何度も何度も足を運びたくなるディズニーリゾート。それにはキャストたちのホスピタリティが貢献していることは言うまでもありません。今回、無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』の著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんは、ご自身がディズニーシーで感じた接客の極意を語っています。
ディズニーシーで感じた「遠慮なく伝える」ということ
かなりの私事ですが、昨日4歳になった息子を連れてディズニーシーへ行ってきました。
連休中日ということで、えらい人手ではありましたが、相変わらず素晴らしき夢の国でした。
ディズニーシーには、キャラクターグリーティングというものがありまして、そこではミッキーやミニーやドナルドといった人気キャラと一緒に写真が撮れます。
息子はなぜか知りませんが異様なほどミニーちゃんが好きみたいで、1度息子と妻とで並んで撮影した後に、「もう1回行きたい」と言い出しました。
妻もえらく気に入ったみたいで、今度は僕も一緒に並んで撮影に行くことに。
いざ自分たちの番になると、ミニーはもちろんしゃべれませんが、周りにサポートのスタッフ(キャスト)さんがたくさんいました。
まず最初に言われたのが、「お帰りなさいかな~」です。
少し前に息子が来たことを覚えてくれていたお姉さんが、こう声をかけてくれました。
さらに「今度はメンバーがひとり増えましたね」と僕が増えたことも言及していました。
「あの人数ですごいな…」と僕はびっくりしていたのですが、ミニーとの撮影を楽しんだ後にお姉さんはこう言っていました。
「3回目も待ってますよ」
うん、本当にすごい。
ディズニーに慣れている人はどうか知りませんが、僕みたいなタイプからすると、2回並んでいる時点で、「何回も行くのはちょっとな」みたいな気持ちがどこかにあります。
人の目を無駄に気にしてしまうので、「なんか悪いな」とか、「なんか恥ずかしいな」という気持ちがどこかに生まれるのです。
でもディズニーリゾートでは、そんなことを気にさせない工夫がたくさん存在しています。
なので僕もあまり気にしなくなりますが、「3回目も待ってますよ」という言葉にはまたもう一度行きたくさせられました。
この話は、お店においても考えておかなければならない話だと思っています。
「顧客が欲しい」
「またリピートしてほしい」
こうした思いを持って接客をしている人はたくさんいます。
そのために良い接客をしよう、良い商品を買ってもらおうという気持ちで真剣にやっていることはとても素晴らしいものです。
ですが、最後の最後、お客様がお帰りになる頃になると途端に尻すぼむかのようにありきたりな言葉しか出せなくなる人も多いものです。
「またご来店お待ちしています」
「もしよろしければまた来てください」
いや、弱い弱い。
本当にまた来てもらいたいなら、もっと素直な気持ちをぶつけましょう。
「絶対にまた会いたいです」
「今度の新作がお客様にはきっと似合うので、必ず見に来てください!」
一見すると強すぎる言葉に感じられる人もいるかもしれません。
ですが、本当に顧客を増やす人は、本当に来て欲しいという気持ちを思い切りお客様にぶつけます。
その言葉は意外とお客様の気持ちを動かすもので、誰にでも言えるような曖昧な弱い言葉なんかよりもよっぽどまた来ようという気持ちを膨らませてくれます。
ディズニーのお姉さんがもし、「また来てね」くらいであれば僕はなんとも思わなかったでしょう。
でも、もう来る前提で、「3回目も待ってますよ」とまで言われてしまえば、「3回目も行ってみるか」みたいな気持ちになってしまいます。
最後のたった一言でも、気持ちを動かし足を向けさせる言葉を出すことはできるのです。
真剣に顧客を増やしたい、またリピートしてもらいたいと思うなら、そんな言葉を出せるようにしましょう。
「お客様の気が向いたら、もしよろしければ来てみてくださいね」的な弱い言葉では誰の気持ちも動きはしません。
今日の質問&トレーニングです。
1)良い接客ができたお客様に対して、最後にどんな気持ちになりますか?
2)その気持ちを素直に表現して、またお客様に来てもらいたいと伝えるなら、どんな言葉を伝えますか?
3)実際に今日の接客で使ってみましょう。
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