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子育てや女性の活躍に意欲的な企業は今後「減税」されるかもしれない

賃上げ促進税制について岸田首相が語ったことで、多くの人たちの間で話題となっています。今回の無料メルマガ『税金を払う人・もらう人』では著者で現役税理士の今村仁さんが、賃上げ促進税制について現行と改正をわかりやすく解説しています。

賃上げ促進税制の≪現状と改正≫

■現行の賃上げ促進税制(中小企業)

現行の中小企業向け賃上げ促進税制では、雇用者全体の給与総額を前年度と比べて1.5%以上増加させると、「増加分×15%」の法人税が控除されます。

給与総額を2.5%以上増加させると、「増加分×30%」の法人税が控除されます。

更には、セミナー研修費などの教育訓練費を10%以上増やすと10%の上積み減税が実施されます。

結果として、最大「給与増加分×40%」の法人税が控除されます。

但し、「適用年度の法人税×20%」が上限となっています。

■現行の賃上げ促進税制(大企業)

一方の、現行の大企業向け賃上げ促進税制では、継続雇用者の給与総額を前年度と比べて3%以上増加させると、「雇用者全体の給与増加分×15%」の法人税が控除されます。

継続雇用者の給与総額を4%以上増加させると、「雇用者全体の給与増加分×25%」の法人税が控除されます。

更には、セミナー研修費などの教育訓練費を20%以上増やすと5%の上積み減税が実施されます。

結果として、最大「給与増加分×30%」の法人税が控除されます。

但し、「適用年度の法人税×20%」が上限となっているのは中小企業と同じです。

※資本金10億円以上かつ従業員数1,000人以上の企業については、他に「従業員への還元や取引先への配慮の方針を公表していること」が適用要件となっています。

■改正の方向性

中小企業向け及び大企業向け共にこのままであると来年2024年3月に期限切れとなることも踏まえて、改正の方向性としては、賃上げ促進税制の「延長措置」と併せて「拡充措置」がとられる予定です。

具体的には、下記の項目が議論されています。

・中小企業向けについては、控除額の上限を超えた分を翌年度以降10年間繰り越すことができるようにする

・大企業向けについては、5%以上の賃上げを達成した場合に減税措置を拡大する

・子育てや女性活躍に積極的な企業には税額控除額の上乗せを行う

image by: Shutterstock.com

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【著者】 マネーコンシェルジュ税理士法人 【発行周期】 週刊

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