自分が売ろうとする商品のメリットを伝えることはもちろん大切ですが、むしろデメリットを伝えることで、さらに信頼を得ることができます。しかし、その「デメリットの伝え方」にも理解すべき点がいくつかあるようです。今回、無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』の著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんは、「デメリットになる人を理解する」ことの重要性を語っています。
デメリットに当たる人
商品情報を学ぶ時には、メリットと同時にデメリットも考える機会があるかと思います。
「この商品はここが長所だ」と同時に、「この商品はここが短所だ」も一緒に知っておくことで、より商品の魅力に迫れるからです。
販売に関するトレーニングの一種に「メリットピックアップ」がありますが、これもメリットだけではなくてデメリットを合わせてピックアップするという人も多いでしょう。
こうしたデメリットを理解する時には、単に商品の良くないところを探すのではありません。「誰にとってのデメリットか?」を理解することがとても重要です。
なぜなら、それがわかっている人は、「こういう人にはおすすめできません」がハッキリ言えるからですね。
デメリットを伝えられる人は、信頼をされやすい傾向にあります。
うまい話しかしない人と、うまい話と同時に落とし穴やリスクがあることを教えてくれる人とでは、後者の方が信頼されやすいというのは皆さんも肌感覚でわかるはずです。
良いことしか言わない人は、やっぱり信用しづらいというのは人の性です。
なので、デメリット情報もしっかりと理解しておくことが必要なのですが、このデメリットは人によってデメリットかメリットかが大きく変化します。
例えば、暑い中で汗をたくさんかくような仕事をしている人のための塩分補給できる食べ物があったとします。熱中症を防ぐための効果を考えて作られていることでしょう。
しかし、糖尿病だとか特に動かずに汗をかくことも少ないような人には、どう考えても合わない食べ物ですよね。
商品として本来メリットであるはずの事柄が、人によってはデメリットになってしまうわけです。
これがわかっているからこそ、「デスクワークの人には合いません」「汗をかくことが少ない人には、おすすめしません」とハッキリ言うことができます。
基本的にほとんどの商品には、「こういう人には合わない」が存在します。そしてそれを理解した上で、お客様にも伝えることができると、「そこまで教えてくれるのか」と信頼してもらいやすくもなる。
そして販売という面で考えるなら、「だからお客様は大丈夫です。どうぞ遠慮なく使ってください」とよりメリットを強調することもできるのです。
どんなメリットがあるかだけでなく、どんな人にどんなデメリットがあるかも常に考えられるようにする。
その上で、お客様にどう伝えられば良いかを考えておくと、より信頼のおけるトークになります。
今日の質問&トレーニングです。
1.自店商品をひとつ使って、スタッフ同士で提案してみましょう
2.その際、「こんな人には合わない」と、ハッキリとデメリットを伝えられるようなトークをしてみましょう
3.普通にメリットばかりを伝えているトークと比べて、どのように感じられるかフィードバックをしあってみましょう
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