前回、昨今の“サウナブーム”をよく思わないサウナ愛好家の声を記事にしたが、これを見た別の愛好家から「俺にもサウナの愚痴を言わせてくれ!」との連絡が複数届いた。今回も、サウナ初心者のマナー違反&非常識に大憤慨するベテランサウナーの声をお届けしたいと思う。
サウナの休憩がてら「スマホチェック」をするな
好きが高じて「47都道府県」のサウナを制覇したというベテランサウナー(50代・男性)は語る。
「公衆浴場でのマナーを理解していない若いサウナーが多すぎます。いわゆる町の銭湯での話ですが、若者は脱衣所で普通にスマホをいじっちゃうんですよ。サウナの休憩がてら脱衣所でスマホを数分触ってまた戻る……を平気でやるんです。以前、それを注意すると〈え、撮ってないっすけど……〉って言われました。これ、どう思います?」
撮影していないのは当然として、裸になる場所で、カメラ機能のついたスマホの操作はマナー違反と言えるだろう。最近では、「スマホ・携帯電話・ゲームなどカメラ機能がついた機器の操作は禁止」と書かれた張り紙を掲示する公衆浴場も増えてきている。
「このことを会社のサウナ好き社員(20代)に話したら〈自意識過剰じゃないっすか?〉と言われて唖然としましたよ。撮った撮らないの話じゃなく、東京都の公衆浴場が出してる張り紙に書いてある通り〈他人が不快・不審に思う行為は止めなさい〉ということ。町の銭湯では、ここ数年でこうしたマナー違反が格段に増えましたね。公衆浴場での作法も知らないような人間にサウナーを名乗る資格はありませんよ」
「サウナで会議」は世も末である
この男性は「ここからが本題」と前置きして「サウナで会議をしている人がいて世も末だと思った」と、実際に体験したエピソードを教えてくれた。
「先日、武蔵小山にあるサウナで、20代から30代くらいの2人組が〈来週の出張の件だけど~〉と突然、スケジュールの確認をし始めたんです。そのあと、営業成績の数字の“プチ会議”を始めて。小声でしたが、いくら社名が分からないからといって具体的な数字を社外に漏らすのは論外だし、なぜそれをサウナでやる必要があるのか理解に苦しみます。注意したら止めてくれたとはいえ、サウナ室と会議室は違うということくらい言わなくてもわかってほしいです」
この男性曰く、夜遅めの時間のサウナにはこうした「語りたがる人間」が多いという。
「大体、友達同士なのか会社仲間なのか、酒が入った状態でサウナに来る人は、会社や仕事の“真剣トーク”をしがちです。実は昨日も、某サウナで酔っ払った2人組に出会いました。〈〇〇部長のやり方じゃもうだめっすね〉〈このままじゃウチ、終わりますわ〉とか話しているんですが、〈そりゃあ、あんたらみたいなアホ社員がいたら会社は終わるだろう〉と思いますね」
そもそも、飲酒をした状態での入浴&サウナは危険のため絶対に止めよう。
「怒りの砂時計」とは
銭湯サウナ好きの40代男性は、「砂時計の使い方について言わせてもらいたい」と話す。
「サウナに何分入っているかを知るための砂時計を雑に使う人が増えて困ってます。銭湯サウナのような規模だと12分計がなくて、砂時計が2つくらいしか用意されていないことも珍しくないじゃないですか。そんな希少な砂時計を使っておいて、砂が落ち切っていないタイミングで平気で退出する人間があまりに多すぎる!」
これは一体どういうことだろう?
「例えば、5分計れる砂時計を使っている人がいるとします。その人が5分じゃ満足せず、落ち切った砂時計を再びひっくり返す。ただ、それから1分から2分で出ていくケースが普通にあるんですよ。途中で入ってきた人は残りの約3分から時間を計ることになり、キリが悪くなるし時間の正確性も欠けてしまう。これはどう考えてもマナー違反です。砂時計を使うのならば〈砂が落ち切るまでの時間は責任を持ちなさい〉という話です。砂時計しかないサウナに来るなら、それくらいのマナーは心得ておくべきでしょう」
ベテランたちの主張を一言でまとめると「他人のことを考えてほしい」ということに尽きるようだ。最後の砂時計くらいは許してあげてほしいとも思うが、長年サウナに通い続ける人にとっては我慢できない問題なのかもしれない。
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