今は懇意にしてくれているお客様でも、いつかは離れていってしまうかもしれない。そんな時、お店としてやってはいけないことがいくつかあるようです。無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』の著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんは、できる店が「顧客離れ」にどう対応しているのかを語っています。
去るものを追わず。「顧客離れ」や「離脱」について
販売業を真っ当にやっていれば、次第に顧客と呼べるような人が少しずつ増えていきます。
その人たちは今現在、あなたの店やあなた自身を懇意にしてくれ、愛してくれているかもしれません。
しかし時が経てば、いつしかそんな人たちも離れていくこともあります。
いわゆる『顧客離れ』や『離脱』というやつです。
これらが起こった時に、必死になって顧客が離れていくことを止めようとする人や企業もあります。
「どうにか残って欲しい」
「こんなサービスをするから、うちから離れていかないでもらいたい」
こうして口に出すことはなくても、やることはまさにこの通りでそれこそどうにかしてお客様が離れていかないようにするわけです。
個人的にはこれはあまり意味がないことだと考えています。
というのも、人はいつか離れていくものだからです。
顧客に限らず人の真理のようなもので、それは友人でも知人でも家族でも、いつか離れていく時は来ます。
その理由はまちまちで、単純に合わなくなったということもあれば、興味の対象が移ったり、タイミング問題もあるかもしれません。
だからそこで必死になって引き止めても、心が離れていればしょうがないのです。
ただ、こうして去る者は追わずとも、なぜ去っていくのかは注力して見極める必要はあります。
それが次につながるからです。
去っていく理由はまちまちと言いましたが、「まぁ合わなかったんじゃない」と安易に考えるだけではいけません。
顧客が去っていくのには、明確な理由がある場合もあれば、そうではないこともあります。
なんとなくいなくなるというのは一番厄介な問題であり、実際には一番大きな離脱要因でもあります。
でもその”なんとなく”が何なのかを考えるのです。
ほんの少しの接客の食い違いなのか、それとも商品的なことなのか、はたまたしばらく通わなかったことで顔を見づらくなったのか。
同じ”なんとなく”でも、お客様によって微妙な違いがあります。
その違いを見極め、
「あのお客様にはこうすればよかったのかもしれない」と仮説立てをし、また同じことが起こらないように努力をする。
そうしていくことで、少しずつ顧客の離脱を減らすことはできます。
それでも離脱は起きるものですから、それはそれとして考え込みすぎずに次のお客様を増やしていく。
そうしたバランスをとれていると、店は長く続いていきます。
今日の質問&トレーニングです。
1)自店の直近の離脱顧客を数人抽出してみましょう。
2)そのお客様たちはなぜ離れていったと考えられるでしょうか?
3)次にまた同じようなことが起こらないようにするために、どんな仮説立てをして仕事に取り組みますか?
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