私たちが当たり前のように使っている、メートル、グラムなどの単位。しかし、アメリカでは異なる単位を使っていますよね。そこに注目したのは、無料メルマガ『【スキル×運】で年収1000万円を目指せ!』の著者・佐藤しょうおんさん。世界の文化を切り取る、その「物差し」について語っています。
世界を切り取るのは度量衡
私たちが世界を見る時、認識する時にアタマの中で何をしているのかというと、基準となる尺度を使って世界を切り取っているんです。この建物って大きいんだなと認識する時には、基準となる尺度、容積の場合には立方メートルですし、面積の場合には平方メートルがアタマの中にあって、その物差しを使って世界を切り取っているわけです。
つまりそんな基準とは、度量衡のことなんですよ。これが我々の感覚に染み着いているから、その物差しで世界を認識するんです。そんなの当たり前だと思います?確かに日本はメートル法を使っているので、他国に行ってもそれが特殊だという感覚になりにくいんですよね。
でもかつての日本は、尺貫法を使っていたわけです。今の人に、1貫の重さって言って、これくらいだなとピンと感覚が立ち上がる人はほとんどいませんよね。でも匁(もんめ)という単位は今でも真珠を計量する時に使われているんですよ。ちなみに1000匁が1貫で、3.75キロです。その尺度で重さの世界をイメージする人と、1キロでイメージする人は別な世界に生きているのと同じなんですよ。
今でもお酒は、1合、1升、1斗という単位を使いますよね。灯油なんかは1斗缶が現役で使われていますからね。
この尺度の感覚を複数持つということは、フツーの生活ではありません。しかしこれを持てると世界の見え方がより複雑に、解像度が高まって認識できるんですよ。
そのことに気付いたのが、アメリカで暮らしていた時です。あの国は、ポンドヤード法を使っている珍しい国です。
長さはインチ、フィート、ヤード、マイルですし、重さはオンスにポンドです。さらに容量はパイントにガロンですし、気温は華氏であるファーレンヘイト度ですから、留学当初はみなさん非常に苦労します。当然ですがここで簡単な換算表を使って、すぐにメートル法に直して認識しようとするわけです。
しかし、1年もいたら、ポンドヤードをメートルに変換しなくても、なんとなくこれくらいだという感覚が育ってくるんです。
そうすると、世界を見る目が2種類になったわけです。同じ長さを移動しても、キロメートルで理解する時と、マイルで理解する時とでは、実は使っている脳みその場所が微妙に異なることに気付くんです。
ガソリンを入れる時に、5ガロンって言われるとなんとなくタンクの1/3くらいだなとか、次の町まで15マイルって書いてあると、フリーウェイで15分、下道で25分くらいかなという感覚が育ってきます。それがアメリカ人の感覚を認識するということです。