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部下になる社員全員から「辞めたい」と言われる上司は、一体“何が”いけないのか?

どんなに優秀な社員でも、上司という立場になった途端ダメになってしまう人っていますよね。これはなぜなのでしょうか?無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』の著者で経営コンサルタントの梅本泰則さんは、部下が育たない上司の問題点とその解決策を紹介しています。

部下が育たない

1.部下が育たない上司

あるお店に、個性的な社員がいます。自分の意見を、しっかりと持った社員です。

品ぞろえをするにも、自分の考えに添った商品を仕入れます。

他店では扱っていない商品も多いです。

そして、SNSでの発信は毎日。

内容も面白く、なかなか鋭い意見もあげます。

そんな社員ですから、ファンのお客様も多いです。

彼の話を聞きたくて来店されるお客様もいます。

ところが、店主は彼のことを手放しで喜んではいないようです。

一つ大きな問題を抱えています。

それは、彼に部下をつけても、うまく育てることが出来ないということです。

売場の人手が足りなくなったこともあって、今まで一人で切り盛りをしていた彼に、部下をつけることにしました。

ところが、部下は数か月もすると、「お店を辞めたい」と店主に訴えます。理由を聞いても、はっきりしません。話をしていくと、どうも仕事の指導が厳しいからのようです。仕方がないので、別の部下をつけることに。

すると、その部下も数カ月後「辞めたい」と言ってきます。理由は、前の部下と似たようなものです。

どうして、このようなことになるのでしょう。

それは、上司の部下を育てる方法が間違っているからです。

2.部下を育てられない原因

部下をつけられた彼は、何とか早く部下を一人前にしようと考えました。そのためでしょうか、細かい雑用を押し付けます。

本人は、自分の得意なことだけに、専念です。自分の目利きで商品を仕入れることや、SNSでの積極的な発信を続けます。

しかし、一向に売上が伸びてきません。

これでは、部下をつけた意味がないばかりでなく、逆効果です。どこに原因があるのでしょうか。

一つは、部下の動かし方に問題があります。

部下は、上司の雑用係ではありません。上司の彼は、部下を自分の道具のように扱います。自分は、楽しい仕事ばかりです。これでは、部下はたまったものではありません。

その上、売上が増えないとなれば、何のために仕事をしているのやら。

そうです、もう一つの問題は売上や利益目標に無関心なことです。確かに彼の部門には、しっかりとした販売目標があります。その目標を達成するために、何をしたらいいかが分かっていません。珍しい商品を並べたり、SNSで発信するだけでは、数字は伸びません。

確実に売れる商品も、売場には必要です。

彼は、販売目標が達成出来ない時、「出来ない理由」ばかりを訴えます。自分を正当化しようとするのです。そして、あげくの果てに「会社はオレの力を分かっていない」と嘆きます。

いかがですか。そんな上司のもとで働くのは、嫌ですよね。

これでは、部下を育てることは出来ません。

では、上司は部下をどのように育てると良いのでしょう。

3.部下の育て方

まず、上司は部下と目標や方向を共有する必要があります。

例えば、この部署はどんなお客様を中心にするか、年間の販売目標はいくらか、どんな品ぞろえをメインにするか、そして、販売目標を達成するために、どんなことをしていくか、ということを伝えて、実行計画を練ります。販売目標を達成したら、どんな報酬が得られるかも、伝えておくことです。

加えて、上司は部下と喜怒哀楽を共にするよう、心がけなければなりません。目標を達成したら一緒に喜んでやり、ダメな場合は一緒に対策を考えてやるような上司になりましょう。

その次に大切なのは、部下が自分をおびやかすような存在になることを意識して育てることです。部下に仕事を押し付けるだけでは、育ちません。

品ぞろえやマーケティングなど、重要な仕事を任せ、その都度具体的な指導をしながら、育ってもらいます。

実は、こうした育て方をすることで、上司も育つのです。

「自分の力を認めてもらえない」といった愚痴より、「少しは自分も成長したかも」といった考えになります。

あなたは、そうした部下の育て方を指導してあげましょう。

そして、付け加えますと、実は部下はあなたのカガミなのです。

部下は、いつもあなたのことを見ています。ですから、部下は上司の真似をするものです。

今回の個性的な社員は、もしかしたらあなたのカガミかもしれません。

一度、ご自分の胸に手を当てて考えてみてはいかがでしょう。

■今日のツボ■

・優秀な上司であっても、部下を育てるのは難しい。

・部下とは、目標や方向性を共有することである。

・仕事を任せることで、部下は育つ。

image by: Shutterstock.com

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ワン・トゥー・ワンコンサルティング代表。スポーツ用品業界での経験と知識を生かし、業界に特化したコンサルティング活動を続ける。
スポーツ用品業界在籍33年の経営コンサルタントが、スポーツショップの業績向上法について熱く語ります。スポーツショップのために書かれた、日本初のメルマガです。ここには、あなたのお店がかかえている問題を解決するヒントがいっぱいです。

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【著者】 梅本泰則 【発行周期】 週刊

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