MAG2 NEWS MENU

同僚女性の「水筒に尿」で塾講師逮捕! 体液混入多発“大マーキング時代”の自己防衛術は?日本版DBSの実効性に疑問符、厳罰求める声も

奈良市の塾講師の男(21)が、同僚女性の飲み物に自身の尿などを混入させた事件が世間に衝撃を与えている。しつけの悪いペットがごとき行為に「世はまさに大マーキング時代」の嘆きも。ただこの問題、考えれば考えるほど完璧な自己防衛は不可能に近い。厳罰化が求められるゆえんだ。

まるで検尿。同僚女性のペットボトルをトイレに持ち出し…

奈良市の学習塾で講師のアルバイトをしていた大学生の男(21)が、同僚女性らの水筒に尿などを混入させたとして、器物損壊と暴行の容疑で逮捕された事件が波紋を広げている。YTV NEWS NNN朝日新聞デジタルカンテレニュースなどが18日に報じたもの。

報道によると男は、複数の20代同僚女性の水筒やペットボトル飲料を控え室から持ち出し、トイレで自身の尿や唾液を混入。それを元の位置に戻し、女性らがその飲料を飲んでいる様子をスマホ動画で隠し撮りしていたという。2023年12月から2024年4月にかけて15回も“行為”に及んでいたとされる。

この凶行をうけてネットでは、「うげー、想像するだけで気持ち悪い!」「トイレに持ち込みって検尿かよ…絵面がヤバすぎだろ」「被害女性は一生モノのトラウマだよ」といった悲鳴があがったほか、「岡山のハチミツ事件かと思ったら別の事件か」「なんか最近こういう事件が多くない?」との指摘も。

「“岡山のハチミツ事件”は、某住宅メーカーの岡山営業所で、派遣社員の20代の男が同僚女性社員のコップやハチミツ容器に“体液”を混入した事件のことですね。こちらの男は昨夏から今年初めにかけて犯行の様子をSNSに投稿していました。そこから本人が特定され、器物損壊などの疑いで書類送検されたのがつい先月のこと。その記憶も消えないうちに、今度は奈良で尿混入ですからね。まさに、キモすぎる怪事件が立て続けに起こっている状況と言えます」(ネットメディア編集デスク)

なぜ器物損壊?「性犯罪」なのに刑罰が軽すぎるとの批判多数

一部SNSでは、倒錯した男たちが女性の飲食物に尿や体液を混入させるさまを、しつけの悪いペットになぞらえて「大マーキング時代の到来」とみる向きもあるようだ。

「大マーキング時代、という捉え方は大変興味深いですが、実際のところ、この種の行為は今に始まったことではないでしょう。今回、奈良の塾講師の男は、違和感を持った被害者女性が仕掛けた小型カメラから足が付いたそうです。岡山のハチミツ事件も犯人特定はSNSへの投稿がキッカケ。スマホや動画の普及で可視化されやすくなっただけで、このような事件は昭和の昔から発生し続けている可能性が高いと思いますよ」(前同)

今回の事件を、未熟な大学生による単純な“バイトテロ”と解釈するのは無理があるだろう。現時点で、塾に通う生徒の被害が明らかになっていないのは不幸中の幸いだが、明らかに「性犯罪」のにおいがするからだ。ところが、岡山にせよ奈良にせよ、容疑はいずれも「器物損壊」となっている。

「ドリンクに尿や体液を混ぜられたらもう飲めなくなる、つまりそれは器物損壊にあたる、という理屈なのでしょうが、飲まされた女性はたまったものではありませんよね。場合によっては、同じ商品を見るだけで、あるいは同じ種類の飲み物を見るだけで被害の記憶がフラッシュバックしたり、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の恐れもある。そのため、『刑罰が甘すぎる』『精神的レイプにあたる』『性犯罪の一種として厳罰化しなければ変態男の“混ぜ得”になってしまう』といった批判が相次いでいます」(前同)

女性だけでなく男性も標的。異物混入から身を守る方法は?

世間に多大なショックを与えている飲み物への“異物混入”だが、女性はもちろんのこと、記者を含むオジサン世代の男性も十分に注意する必要があるという。先の編集デスクの指摘。

「女性の被害ばかりが報じられていますが、実態がそうとは限りません。女が男を、あるいは男が男をターゲットとして、このような行為に手を染める恐れは常にあります。一般的に『性被害』に遭いにくいと認識されている我々男性は、海外旅行にでも行かないかぎり、ドリンクへの異物混入に対する警戒心がほとんどないですからね。自分が知らないうちに、どこで何をどれだけ飲まされていることやら……考えただけで気分が悪くなってきました」(前同)

【関連】海外からも疑問、詩織さん性的暴行事件になぜ日本は沈黙するのか

記者は男性だが、この種の被害に遭うのは女性ばかりと思い込んでいた。だが、たしかに犯罪者からすれば、油断しきっているオジサンほどチョロい標的はないだろう。それこそ、目くそ鼻くそ唾液体液、混ぜ放題のフルコース状態と言える。

性差に関係なく、なんとか自分の身を守る方法はないものか?

「今回のような異物混入は、飲み物に薬物や毒物を混ぜて昏倒させるスパイキング行為と、性的フェティシズムが組み合わさったものと考えられます。海外専門サイトでスパイキング行為から身を守る方法として推奨されている対策には、たとえば下記のものがあります」(前同)

これらを一般的な職場にあてはめると、開封済みのペットボトルをデスクなどに置いたまま離席しない、飲みかけのものを給湯室の冷蔵庫などに保存しない、他人から提供されたドリンクや手作りの飲み物は一切飲まないようにする、といった形になるか。

ただ、同僚を信頼できないというのは精神的にかなり厳しそうだ。さらに「外食しないという思い切った対策も有効です」とのことだが、記者の場合、外食を封じられたら飢え死には避けられそうにない。

折しも今日19日、「日本版DBS」制度を導入するための法律が国会で成立した。子どもに接する仕事に就く人間に性犯罪歴がないかを確認するための仕組みだ。だが、そもそも飲み物への尿や体液混入が「性犯罪」にあたらないとすれば、その実効性には疑問符が付く。「エッチなのはダメ! 死刑!!」という国民の不安の声は政府に届くのか、今後の動向が注目される。

X(旧Twitter)の反応

※本記事内のツイートにつきましては、X(旧Twitter)のツイート埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。

image by: Nirat.pix / Shutterstock.com

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け