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小池百合子知事にダマされるな。東京都議選を前に登場した「AIゆりこ」と“水道料金無償化”で都民をペテンにかける「現実ゆりこ」

多くの選挙区で激戦が予想される、6月22日に投開票を控えた東京都議選。そんな「政治イベント」を目前に、自身の実績アピールに余念がないのが小池百合子都知事です。今回の『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、小池氏の「無駄遣い」の数々を紹介。さらに都知事が自ら強調する実績が、「嘘とペテン」により捏造されたものである事実を暴いています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:AIゆりこの逆襲!

都議選前に再登場。バージョンアップした「AIゆりこ」と都民をペテンにかける「現実ゆりこ」

6月13日告示、6月22日投開票の東京都議選が近づいて来ました。そして、このタイミングで、またいつものように小池百合子都知事が動き出しました。それにしても、こんなに分かりやすい人は他にいませんよね(笑)。

たとえば、ツイッター(現・X)です。小池都知事の公式アカウントを見ると、昨年7月7日に再選を果たした時の投稿の後は、今年のお正月に書き初めの動画をリツイートしただけで、この11カ月間、ただの一度も投稿していませんでした。それなのに、都議選が目前に迫った5月28日、突如としてこんな投稿をしたのです。


東京都政をわかりやすく、正確に、そして親しみやすくお届けする「#AIゆりこ」が、ついにバージョン2.0として帰ってきました!
進化したAIゆりこは、最新のAI技術を搭載し、「誰ひとり取り残さない東京」の実現に向けて、都政の「今」と「これから」を丁寧にお伝えしてまいります。

https://x.com/ecoyuri/status/1927681259540799984

こんなに分かりやすいタイミングなのに、5月30日の定例会見で「選挙が近づいて来たから、またAIゆりこが登場したんですか?」と記者から図星の質問をされると、「いいえ違います!」とキッパリ否定した現実ゆりこ。そんなにムキにならなくてもいいのに、相変わらず大人げないですね。そして、AIゆりこの復活は選挙と無関係だと言いながら、現実ゆりこの口から出るのは、この1年間の自分の実績ばかり。

中でも小池都知事がドヤ顔で成果をアピールしたのが、昨年9月から運用が開始された東京都の公式マッチングアプリ「TOKYO縁結び」でした。ちょうど1年前の昨年6月初頭に、この「TOKYO縁結び」の計画が発表された時には「税金の無駄遣いだ!」と批判の嵐でしたが、今回の定例会見で小池都知事は、5月20日までの約8カ月間で32組が成婚、124組が「真剣交際中」と発表し「一歩踏み出すお手伝いができたことは嬉しく思っている」と述べたのです。

この東京都の公式マッチングアプリ「TOKYO縁結び」は、都内在住か都内へ通学通勤している独身者限定で、登録料は2年間で1万1,000円です。しかし、これだけではとても運営できないため、本年度もシステム運用などに約1億2,000万円の予算が計上されており、マッチングアプリを含む東京都の結婚支援事業全体では、本年度までの3年間で計8億円が税金から搬出されるのです。

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今に始まったことではない小池都知事の無駄遣い

こんなに税金を使って、たった32組?…と思った人も多いかもしれませんが、それだけでなく、このアプリによって出会った124組が「真剣交際中」なのです。この人たちが結婚すれば、成婚率はグンとアップします。でも「真剣交際って何?」というわけで、「TOKYO縁結び」の資料を見てみると「真剣交際」とは「新たな紹介及び他のお相手との交際を中止した組の数」と書いてありました。

つまり、まずは入会して複数の相手と出会ってやりとりをして、そのうちの誰か1人に絞った時点で「真剣交際」にカウントされるのです。でも、そうだとしたら「真剣交際」から結婚に至るカップルは、この124組のうち1割もいれば良いほうだと思います。だから、あまり期待はできませんね。

しかし、通常は卒業までに4年かかる名門カイロ大学を、1年留年したのにも関わらず計3年間で首席卒業したと自称する小池百合子都知事に「抜かり」などありません。この「TOKYO縁結び」と、これまた小池都知事の鶴の一声で48億円もの税金が投入された都庁のプロジェクションマッピングとをコラボさせた400人規模の婚活イベントが、都議選の1週間後の6月29日に開催されるのです!

その名も「都庁プロジェクションマッピングで恋の予感!キラめく謎解き縁結び in 西新宿」!!

…そんなわけで、もはや「親戚のおせっかいババア」みたいになって来た小池百合子都知事ですが、彼女の無駄遣いは今に始まったことではありません。現在は26億円超の建設費と年間2億円の維持費を投入して、お台場に巨大噴水「ODAIBAファウンテン」を造る計画を強行しています。多くの批判の声に対して、小池都知事は「年間3,000万人の観覧者を見込んでいる」と述べて経済効果を主張しました。

でも、年間3,000万人ということは、毎日10万人近い人が見に行かないと達成されません。本当にそんなに多くの人が見に行くのでしょうか?あれほどたくさんのパビリオンがある「大阪万博」でさえ、1日10万人に届かない日も多いのに…なんて思っていたら、これまた「百合子マジック」でした。この「年間3,000万人の観覧者」というのは、お台場まで行かなくても、対岸から眺めた人たちも含んでの想定人数だったのです!

つまり、対岸から噴水をチラッと見た人も、車を運転しながら噴水をチラッと見た人も、ぜんぶまとめて3,000万人という話だったのです!何だそれ?…というわけで、ようするに莫大な税金を投入する上で、それらしい経済効果を謳うために、観覧者数を大幅に水増しして捏造したというわけです!これが毎度おなじみの「百合子マジック」なのです!

2012年12月の総選挙で政権に返り咲いた安倍晋三首相は、アベノミクスによって民主党政権時代より経済成長したように見せかけるため、いの一番に「名目GDPの試算方法の変更」に着手しました。それまで名目GDPの試算に加えなかった不動産取引や設備投資など、あらゆるものを名目GDPに加えることで、安倍晋三首相は国民総生産の総額を大幅に水増しして、あたかもアベノミクスによって経済が好転したようにデータを捏造したのです。

そして、この「それまでと試算方法を変更して成果が出たように捏造する」という安倍首相直伝の詐欺行為を踏襲したのが「女安倍晋三」こと小池百合子都知事でした。小池都知事は1期目に「7つのゼロ」、2期目に「12のゼロ」と、これまでに数々のゼロ公約を掲げて来ましたが、3期目を迎えた9年目の現在まで、ただの1つも公約を達成していません。安倍首相と同じく「言うだけ女番長」だったのです。

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150匹を殺して「ペット殺処分ゼロを達成」のペテン

そんな小池都知事は2019年、「2018年度のペット殺処分ゼロを達成しました」とドヤ顔で発表しました。しかし、詳細を調査してみると、年間に150匹もの犬猫が殺処分されていたのです。これらは病気や性格などから「譲渡に適さない犬猫」と判断された個体で、東京都でも小池百合子が都知事になるまでは「殺処分」にカウントしていましたし、他府県では現在もカウントしています。

しかし、小池都知事は、こうした個体までカウントしていたら、いつまで経ってもゼロ公約を達成できないと判断して、東京都だけ勝手に「譲渡に適さない犬猫は殺処分してもカウントしなくて良い」という独自ルールを作り、150匹も殺したのに「ゼロ達成!」と胸を張ったのです。新型コロナの時も、他府県とは違う東京独自のカウントで感染者数を矮小化しましたが、まさに「女安倍晋三」、「殺処分ゼロ」も嘘とペテンで捏造した成果だったのです。

そして、この例からも分かるように、今回の「TOKYO縁結び」の「真剣交際」の124組しかり、「ODAIBAファウンテン」の「年間観覧者」の3,000万人しかり、小池都政の成果の多くは「水増し」というペテンだったのです。その上、それだけに留まらず、神宮外苑の樹木伐採などは「3メートル以下の低木はカウントしない」という「逆水増し」で、全体の伐採数を矮小化するというペテンまで使い分ける始末。ま、神宮外苑に関しては、あくまでも企業主体で、小池都知事は認可しただけですが、それでも取り返しのつかない自然破壊の責任は都に帰属するのです。

…そんなわけで、7月の参院選を前に国政では与党と野党とのバラマキ合戦が続いていますが、都議選を目前に控えた都政でも、小池百合子都知事がさっそく一般家庭向けの水道基本料金を今夏の4カ月、無償化するというバラマキを発表しました。東京都の一般家庭向け水道基本料金は、給水管の口径によって、860円、1,170円、1,460円と3パターンあるので一律には言えませんが、平均して1世帯あたり4カ月で4,000~5,000円ほど家計が助かります。

でも、政策には財源が必要であり、その財源の原資はあたしたちの納めている税金なのです。今回の水道基本料金の無償化でも、小池都知事は関連経費約368億円を盛り込んだ補正予算案を提出しました。国政では国民の納めた税金で買っていた政府備蓄米が無償配布されず、さらに国民がお金を払って買ってありがたがっていますが、都政でも都民の納めた税金で水道基本料金が無償化されることを、あたしたち都民はありがたがらなければならないのです。もともとはあたしたちのお金なのに、何だかな~?…と思ってしまう今日この頃です。

(『きっこのメルマガ』2025年6月4日号より一部抜粋・文中敬称略)

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