらにミャンマー軍政権や彼らを擁護するような発言を繰り返す日本の国会議員たちを抑止するため、我々が取るべき行動を提示しています。
内乱化するミャンマー
ウクライナや台湾海峡にばかり焦点があてられる昨今ですが、アジアで忘れられている大きな紛争国があります。
ミャンマーです。
先日ミャンマーの方とお話する機会がありました。
2年前の2021年2月の軍のクーデター後の状況を話してくれました。
軍政に反対する人々との対立が激化して、軍は民間地域を含む空爆や重火器で対抗しているそうです。
「国民は軍を嫌っています。軍の関与する企業では働きたくないという人も多いです。2/3の公立学校は閉鎖されています」
「アウンサンスーチー氏は投獄されていますが、今、どこにいるかもわかりません」
「ミャンマーに対するいかなる支援もやめてください。それは軍事政権を太らせるだけです」
といった話は切実でした。
以下、香港サウスチャイナモーニングポスト紙の記事の5月18日の関連記事です。
ミャンマー軍がクーデター以降、中国やロシアなどから10億米ドルの武器を輸入したと国連専門家が発表。
ミャンマーの人権状況に関する国連特別報告者によると、ロシアと中国のジェット機が民間施設を攻撃するために頻繁に使用されていた。
ロシア製のMi-35ヘリコプター、MiG-29戦闘機、Yak-130軽飛行機、中国のK-8ジェット機が最も頻繁に空爆に使われ、学校、医療施設、住宅、その他の民間施設を攻撃したと、国連特別報告は述べている。
4月11日、サガイン地方で軍反対派の集会に対する攻撃で、Yak-130から投下された2つの爆弾により、少なくとも160人(40人近い子どもを含む)が死亡したと報告されている。
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解説
ミャンマー軍はロシアや中国と特別な関係をもって武器を輸入しています。
そしてその武器を国内の反政府派の弾圧に使っています。
話を聞いた彼によると「4月の空爆は世界的に広く報道されましたが、これは日常的な事になっています。軍政権に反対派の多い村は空爆されています」との事です。
またインフォーマー(情報提供者)と呼ばれる軍の協力者がいて、普通の会話の中で軍に批判的な発言をした人は密告されたりするそうです。
日本はミャンマーと歴史的に関係が深くODAの額も世界一でした。また昨年12月時点では自衛隊がミャンマー軍を訓練生として受け入れていました。
世界的な批判の高まりから、今はODAの拠出もなくミャンマー軍の訓練生の受け入れもストップしています。
しかしながら、古い付き合いがあるのでしょう。
クーデター後もミャンマーを訪れ、ミャンマー国軍の閣僚らと面会し、ミャンマー軍擁護の発言を繰り返す国会議員もいます。
こういった状況をしっかりと見ていることは大事なことです。
そして、「見ていますよ」というメッセージ出すことがミャンマー軍政権や日本の政治家に対する抑止力になると考えます。――(この記事はメルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』5月28日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をご登録ください)
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