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拝啓 国税庁長官殿。元国税調査官が怒りに身を震わせながら綴る「日本衰退の元凶」への手紙

これまで2回に渡り、立憲民主党議員による財務官僚に対する厳しい追求の様子を誌面で再現してきた、元国税調査官で作家の大村大次郎さん。今回も大村さんはメルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』で、その模様を自身の解説を加える形で詳しく紹介しつつ、取り上げてきた答弁で財務省サイドの「主役」を務めた後に国税長官に栄転した人物への公開書簡を掲載し、その拡散を求めています。

拝啓 住沢国税庁長官殿「どうやって責任をとるおつもりでしょうか?」天下の悪税・消費税~財務省の苦しい言い訳

6月9日の国会答弁では衆議院議員の福田昭夫氏(立憲民主党)が、拙書の『消費税という巨大権益』を取り上げ、財務省を追及しました。

このメルマガでは前回、前々回と、その国会答弁の質疑内容と、著者の解説をしてきたわけですが、今回はその3回です。

【関連 第1回】元国税調査官が激怒。天下の悪税「消費税」の真実と、財務省がついた大嘘の数々

【関連 第2回】元国税もア然。消費税をめぐり財務省と増税クソメガネがついた嘘八百の数々

今回も、その国会答弁の質疑内容と、著者の解説をしたいと思います。

官僚制度を完全に壊さなければあり得ない日本の再生

福田議員

財務省もキャリア官僚も消費税の利権を持っている、消費税推進のラストボスは政治家ではない、財務省のキャリア官僚である。キャリア官僚が消費税の増税で利益を得るというのは(消費税増税が)彼らの天下り先に利するということ。

 

天下り先が潤うことで財務省のキャリア官僚たちは間接的に実利を得ることができる。キャリア官僚のほとんどは退職後、日本の超一流企業に天下っている。

 

キャリア官僚たちは将来必ず大企業の厄介になる。そのため大企業に利するのは結局自分たちに利するというこということなのである、と大村氏は指摘をしております。

 

この天下りについて立憲民主党が各省庁に調査を依頼しておりますのでその結果を待ちたいと思っております。

青木大臣官房長

国家公務員法で厳格な再就職規制が設けられています。

 

第3者機関である再就職等監視委員会がこれらの規制の遵守状況を監視しております。

 

財務省では国家公務員法に基づく再就職規制にのっとり適切に対応しているもの承知しております。

著者の見解

どんな規制やルールがあろうと、財務省のキャリア官僚たちが、退職後、こぞって一流企業に天下りをしているという歴然たる事実があります。

そして天下りは、官民の癒着を招き、日本の財政や経済政策を大きく歪めています。ひいて言えば、日本が衰退し、少子高齢化が加速し、格差社会となったのも、せんじ詰めればキャリア官僚の天下りが主原因といえるのです。

この答弁を見れば財務省のキャリア官僚は、この天下りについて、反省などはまったくなく、改善する気もまったくないということです。つまりは、現在の官僚制度は、完全にたたき壊さなければ日本の再生はあり得ないということです。

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腐敗しないはずのないほど肥大化した財務省の権力

福田議員

財務省は予算権と徴税権、国税庁を従えて徴税権を持っている、これでは国民も企業も財務省の言う事を聞くことになるとこういうことを(大村氏は)指摘しております。

 

消費税は財務省の権力維持のための安定財源だということであります。

 

お金を持っているから周りの人が言う事を聞く。だから安定的な税収の確保は財務官僚にとって至上命題になっている、財務省が強力に消費税を推奨してきた理由もここにあると(大村氏は)指摘しています。

 

これは本当かということであります。

財務省・青木大臣官房長

予算及び税制につきましては財政民主主義および租税法律主義に基づきまして国会でのご審議、ご承認をいただいております。

 

また国の信用を守り希望ある社会を次世代に引き継ぐという組織理念のもと国民納税者の視点に立って日々職務にあたっておるところでございます。

著者の見解

日本の財務省は、予算権だけではなく、事実上、徴税権や金融監督権をも持っています。これは省庁として世界に例をみないほどの巨大な権力です。本当は、予算を策定するのは国会の仕事ですが、財務省は現場を取り仕切る者として、事実上「予算権」を握ってしまい、同様に、徴税権、金融監督権も握ってしまったのです。

権力が肥大化すれば必ず腐敗する、そのため近代世界では、権力を分散することでその弊害を防ごうとしてきました。現在の日本の財務省は、明らかに時代に逆行している存在です。これほど権力が肥大化してしまえば、腐敗しないはずはないのです。

青木大臣官房長によると財務省は「国の信用を守り希望ある社会を次世代に引き継ぐという組織理念」を持っているそうですが、青木大臣官房長にはぜひ「OECD各国の子供の貧困率グラフ」を掲げた上で、同様の文言を吐いていただきたいものです。

「失われた30年」で国民を犠牲にし出世を果たした国税庁長官

この6月9日の国会・財政金融委員会で、財務省側で主に答弁を行っていた住沢主税局長は、1か月後の人事異動で、めでたく国税庁長官に栄転されています。

彼の官僚生活は、日本の「失われた30年」とほぼリンクしています。国民生活がどんどん苦しくなる中で、住沢氏はどんどん出世していったのです。つまり国民を犠牲にして、出世してきたわけです。

筆者はこの住沢国税庁長官に手紙を書きました。ここにその文面を載せます。いわば公開書簡です。もちろん、彼から返信は来ておりません。

この書簡については、大拡散希望です。SNS等で拡散していただければ、大変ありがたいです。

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国税庁長官ではなくひとりの人間としての良心に問う

~ここから住沢国税庁長官への手紙~

住沢整国税庁長官殿

私は元国税局職員で、現在はフリーライターをしている大村大次郎と申します。このたびは、国税庁長官就任おめでとうございます。東京大学からキャリア官僚として大蔵省に入省し、同期のライバルたちとの競争に勝ち抜き、ようやく手に入れた国税庁長官のポスト、さぞやお喜びのことと思います。

しかし、あなたが入省してから現在までの三十数年間、日本の国民にとっては「失われた時代」です。世界最悪レベルでの少子高齢化、先進国最悪の貧富の格差、自殺の激増等々、日本は急激に衰退しています。イーロン・マスク氏の危惧するように、日本人は消滅の危機とさえ言える状態になっています。

財務省は、予算権だけではなく、徴税権も持ち、さらに経済のカナメである金融を監督する権利も持つという世界的にも稀有な強大な国家権力組織です。この三十数年の日本の衰退に関して、財務省は大きな責任を負っているはずです。

住沢国税庁長官はいかがお考えでしょうか?どうやってこの責任をとるおつもりでしょうか?

あなたは国税庁長官にまで上り詰めたのですから、財務省の業務に大きく関与したことは間違いないはずです。財務省の失態について、あなたは責任をとる必要があると思われます。あなたの今回の国税庁長官への栄転は、日本国民を犠牲にし、若者の未来を奪うことで得られたものなのです。

世界的にも巨額な国家予算を使っていながら、途上国並みのインフラしか整備されておらず世界最悪の災害国家。深刻な少子高齢化でありながら子育てへの財政支出はヨーロッパ諸国の半分しかない。富裕層や大企業の負担はどんどん安くなり、その代わり国民全体に重い重い負担を押し付けてきた。あなたたちの行った悪行は数知れません。

そして、あなたたちの悪行の象徴が「消費税」ではありませんか?

財務省は、事実上、予算権、徴税権、金融監督権までも持つという、民主国家では類を見ないような巨大な権力を持つ省庁です。その財務省は、わずか数百人のキャリア官僚によって支配されています。こんな異常な官僚システムの国はほかにありません。

そして当然のごとく、わずか数百人の財務省キャリア官僚は、大企業の天下りなどの大きな権益を握っています。絵にかいたような「国家腐敗の構図」です。住沢国税庁長官、この「国家腐敗の構図」こそ、日本が衰退している最大の原因だと思いませんか?

あなたたちは、自分たちの天下り先を確保するために、大企業や富裕層を優遇し、一般国民に大きな負担を押し付けてきました。その最たるものが消費税です。

国税庁長官としてではなく、ひとりの人間としてあなたの良心に問いたい。

消費税がこのままの状態で存在し続けていいと思いますか?財務省がこのままの状態で存在し続けていいと思いますか?

このままの税制、このままの官僚システムである限り、日本の衰退は免れません。でも、これ以上、格差が拡大し、国民生活が疲弊するようになれば国民も黙ってはいませんよ。すでに「どうやら元凶は財務省」という雰囲気はすでに形成されつつあります。また中央省庁の幹部候補である国家公務員試験の受験者も、減り続けています。「中央省庁に未来はない」と、若者からノーを突き付けられつつあるのです。

今後、あなたがたの持つ巨大な権益などさまざまな事実が明らかになるにつれて、国民は徹底的に財務省キャリア官僚を糾弾することになると思います。その前に自分たちの手で巨大な権益を手放すことを強く強くお勧めします。

大村大次郎

~ここまで住沢国税庁長官への手紙~

(メルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』2023年10月16日号より一部抜粋。続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)

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