元国税調査官の大村大次郎氏が、「こども家庭庁」の恐るべき税金の無駄使いを徹底批判する。年間7.2兆円の予算を使いながら成果ゼロというだけでも国民は呆れるばかりだが、大村氏によれば同庁は、自民党・財務省による伝統的な「税金無駄遣いのサンプル」のような存在だという。彼らの目的は国会議員や官僚の重役ポストを増やし“中抜き”で儲けることにあるため、新しい省庁をつくらせてはならないと指摘する。(メルマガ『元国税調査官・大村大次郎の「本音で役に立つ税金情報“特別版”」』2025/6/1号より一部抜粋、再構成)
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです
「こども家庭庁」をぶっ潰せ
昨今、こども家庭庁への風当たりが強くなっています。少子化対策等のために令和5年(2023年)に新設された省庁で、年間予算を7.2兆円も使っているにもかかわらず、少子化にまったく歯止めがかかっていないことから、「こども家庭庁は7兆円も使って何をしているんだ?」という怒りの声がネットなどで氾濫しているのです。
はっきり言えば、こども家庭庁はまったく不要なものであり、自民党、財務省の伝統的な「税金無駄遣いのサンプル」のような存在です。
自民党による「税金無駄遣い」の王道パターン
自民党や財務省が行なってきた「税金無駄遣い」の王道パターンには、次のようなものがあります。
1つの分野に新しい予算をつける場合、たとえば東日本大震災の復興のために予算をつけるとき、新しい官庁(もしくは機関)をつくります。
なぜ新しい機関をつくるかというと、新しい機関をつくれば、そこに新しいポストが生じ、その機関を運営するための様々な経費を使えるようになるからです。
様々な付随経費が生じることによって「中抜き」できる機会が増えるのです。
東日本大震災の復興を国土交通省に担わせてもポストは増えませんし、「復興のための実額」しか予算には計上できません。しかし新しい省庁をつくれば、復興のための実額だけではなく、省庁を運営するための様々な予算を計上できます。
予算をより複雑にすることで、中抜きする機会も多くなります。だから、復興庁という新しい省庁をつくり、新しいポストや様々な付随経費を計上し、そこから政治家周辺や官僚たちが中抜きして儲けを得ているのです。
東日本大震災の復興予算に不透明な部分が多いことは、たびたび指摘されていますが、その大きな要因として「復興庁」の存在があります。
それとまったく同様のことが、「こども家庭庁」にも言えるのです。
こども家庭庁が新設されることで、国会議員には、こども家庭庁のトップである「特命大臣」のポストが用意されました。
国会議員というのは、大臣になりたくてしょうがないものです。でも、大臣のポストは数が限られていますし、国民の目があるのでそう簡単に増やすことはできません。が、「こども家庭庁」をつくって少子化対策を担う大臣ポストをつくるということにすれば、国民の目を誤魔化せます。
こうして、めでたく大臣ポストを1つ新設できたというわけです。
しかもこのこども家庭庁には副大臣と政務官も設置されています。この副大臣、政務官も、国会議員にとってはそれなりに重要なポストです。
つまりは、こども家庭庁を新設することによって、大臣、副大臣、政務官という国会議員の重要ポストが新しくできた、ということです。(次ページに続く)
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