来店してくれたらノベルティをプレゼント、というキャンペーンがありますが、ノベルティが欲しくてそのお店に足を運んだことはありますか?無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』の著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんは、“本当の集客”というものについて語っています。
本当の集客
ちょっと前に地元の友人からこんな連絡がありました。
「部活をしている子供の部が全国大会に進むことになった。予算がないので、みんなに協力を募っている」というような内容でした。
よくある募金活動なのだと思いますが、その部はどうやらお金を募るためにグッズを作ったようなのです。
注文ができる紙カタログのようなものがあって、その写真を見てみると、チームのネームが入ったタオルやらトートバッグやらが並んでいます。
さらには地元の協賛なのか何なのか、そうめんやカレーなども。
それぞれに値段がついていて、利益分から大会出場にかかる費用を捻出するようです。
僕はそれを見た時に、「お金は出すけどグッズとかはいらない」と友人に伝えました。
そうめんもカレーも部活には何も関係が無さそうで意味不明でしたし、グッズをもらっても困ります。
こういうことを言うのは申し訳ないとは思いますが、そんなグッズを作るコストがかかるくらいなら、普通に寄付を募ってくれた方がいいのになという感じでした。
でもたぶん、こういうことって各学校で起こっているんだろうなとも思います。
この件があってパッと頭に浮かんだのが、ノベルティです。
ショップなんかだと、「来店してくれたらノベルティをプレゼント」「いくら以上買ってくれたらノベルティをプレゼント」みたいなことをよくやりますよね。
スタッフも何かイベントがあると、「ノベルティがあればお客様が来てくれる」と思っていることもあります。
しかし、そういうノベルティを喜んでくれるお客様って実はかなり限られています。
タダであげるようなノベルティは、ある程度予算も限られていますからたいしたクオリティでもありません。
下手したら、どこかで仕入れてきたものを適当にノベルティとして配っているだけの場合すらあります。(そうめんやカレーがまさにそれです)
そんなどこの何ともわからないものを配ったところで、自社ブランドの発展に寄与することなんて1ミリもありませんし、お客様もそれをもらったからと言って、「ここで買い物してよかった」とは思いません。
「あぁなんか付いてきたのね」くらいのものです。
本気でノベルティでお客様に喜んでもらいたいと思うのなら、ノベルティ自体も本気で作らなければならないでしょう。
それこそお金を払ってでも欲しいと思えるくらいのものであれば、お客様は喜んでくれます。
しかし実際にそこまでやれている店はほとんどなくて、「とりあえずノベルティを配ろう」程度の感覚でやっているところが多い。
であればそんなことは最初からやらずに、本来やるべきことに集中すべきです。
部活動で言えば、どんな学校でどんな大会で、そこに出場するのがどれだけ地元にとって重要なことかを教えてくれればいい。
そんな発信ができていれば、ノベルティにコストをかけなくたって応援してくれる人は絶対に増えます。
そこを省いて、「グッズを作ればお金を出してくれるだろう」という発想になっていること自体が僕はとても疑問なのです。
ショップでも同じことで、要りもしないノベルティを配ってお客様の荷物を増やすくらいだったら、もっとやるべきことがあるはず。
そこに頼って集客をしようなんていう貧弱な発想になってしまっていると、接客サービスの質もその程度になることは明白です。
そもそも今の時代に、必要でも何でもないノベルティを配る行為はお客様からはむしろ「エコじゃない」などと非難されることだってあります。
「何か配ればいいだろう」なんて前時代的な感覚はもう必要ないのです。
本当に求められていることに対して、本当にやるべきことをやる。
それが一番の集客になります。
今日の質問&トレーニングです。
1)自社でノベルティを配ることで、誰にどんなメリットがありますか?
2)自社でノベルティを配ることで、誰にどんなデメリットがありますか?
3)ノベルティにかかるコストを別の部分に使うとしたら、どんなことに使いたいですか?
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