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スキー場でOLが出会った運命のお相手は「もつ煮込み定食」だった!?

スキーを楽しんでいたOLがスキー場で出会った運命の相手。それは…「もつ煮込み定食」でした。今回のメルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』の著者、佐藤きよあきさんが紹介するのは、行列のできるもつ煮込み定食専門店を作った一人の女性のお話です。

夢を追う若き女性が、ビジネスとして選んだのは「もつ煮込み定食」

スキーを楽しむあるOLが、ある日スキー場で「もつ煮込み」と出逢いました。

その美味しさに感動した彼女は、各地のもつ煮込みを食べ歩くように。

やがて、その想いは強くなり、自分で作ったもつ煮込みをみんなに食べてもらいたいと考えるようになり、「もつ煮込み定食」の専門店を開業。

その味が口コミで評判になり、行列のできる人気店へ。

そして、ネットやマスコミにも取り上げられる存在になりました。

このような書き出しをすると、繁盛店の裏に隠された、長年の苦労物語があるようですが、実は、この女性の天才的なビジネスセンスによって、計算し尽くされた、短期間のサクセスストーリーなのです。

神奈川県愛川町。工業団地であるこの地に、「もつ煮込み」という大きな看板を掲げたお店「もつ乃」があります。

2022年にオープンした、店主ひとりで営む、セルフサービスの「もつ煮込み定食」のお店。

メインメニューは、「もつ煮込み定食」の味噌と醤油。そして、もつカレー。

数種類の卵焼きと数種類の漬物があるだけ。

券売機で食券を買い、トレーを持って、もつ煮込みとご飯、味噌汁、卵焼き、好きな漬物を受け取り、席に着きます。

店主ひとりでお店をまわすので、もっとも効率の良いやり方です。

営業は午前10時45分からで、もつが無くなり次第終了。

短時間の営業ですが、1日100食を売り上げています。

人気の秘密は、まずは美味しさ。

豚のもつと人参、ごぼうを玉ねぎのみじん切りと合わせ味噌で味つけし、4日間掛けて煮込みます。

しかも、一度に長時間煮込まず、もつを休ませながら何度か火に掛け、柔らかく仕上げています。

このもつは、下処理の手間を省くために、一度ゆでたものを業者さんから仕入れています。

もつは下処理の仕方によって、臭みが出たりするので、その部分はプロに任せたのです。

このもつを居酒屋さんでは見ることのないような大きさに切って、煮込んでいきます。

大きくしているのは、ご飯をもつで巻いて食べてもらうためです。

この食べ方が一番美味しいと思ったからです。

また、このお店のもつはかなり大盛りです。

器にどっさりと盛り、山のようなねぎをのせて提供されます。ご飯も大盛り。

工場で働く人が多いので、「安くて、美味しくて、お腹いっぱいになって欲しい」という店主の想いなのです。

安くするためにも、人件費が掛からないように、ひとりで頑張っているのです。

店主は、女将さんと呼ばれていますが、それは着物に割烹着姿だからです。

無意識なのか計算なのか、「もつ煮込み」「定食屋」という風情を演出しているようです。

若くて美しい女将さんのファンも多くいます。

「もつ煮込み」を選んだのは、自身が好きだということもありますが、煮込みならひとりでもできると考えたからです。

確かに、時間は掛かりますが、ひとりでもできます。

営業中は調理をしなくても済むように、もつ煮込みに絞っているのも賢いやり方です。

また、煮込みに時間が掛かるということは、家庭ではできないということ。

ならば、食べに行こう!となります。

女将さんひとりで営む小さなお店ですが、すべてが計算し尽くされた、優れたビジネスモデルだと言えます。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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