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日本人の“良い文化”だったはずの「謙遜」も、今は使い過ぎに注意が必要?

日本では「謙遜」は美徳とされていましたが、現代では少しずつ変わりつつあります。今回、無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』の著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、とある漫画のワンシーンを引いて「私なんか」という言葉について、そして接客での謙遜に話を膨らませて語っています。

「私なんか」は侮辱ですよ

僕は普通に漫画が好きでして、現在少年ジャンプで連載中の『ウィッチウォッチ』という漫画をよく読んでいます。

今回の本筋とは関係ないので特に詳しい紹介はしませんが、作者の篠原健太氏の漫画は昔から大好きで、『SKET DANCE』も『彼方のアストラ』もとてもおもしろいのでおすすめです。

さてこのウィッチウォッチはいわゆるSF学園モノの漫画でして、さまざまな登場人物が現れます。

その中に漫画オタクの学校の先生がいて、あるエピソードでネット上のオタク仲間とオフ会をするという回がありました。

先生は漫画の同人誌(文章で)を作るのが趣味の人でオタク仲間からは割と尊敬されているのですが、自分に自信があるわけではないためにものすごく謙遜しがちです。

そんな先生がオフ会の参加者から、「いつも見てます。サインください」と頼まれるシーンがあります。

先生は少し考えて、「え…でも私なんかの…」とまた謙遜をしそうになるのですが、相手にこう言われます。

「『私なんか』という言い方は、あなたを好きな私への侮辱ですよ」

「なんと言おうと私は〇〇さん(先生)のファンなんです」

「あなたの文章に救われてる人もいるんです」

こう言われて心を少し自信を持ち、心を開くシーンがあるんですね。

(気になる方はウィッチウォッチを読みましょう!笑)

僕はこのシーンがとても好きです。

というのも、僕もついつい「私なんか」的な謙遜を使いがちだからです。

上記のシーンの解釈はそれぞれに任せますが、日本人は謙遜をしがちだと言われます。

僕自身はそれを良い文化だと捉えているのですが、それも状況によるのでしょう。

謙遜が相手を不快にさせてしまうこともあるということを描いたシーンですが、これって販売業や接客業をしている人にとっては他人事ではない気がします。

顧客に対する話としてです。

自分たちのファンになってくれたお客様は、誰でもないあなた自身を目掛けて店に足を運んでくれます。

あなたの接客が好きで、あなたの人柄が好きで、あなたの能力が好きで、わざわざ顧みて来てくれるお客様だからこそ『顧客』なわけです。

そんなお客様が褒めてくれたり、何か嬉しい言葉や行動をしてくれた時に、「いやいや私なんか」「そんなそんな」と謙遜ばかりしていて良いのか。

謙遜することが悪いとは思いませんが、せっかくお客様が嬉しいことを伝えてくれた、してくれたという時に、そんな返しばかりで良いのかを考えてみて欲しいのです。

そうした謙遜は時に、相手の気持ちを無碍にしてしまうこともあります。

僕も他人から褒められるのは苦手で、つい「いえいえ私なんて」と言ったりします。

でもよく考えるとその返答はやはり、言ってくれた相手がおかしいとか間違っているように聞こえてしまう返しなのかもしれません。

考えすぎと言われても、相手の気持ちに応えられてはいないのは事実だと思うのです。

だとしたら素直に、「嬉しいです」「そう言ってもらえるとまた頑張れます」みたいにポジティブに返せた方が良いんじゃないかと考えます。

きっと言ってくれた相手もそう返答をしてくれる方が嬉しいだろうなと。

謙遜癖がある人は、これって結構難しいことだと思います。(僕がそうなので)

でも相手の気持ちを大事にしていれば、少しずつでもより相手を嬉しくさせられる関わりができそうです。

謙遜すればイメージが良いと脳死で思い込むのではなく、使い方もしっかり考えていきたいですね。

今日の質問&トレーニングです。

1)お客様から嬉しい言葉をいただいた時、あなたはどんな返答をしがちですか?

2)その返答はお客様の気持ちを無碍にしてはいないでしょうか?

3)お客様に「言ってよかった」と思ってもらうには、どんな返答をすれば良いと思いますか?

image by: Shutterstock.com

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【著者】 坂本りゅういち 【発行周期】 日刊

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