お客様のニーズを引き出す。多くの接客員が難しいと感じるこの課題について、無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』の著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんは、お客様への質問は「一枚の写真」を完成させるようにするべき、と話しています。一体どういうことなのでしょうか?
「一枚の写真」を完成させるイメージで質問しよう
お客様のニーズをどこまで引き出すかは接客によっても変わるでしょう。
しかし、ある程度自分の意思でニーズを引き出したいなと思うようなら、質問などを駆使してお客様のニーズを聞く必要があります。
行動からニーズを予測/察知することはできるものですが、聞かなければわからないことも多いからです。
さて、もしこうした質問がうまくいかない時は、ニーズの解像度を頭でイメージしましょう。
解像度とはディスプレイなどで表示する画像の鮮明度を表しますが、要は「くっきり見えるか」「ぼんやり見えるか」の話です
お客様のニーズの解像度が高ければ、ニーズもくっきり見えます。
逆にニーズの解像度が低ければ、ニーズはぼんやりとしか見えません。
絶対にくっきり見えておく必要はないですが、接客内容に応じて解像度が低いといけない場面は多いものです。
だから解像度を上げるようなイメージで、質問をしていくわけです。
じゃあ具体的にどうすれば良いのか?
ひとつの方法は、商品の使用シーンをイメージすることです。
お客様はどんなシーン(場面)でそのアイテムを使おうとしているのか?
ここを一枚の写真に収めるイメージで、鮮明になるように質問をしていきます。
例えば、「ランニング用の靴が欲しい」というお客様の要望があったとしたら、その場面をまず頭でイメージします。
・お客様がランニングをしている
今ある情報だとこれだけしかイメージができませんよね。
ものすごくぼんやりです。
これを一枚の写真のように鮮明にしていくとしたら、聞かなければいけないことがだんだんわかってきます。
・どんな服を着ている?
・どんな場所を走っている?
・どのくらいのペースで?
・周りには誰がいる?
・時間帯は何時頃?
・お客様はどんな顔をしている?
みたいな感じですかね。
これらの質問ができれば、一枚の写真は完成できそうじゃないですか?
こうして解像度を上げていくために聞くべきことがわかれば、後は実際に会話をしながら質問をしていくことでニーズはくっきりして見えてきます。
そこに当てはまる商品を選定し、提案もしやすくなるでしょう。
もちろんこの話は、あくまで外側の話であって、お客様の内面には触れていません。
お客様がどのような感情を持っているか、どんな風になりたいかなどはまた違った要素が必要です。
ただ、一枚の写真を完成させるために必要な要素を理解しているだけでも、ニーズヒアリングは格段に成長します。
ぜひ自店の商品で考えてみてください。
今日の質問&トレーニングです。
1)自店商品を1つピックアップして、あなたがその商品を使用するシーンを想像してみてください。
2)そのシーンを一枚の写真に収め、くっきりイメージできるようにするには、どんな要素が必要ですか?
3)それらを書き出して、実際の接客でお客様に教えてもらってみましょう。
image by: Shutterstock.com