目標達成ができなかった時、原因がわからないままだと当然成長することもありませんよね。無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』の著者で経営コンサルタントの梅本泰則さんは、どうして目標が達成できないのか、その解明方法について詳しく語っています。
どうして目標が達成できないのか
1.目標を立てる
経営管理という仕事には、多くの業務があります。
販売管理、仕入管理、生産管理、商品管理、在庫管理、財務管理、顧客管理、人事管理、労務管理
といったところが、主なものでしょう。
そして、これらのすべてに必要なのが、目標管理です。
今期はいくら仕入れて、いくら販売するのか、商品はどのようにコントロールして、適切な在庫にするのか。
その結果、どれくらいの利益を出して、どのくらいの投資をするのか、といった目標が立てられます。
また、新しい従業員を何名採用して、どのように育てていくか、というのも目標です。
さらには、どのエリア、どの競技、どのレベルの顧客をどのように増やしていくか、ということも目標になります。
これらの目標値を月ごとに決め、毎月の実績値との差を見て、その後の対策を考えるのが、目標管理です。
この様に、経営管理には様々な管理があり、いろいろな角度から、経営状態を確認することができます。
あなたのお店では、経営者のあなたがこの役目を行っていることでしょう。
もう少し大きなお店では、目標管理の専任者がいます。
それは無理としても、数値の入力は、スタッフの誰かに手伝ってもらうことです。
POSからデータを引っ張ってくれば、比較的短時間で表を作ることが出来ると思います。
2.目標が達成できないワケ
とはいえ、問題は、立てた目標が達成できないことです。
それぞれの管理表には、前年比と目標比が記載されます。
前年の実績を上回ることができなければ、これは問題です。
何かおかしなことが起こっています。
一方、目標比はどうでしょう。
たとえ1%や2%でも目標が達成できなければ、これも問題です。
どうして目標が達成できないのでしょうか。
目標が達成できない原因はたくさんあります。
例えば、次のようなことです。
・目標そのものが従業員に伝わっていない
・目標を達成しなければいけない理由が分からない
・目標を達成してもしなくても、待遇は同じだと考える
・目標を達成できない理由ばかりを探す
一つずつ、説明していきましょう。
「目標が伝わっていない」のは、何と言っても経営者の責任です。
目標は、経営者と幹部が時間をかけて、一緒に作りました。
年度の初めには、目標値を全従業員に伝える必要があります。
そして、年度が始まったら、毎月の初めにその月の目標値を全員に確認し、月の途中でそれまでの目標達成度を伝え、月の終わりには最終実績を発表し、その具体的な内容と、次月以降の対策を伝えなくてはいけません。
この作業を続けることで、目標値が全社員に伝わっていきます。
次に、「目標を達成する意味が分からない」従業員がいると、なかなか目標達成ができません。
目標を達成しなければならないのは、お店の業績を良くするためです。
そして、利益をあげて、従業員の給与を良くしたり、お店の設備や販促にお金を使うためです。
日頃から、経営者が従業員に「目標を達成する意味」を伝えていないと、こうした現象が起こります。
3.目標が達成できない責任
このように、目標が達成しないのは、経営者の責任が大きいです。
一方、従業員の方にも責任があります。
「目標を達成してもしなくても同じ」だと思っている従業員はいないでしょうか。
つまり、目標を達成したら報奨金が貰えるとか、昇進するといった良いことが、必ずしもあるわけではありません。
やってもやらなくても同じなら、そんなにしゃかりきになって目標を達成する必要はないと考える従業員もいるでしょう、そうだとしたら、残念なことです。
目標を達成するために頑張ることで、また、目標を達成するための方法を考えることで、その従業員は成長します。
その姿を他の人たちが見れば、その従業員を見る目が違ってくることでしょう。
そうした社内風土を作るのも、経営者の仕事です。
そして、「やれない理由ばかりを探す」従業員はいないでしょうか。
私のコンサル先のお店にも、そうした社員がいます。
「〇〇が思ったより売れなかった」
「発注していた〇〇が、入荷しなかった」
「〇〇が、ネットで大幅に値引きをされている」
「学校が試験期間のため、来店客数が少なかった」
次から次へと言い訳の連続です。
目標を達成するためのアイデアを話してくれたことはありません。
まるで、やれない理由を探して、自慢をしているようです。
この社員は、お店への貢献方法が分かっていません。
しかし、これも経営者に責任があります。
目標が達成できなければ、挽回するための対策を考えるように指導してあげなければなりません。
口頭で原因と対策を話し合うのも良いです。
毎月、「原因と対策レポート」を出してもらうのも良いでしょう。
そうすれば、言い訳は減っていくのではないかと思います。
その他にも、「管理が面倒くさい」とか、「少しくらい達成しなくても問題ない」と考える従業員がいるかもしれません。
経営者の心のどこかに甘えがあるから、そんな従業員が出てくるのです。
いかがでしょうか。
目標が達成できない責任は、従業員ではなくて、経営者にあることが分かります。
どうか自分に厳しい経営者であってください。
■今日のツボ■
・どんな経営管理業務にも、目標管理が必要である。
・目標が達成できないのには、原因がある。
・目標が達成できない責任は、経営者にある。
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