MAG2 NEWS MENU

Group of business persons in a business meeting. Corporate business team on meeting in the office.

今話題のビッグモーターが掲げていた経営理念と「悪い社風」の特徴

あなたの会社の社風はどんなものですか?今回の無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』では、著者で経営コンサルタントの梅本泰則さんが、悪い社風と良い社風について語り、良い方向へ持っていくためのノウハウを伝授しています。

良い社風にする方法

入った会社の社風が、自分に合っていなければ、イヤですね。それでも、多くの人はその社風になじんでいきます。「朱に交われば赤くなる」です。

とはいえ、悪い社風には染まりたくありません。今回は、社風の話です。

1.悪い社風

どの会社にも、社風というものがあります。あなたの会社は、どんな社風でしょうか。

社風には、良い社風もあれば、悪い社風もあります。
悪い社風とは、たとえば次のようなものです。

・上にものが言えない
・風通しが悪い
・社員間のコミュニケ─ションが悪い
・雰囲気が暗い
・挑戦する姿勢が見えない

いくつか当てはまる会社も多いことでしょう。こうした社風は、時に不祥事を招きます。

かつて、三菱電機で製品の検査不正が問題になりました。東芝が不正会計で問題追及されたこともあります。最近では、ビッグモーターの不正車検です。厳しいノルマが不正を引き起こしてしまいました。

では、この社風は誰が作ったのでしょう。それは、言うまでもなく経営者です。次のような経営者はいないでしょうか。

・下からの意見を聞かない
・規則でがんじがらめにする
・顧客のことを考えない
・従業員を大事に思わない
・自分のことしか考えない

このような経営者だと、間違いなく社風は悪くなります。つまり、社風は経営者の姿を映し出したものです。

2.良い社風にするには

さて、スポーツショップにも、いろいろな雰囲気のお店があります。

・元気で明るい店
・きびきびとした店
・ゆったりとした店

これらは、店主の姿が現れたものです。社風と言っていいでしょう。

また、従業員が次のように感じているとします。

・上司に相談しやすい
・自由に仕事をさせてくれる
・数字に厳しい

こうしたことも、社風です。どうせならば、良い社風のお店でありたいとは思いませんか。

実は、良い社風の会社には、良い「経営理念」があることが多いです。そして、経営者はその理念を大切にして、会社の方向性を決めていきます。その理念が従業員に浸透していくことで、良い社風になっていくのではないでしょうか。

今回のビッグモーターにも、立派な理念があります。

「お客様の車に関する全てのニーズに応える」

経営者は、この理念をいい加減に扱っていたのかもしれません。もしくは、自分の都合の良いように解釈していたのかもしれません。

いずれにしても、経営理念を伝えるだけでは、良い社風にならないのも事実です。良い社風にするための、具体的な工夫も必要になります。

日経ビジネスNo.2103(2021.8.16)に、「世界一社風のいい会社」を企業理念にしている会社が紹介されていました。ユニークな企業理念です。それは、愛知県の段ボール製造機械メーカーの「ISOWA」。ISOWAは、理念にあるように、さまざまな社風改革に取り組んでいます。同誌では、その中から5つの方策が取り上げられていますので、ご紹介しましょう。

・社長評価制度
・会社の文句を言う会議
・MANZOKU調査隊
・オフサイトミーティング
・自分語り

なかなか面白そうですね。順に説明します。

3.いい社風にする5つの方策

まず「社長評価制度」から。これは、社員が社長を評価する制度のことです。社長を「支持」するか、「不支持」にするか、社員が任意に無記名で投票します。社員が社長に意見を言える空気を作る仕組みです。上にものが言える社風になっていきます。

次は「会社の文句を言う会議」です。就業時間外に社員が集まって、会社への文句を自由に言える場を作ります。何回も重ねると、やがて、文句ではなく「何をしたらいいか」という話し合いに変わっていくそうです。社員の自主性を重んじる社風が出来上がっていくことでしょう。

3つ目は「MANZOKU調査隊」。従業員満足度を、担当になった何人かの社員が現場で調査します。すると、社員同士のコミュニケーションがよくなるそうです。満足度を調べるだけが目的ではなく、風通しの良い社風にするのも、目的なのではないでしょうか。

4つ目は「オフサイトミーティング」。これは、年齢別や階層別に行う、対話集会です。集会というからには、大勢で行うのでしょう。日頃の業務で感じる不満などを話し合い、グループで解決策を考えます。問題意識の高い社風が築かれることになるでしょう。

最後は「自分語り」。取引先に対して、社員一人一人が、自分の仕事への取り組み方をプレゼンするという方法です。業務の中で、そうした場面を設けるということでしょう。自律的な社風が育つのではないかと思います。

さすがに、「世界一社風のいい会社」を目指しているところです。まだまだ、多くの具体策を実行されているに違いありません。あなたも、良い社風になるためのアイデアを考え、実行しましょう。

■今日のツボ■

・社風は、経営者の姿を映したものである
・いい社風の会社には、良い経営理念がある
・いい社風にするには、具体的な対策を考える必要がある

image by: Shutterstock.com

梅本泰則この著者の記事一覧

ワン・トゥー・ワンコンサルティング代表。スポーツ用品業界での経験と知識を生かし、業界に特化したコンサルティング活動を続ける。
スポーツ用品業界在籍33年の経営コンサルタントが、スポーツショップの業績向上法について熱く語ります。スポーツショップのために書かれた、日本初のメルマガです。ここには、あなたのお店がかかえている問題を解決するヒントがいっぱいです。

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ! 』

【著者】 梅本泰則 【発行周期】 週刊

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け