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日本は51位の衝撃。「世界幸福度ランキング」7年連続1位のフィンランドとは何が違うのか

国連の関連団体が毎年3月20日に発表する「世界幸福度ランキング」。我が国は昨年こそ47位となったものの、2016年以来毎年50位台、2020年に至っては62位にまで沈み、今年は51位という結果となりました。そんなランキングで7年連続1位となっているのがフィンランド。なぜ北欧の小国はこれほどまでに「幸せ」なのでしょうか。今回のメルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんが、これまで何度も足を運んで惚れ込んだという「フィンランドの素顔」を紹介。その上で、同国の幸福の秘密をデータを挙げつつ考察しています。

※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです

世界幸福度ランキング、なぜフィンランドは7年連続世界一なのか?

全世界のRPE読者の皆様、こんにちは!北野です。

3月20日は、「国際幸福デー」だそうです。国連はこの日、「世界幸福度ランキング」を発表しました。日本は143か国中、51位…。悲しい結果です。

世界一は、7年連続フィンランドという結果になりました。こちらの結果、私は大いに喜びました。というのも、私は大昔から「フィンランド推し」だからです。

本でも、2008年にダイヤモンド社から出版した、『隷属国家日本の岐路~今度は中国の天領になるのか?』の中で、フィンランドを絶賛していました。

フィンランドは、何が違うのでしょうか?

私が初めてフィンランドの首都ヘルシンキに行ったとき、ロシア・ルーブルをフィンランド・マルッカ(今はユーロ)に替える方法がわかりませんでした。

とりあえず、駅の最寄りの銀行に入りきょろきょろしていると、銀行員ではない一般人のおばさんが、「何か困ってるの?」と聞いてきました。

私は、「ルーブルをフィンランドの通貨に両替したいのですが」と言いました。すると、おばさんはにっこり微笑んで、「ついてきて!」と言い、私を両替所まで連れていってくれたのです。

バスにはじめて乗ったとき、お金の払い方がわかりませんでした。すると、別の一般人のおばさんが、「お金はこうやって払うのよ!」と即座に教えてくれました。

タクシーの取り方がわからないできょろきょろしていると、道路の清掃をしていた若者が、「何かお困りですか?」と聞いてきました。私と友人が、「タクシーどこで取れますか?」と聞くと、「タクシー取れる場所まで一緒に行きますよ!」と言い、連れて行ってくれました。

私は、「なんだこの国は?!?!?!?!?!?!?」と驚愕し、大好きになってしまったのです。そして、メルマガでも本でも、フィンランドをほめ続けています。

その他気がついたこと

私が一番多く行った外国は、もちろんロシアです。その次に頻繁に行ったのは、ロシアの北の隣国フィンランドです。

その他、気づいたことをいくつか書いておきましょう。

銀行員の服装

銀行に行ったら、銀行員がTシャツで働いていました。私は、「自由な国なんだな」と思いました。

当時の日本と言えば、「真夏でも男はスーツで」が常識でした。

フィンランドの後に日本に行くと、「これは、ヤバイ!」と思いました。「暑さで死ぬ!」と。

しかし日本もその後、小池百合子現東京都知事が環境大臣だった時、「クールビズ」を強力に推進し、状況が大いに改善されました。今では、真夏にスーツを着ている人は、ほとんど見かけません。

女性の靴

フィンランドを歩いていると、ほとんどの女性は、底が薄く、幅の広い靴で、タプタプと歩いていました。

私は普段、女性、男性の靴を見ません。しかし、フィンランドに行ったときは、あまりにもタプタプしているので、目がいってしまったのです。

たまに、ハイヒールの女性を見かけると、ほとんどの場合ロシア人女性でした。

銀行員のTシャツもそうですが、女性の靴を見たときも、「この国は自由なんだな」と思いました。

ヘルシンキのお店

もう一つ気がついたこと。

ヘルシンキはフィンランドの首都ですが、夕方8時頃になると、ほとんどのお店は閉まっていました。それで、私と友人は、いつも早めの夕食を心がけていたのです。

日本の24時間コンビニに慣れた私たちには不便に感じます。しかし、「夕方8時に閉まる」ことがあらかじめわかっていれば、不便を感じることはなくなるでしょう。

そして、「フィンランド人は、さっさと家に帰って、長い時間眠るんだろうな」と思いました。今調べてみると、フィンランド人の平均睡眠時間は、男性7時間24分、女性7時間45分で、OECD中最長でした。(2018年)

一方日本人の平均睡眠時間は、男性6時間30分、女性6時間40分で、OECD中、最短でした。

● 出所:睡眠時間の世界平均は7時間超 日本人は世界「最下位」?

客観的な指標

フィンランドは、世界幸福度ランキング7年連続世界1位です。他にフィンランドのよさを表す指標は何でしょうか?

世界教育総合ランキング2022年

フィンランド1位

● 出所:世界教育水準ランキング2022年6月現在(日本は41ヶ国中14位)

「フィンランド=教育大国」というのは有名ですね。

世界森林率ランキング(OECD加盟国中)

フィンランド1位

● 出所:世界の森林面積と森林率

世界汚職が少ない国ランキング

フィンランド2位

● 出所:世界汚職指数「清潔度」で日本16位 デンマーク6年連続TOP…台湾28位 中国76位

「幸せの秘密」フィンランド自身は、どう考えているのか?

フィンランド人は、なぜ世界一幸せなのでしょうか?フィンランド政府観光局は、「幸せの秘密」について、以下4つを挙げています。

フィンランドの幸せは国家機密や大きな謎ではなく、誰もが習得できる一連のスキルやライフハックの組み合わせなのです。森林浴やサウナの後の海水浴から、地元で採れた新鮮な食材を使った食事まで、フィンランド人の幸せの秘訣は日々の生活の中にあります。

● 出所:フィンランド、7年連続で世界幸福度ランキング1位を獲得!

というわけで、今回は、「フィンランドが7年連続で世界幸福度ランキング世界1になった」という話でした。

(無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル2024年3月20日号より一部抜粋)

image by: La_Mar / Shutterstock.com

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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