自分ができること、できないことを客観視することはビジネスマンにとって非常に重要です。しかし、それが難しいこともまた事実。無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』の著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんは、できないことを認める難しさを知ったうえで、それでも認められるようになるべきだとしています。
できないことを認められないと
先日、とある飲食店で数人で食事をしていたら、とても印象良くハキハキした店員さんがテーブルについてくれました。
物腰も柔らかいし雰囲気的にも「できる人」という感じで、テーブルについていた僕たちは安心してオーダーをしていました。
その後もその店員さんは非常にハキハキとオーダーを受け付けてくれましたし、料理やドリンクを持ってきてくれる時もとても良い感じの対応をしてくれました。
しかし、途中から僕らはあることに気づくことになります。
オーダーがおかしいのです。
注文した料理は間違っているし、ドリンクも何回言っても一向にやってこない。
別にクレームを言うようなこともせずただ普通に、「これは頼んでないですよ」「こっちを頼みましたよ」「だいぶ前にドリンク頼んだのってどうなってますか?」みたいに声をかけていました。
ですが店員さんは、「え?この〇〇ですよね?」「はい、今やってますので」と同じテンションで答えていました。
いやいや…う~ん…
すごく嫌な言い方をしてしまうと、その方は雰囲気はめちゃくちゃあるけどあまりデキるタイプの方ではなかったようです。
ただ僕が言いたいのはそこではありません。
デキるかどうかは経験の差もあるでしょうし、たまたま忙しいという時だってあります。
それは状況に応じて仕方のないことだと個人的にはとらえています。
それより気になるのは、『認めるかどうか』の点です。
自分に非があることを認めるかどうかではなく、自分がどういうタイプなのかを自分自身で認められるかどうかですね。
今の自分の力量を客観的に見ることは実は結構大切です。
もし自分がまだまだなのであれば、それを自分で認められていないと周囲は割を食うことになります。
少し前に、「仕事ができるがやる気のない人」と「仕事はできないがやる気のある人」とでどっちが良いかみたいな論争がメディアで繰り広げられていました。
いろんな意見があって良いと思いますが、僕はどちらかというと「仕事はできないがやる気はある人」派です。
ただ、「仕事はできない、やる気はある。だけど自分ができないことを認められない人」というのはかなり厄介でもあると思っています。
自分が「デキる」と思い込んでいるだけの人というのは、やっぱり周りを困らせたり、最悪の場合、お客様に迷惑をかけてしまうことも少なくないからです。
だから、自分がどうなのかを客観視して、認めることって大事だなと思っています。
この話は多分人によってはかなり不快な思いをされるかもしれません。
ただ僕自身も、できないことだらけだからこそ書いています。
偉そうにメールマガジンやら研修で人材育成について講釈を垂れていますが、僕自身は確実にトップの器ではありません。
店で言うなら店長よりも、明らかにNo.2で力を発揮するタイプです。
それが自分ではっきりわかっている。
だから僕なんかよりも、今現場で店長をやっている人の方が(たとえ新人店長だったとしても)100万倍優れていると思っています。
でも、自分がそこで活躍できないとわかっているからこそ、自分の量分では力を発揮できますし、冷静に物事を見れるとも思っています。
ですが、自分がそれができないと認めるまでにはやっぱり時間がだいぶかかりました。
それだけ認めることの難しさも恐ろしさもわかっているつもりです。
今回の話は、冒頭のスタッフさんを責めたいわけではありません。
これを教訓として、また自分をもう一度見つめ直す良い機会を得られたなと感じています。
自分に何ができて何ができないのか、改めて考えてみます。
今日の質問&トレーニングです。
1)あなたができる仕事、できない仕事はそれぞれどんなことですか?仕事以外にも、能力や性格(性分)などあらゆる面で考えてみましょう。
2)自分にできないことを認めるには、日頃からどんな意識を持っていなければなりませんか?
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