最近増えつつあるという「卵かけご飯専門店」。家でも簡単にできるメニューがなぜ専門店というかたちで広まったのか? その理由を今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが紹介しています。
誰がやっても失敗しない!?「卵かけご飯専門店」の作り方。
なぜか突然、無性に食べたくなる卵かけご飯。誰もが子どもの頃から慣れ親しんできた味。
最近、卵かけご飯専門店が徐々に増えつつあります。
これまで、手軽に作ることのできる、家庭の味としての存在であったはずのものが、なぜ、専門店というカタチで広まってきたのでしょうか。
第一は養鶏業者の危機感。
物価の優等生などとおだてられ、値上げすることを許されなかった期間の長さが、原因としてあります。
我慢の限界を超えた頃に、鳥インフルエンザやコロナショックがあり、経営面で不安定となりました。
そこで、他に活路を見出すことは必然だったのです。
導き出した答えが、「卵を高く売るためのお店」。
しかし、卵料理やスイーツのお店を作るには、料理人やパティシエを雇う必要があります。
となると、費用が掛かる上に、失敗のリスクも大きくなります。
そうした危険のない業種・業態を考えた時に出てきたのが、「卵かけご飯専門店」なのです。
20年ほど前に誕生し、話題となったこともある、このビジネスモデルに着目したのです。
批判を覚悟で書いてしまうと、このモデルは誰にでもできます。
失敗する可能性がかなり低いのです。
既存店をマネすれば、余程のことがない限り、商売として続けることができます。
その根拠は、卵の味にあります。
「幻の〇〇卵」「〇〇地鶏の卵」などという高級卵がありますが、これらと一般的な白色レグホンの卵には、ほとんど差がないのです。
鶏の種類や飼料の違いによって、黄身の色や粘度、栄養素などは変わりますが、味そのものに大差はありません。
このことは、有名な生活情報誌の調査によっても明らかにされています。
違いがわかりづらいのです。
つまり、どんな卵を食べても美味しいということです。
すなわち、マズい卵かけご飯はできないので、専門店を作っても、失敗しづらいという結論に達します。
しかし、スーパーの名も無い卵では、グルメ志向のお客さまの興味を惹くことはできません。
「〇〇農場の卵」「幻の〇〇卵」という“こだわり”が必要です。
ただ、ブランドはどんなものでも構いません。
無名なものでも美味しいので、お客さまは満足してくれます。
ただし、卵以外にこだわるべきものがあります。
米と醤油です。こちらも有名品である必要はありません。
美味しいと思うものを選べば良いのです。
米は、「〇〇さんちのお米」「〇〇地区の棚田米」などの名前があるものを選び、美味しい炊き方を習得してください。
醤油は、「卵かけご飯専用醤油」「だし醤油」などがありますし、オリジナルで作っても良いと思います。
あとは、味噌汁や漬け物なども、こだわりのあるものを提供します。
すべて、「卵かけご飯のために選びました」というアピールが大切なのです。
開店後、少しずつサブメニューを増やしたり、卵の種類、米の種類を増やしていくと、お客さまに飽きられることもありません。
このように、卵かけご飯専門店を作るのは、それほど難しいことではありません。
卵かけご飯を嫌いだという人は少ないので、見込み客の数は無限だと言っても良いでしょう。
さて、あなたはこの可能性をどう見ますか?
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