東亜日報の取材チームは重症・救急患者の「漂流」という国内必須医療問題の解決策を探すため、今年8月から10月まで日本とドイツ、カナダ、オーストラリア、米国の5か国の病院と救急隊など現場15か所を訪問した。その過程で現地の専門家44人にインタビューした。海外では事前に医師を拡充しながら重症・応急患者と医師をリアルタイムで連結するシステムを開発するなど患者を生かすために奮闘していた。
尹錫悦大統領は19日、医学部の入学定員を拡大し、地域の国立大学病院の診療力量を育てる「必須医療革新戦略」を発表した。拙速推進でさらに大きな副作用をもたらした歴代政府の医療改革の失敗を踏襲しないためにはどうすればいいのか。各国の医療現場で会った医師と政策当局者は「重要なのは実行意志と細かい設計」と述べた。
政府が2025学年度から医大入学定員を増やすという意志を19日明らかにした。しかし増えた医師が地域・必須医療分野で働ける環境を作るのが本当の課題だ。彼らがソウルに集中したり、エステ分野に抜け出せば、重症救急患者の「漂流」が解決されるどころか、国家医療費の支出だけが増える可能性があるからだ。取材チームが訪問したドイツと日本、カナダなどでは必須医療で医師を誘引するための各種政策的な支援があった。
ドイツは「開院の総量制」を通じて診療科目ごとに該当地域でオープンできる個人病院の数を決めている。無分別な「開院ラッシュ」で大型病院の必須医療医師が不足することを防ぐための措置だ。実際、ドイツは人口1000人当たりの手術専門医は1.47人で、韓国(0.71人)の2倍を超えた。先月19日、ハンブルク市のエッペンドルフ病院の小児青少年科専門医モナ・リントシャウは「大型病院必須医療分野専門医は開院医より通常より多くの補償を受けるため、むしろ開院の許可証があまり売れない」と述べた。反面、韓国は町内医院を開いて皮膚美容施術や理学療法などをした方が収入がはるかに良い。手術医師が不足している理由の一つだ。
このような政策にもかかわらず、ドイツ内で医師の必須医療分野忌避現象は少しずつ広がっているという。「ワークライフバランス」(仕事と生活のバランス)が重要な話題だからだ。アスクレピオス病院のトビアス・シェファー副課長は「特に脳を手術する神経外科専門医は仕事が大変で当直も頻繁で若い医師たちが敬遠する」と話した。このため、政府は不足している手術医師を海外から誘致している。韓国系ドイツ人である腎臓内科専門医のハン・ソングク氏は「移民医師のための専門語学試験と資格試験を別に運営している」と話した。









