韓国で旧統一教会の韓鶴子総裁が逮捕され、捜査過程で日本支部から同総裁に宛てた3200ページにもわたる「TM特別報告」が発見されました。そこには自民党有力政治家の名前が多数記載され、同教会が日本の政治権力に入り込んできた様子が克明に描写されているとされます。高市首相が突如1月解散を検討し始めた背景には、この問題があることは明らかです。メルマガ『グーグル日本法人元社長 辻野晃一郎のアタマの中』では著者の辻野さんが、旧統一教会問題に決着を付けることなしには日本の政治を立て直すことはできないと警鐘を鳴らしています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです:再燃する旧統一教会問題について
週刊文春が報じた「自民党と統一教会」の癒着
韓国では旧統一教会の韓鶴子(ハンハクチャ)総裁が逮捕され、先日死刑が求刑された尹錫悦(ユンソンニョル)前大統領や同政権への政界工作に関する捜査が進んでいます。その捜査過程で、日本支部から同総裁に宛てた「TM(True Mother)特別報告」という3200ページにもわたる文書が見つかり、その全文を入手したとして『週刊文春』がスクープ記事を出しました。
そこには、2021年の岸田文雄政権下での総選挙において、同教会が自民党候補だけで290名を支援したと記載されているだけでなく、安倍晋三元首相や岸田文雄元首相、高市早苗現首相、萩生田光一氏など、自民党有力政治家の名前が多数記載されており、同教会が日本の政治権力に入り込んできた様子が克明に描写されているとされます。
安倍氏の名前は547回、岸田氏が116回、萩生田氏が68回、高市氏が32回も言及されており、山際大志郎氏、岸信夫氏、牧島かれん氏、長島昭久氏等の名前も出てくるそうです。長島氏は元信者で合同結婚式を挙げていながら、自民党の調査ではその事実を隠していたことも判明しています。
旧統一教会問題関連では、この問題が発覚してからこれまで多数の投稿を行ってきましたが、今回の本件再燃にあたって、あらためて以下の投稿を行いました。
ベネズエラ問題についてはメディアも国会議員も評論家も大騒ぎだが、反日カルト集団旧統一教会の捜査が本国の韓国で進み、2021年岸田政権下の総選挙では自民党議員290名が彼らの支援を受けていたとの内部資料が出てきたという自国の大問題については今のところほぼ無風状態なのが摩訶不思議です。
— 辻野 晃一郎 (@ktsujino) January 5, 2026
萩生田光一氏のこれまでの釈明はすべてウソであったことが韓国当局の捜査であらためて明らかに。裏金についての釈明も同じだろう。国会議員としての彼の命運がこれで尽きることを願う。 https://t.co/Ok5sYS9Mt5
— 辻野 晃一郎 (@ktsujino) January 8, 2026
また、前号の「今週のメインコラム」での年頭所感の中では、以下のように書きました。
「高市内閣がいつ解散するのか、ということも今年の日本の政治を左右する大きなテーマだと思います。巷では、支持率が高いうちに解散するのではないかということで、今月の通常国会開始のタイミングの可能性が一時取り沙汰されていましたが、その可能性は消えたようです。今のところ、解散の可能性が最も高いとされているのは、国会会期末の6月とされますが、上記の旧統一教会問題を始め、コメ高騰を含むインフレの動向、中国問題の成り行き、3月訪米も検討されているトランプ政権との関係、林芳正総務大臣のスキャンダルなど、解散の行方を左右する変動要因は盛りだくさんです」
ここでは、「通常国会開始のタイミングでの解散の可能性は消えたようだ」と書きましたが、「解散の行方を左右する変動要因は盛りだくさん」とも書きました。
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突然浮上した「1月解散」。高市首相が“急ぐ”真の理由
すると早速、先週9日の23時に、読売新聞がオンラインで、「高市首相が衆院解散を検討、23日通常国会の冒頭に…2月上中旬に投開票の公算」と報じ、1月解散の可能性が突如再浮上して大騒ぎになりました。解散の話は、麻生副総裁や鈴木幹事長にも事前の相談がなかったということもあり、さまざまな憶測を呼びましたが、14日、鈴木幹事長と維新の吉村代表がぶら下がり会見を行い、高市氏から、国会開催冒頭で解散する意向を伝えられたことを明らかにしました。解散の理由についての高市氏自身からの説明は、週明けの19日に行われるそうです。
しかしながら、急転直下したこの1月解散に大義などあろうはずもなく、自己都合を最優先した極めて身勝手な解散と言わざるを得ません。おまけに、今や政権与党である維新もこれに悪乗りして、代表の吉村大阪府知事は、大阪市の横山市長(同党副代表)と共に辞職して知事・市長の出直し選を行い、既に2度の住民投票で否決されて3度目はないと公言していた大阪都構想(副首都構想)の是非を再度問うそうです。このような無責任極まりない身勝手な人たちが、今や政権与党として国家運営を担っていることに、今更ながら背筋が寒くなる思いです。
「物価高対策を優先して当面解散は考えていない」と明言していた高市氏が突然態度を変えた背景には、解散を左右する変動要因として先に列挙した日中関係のさらなる悪化や、スクープされた旧統一教会問題があることは明らかです。さらに高市氏を巡っては、政治資金規正法の上限を超える企業献金を受けていた問題や、天理教系企業からの高額な迂回献金疑惑も浮上しています。旧統一教会問題については、「TM特別報告」の解析が進められており、週刊文春も第2弾、第3弾の記事を出してくるでしょう。高市氏としては、触れられたくないこれらの問題に関する国会論戦を避け、支持率が高いうちに解散した方が得策という判断に急遽傾いたことはほぼ間違いないと思いますし、自民党が実施した情勢調査の結果もその判断を後押ししたようです。
安倍政権時代に、影の総理と呼ばれていた今井尚哉氏が、高市氏に請われて内閣官房参与として政権中枢に戻っていますが、今週、経産省OBで今でも政界や官界に太いパイプを持つ知人と食事をし、内情をいろいろと教えてもらいました。彼によると、巷で言われている通り、今井氏が早期解散を高市氏に強く進言していたことは間違いないそうで、麻生外しの思惑もあるとのことです。
それにしても、よく「解散は総理の専権事項」などと言われ、7条解散とも呼ばれますが、日本国憲法には、69条も含めて、解散権の所在や行使の要件について決定的な条文はありません。時の内閣や総理の都合で解散権を自由に行使できるとすれば、まさに制度上の欠陥以外の何物でもないとも言え、この点に関しては、身勝手な解散を封じるための憲法改正が必要でしょう。
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決着を付けるべき重大問題と萩生田光一氏の重大な役割
それらはさておき、ここでは、先のXへの投稿に戻り、その理由を述べたいと思います。私は、旧統一教会問題に関して決着を付けること無しには、日本の政治を立て直すことなどできないと考えています。そのため、韓国当局の捜査がきっかけとなって、半ば忘れかけられていたこの問題が再燃しつつあることを大いに歓迎しています。
旧統一教会を批判すると、必ず「宗教弾圧」とか「信教の自由」という反発が返ってきます。しかし旧統一教会というのは、宗教を隠れ蓑にした、反日を教義とする外国の反社会的勢力であり、日本の信者から巨額の金銭を収奪した詐欺集団です。韓国の李在明(イジェミョン)大統領も、「新天地(新天地イエス教証しの幕屋聖殿)と旧統一教会が韓国社会に及ぼす害悪をあまりにも長く放置していたため弊害がきわめて大きい」と述べています。そのような外国勢力が、日本の政権与党に深く入り込んで、日本の政治に大きな影響を与えてきたのではないかという重大な疑義があるわけですが、何故か日本では当局の追及が甘く、この問題がうやむやにされてきたことに強い危機意識を持ち続けてきました。
「TM特別報告」の中には、「安倍首相(当時)がお母様(韓鶴子)にひれ伏して拝するように」というような記述や、「高市氏の後援会と我々は密接な関係にある」「高市氏が自民党総裁になることが天の最大の願いである」というような記述の存在が確認されています。
特に萩生田光一氏については、自民党議員と同教会を結び付ける上で重要な役割を果たしてきたことが記されており、「常に連絡を取り合う関係です」「我々と安倍首相との面談を一貫して主導してくれた人物」などと記載されていて、菅義偉内閣発足時には「萩生田大臣が菅新首相の後任の官房長官になれば、これは本当に天の摂理と言うほかありません」とまで持ち上げられています。
これらの記載内容が事実だとすれば、萩生田氏は、外国の反日反社勢力による政界工作に積極協力して、国家国民に対する裏切り行為を働いてきた人物の疑いが強く、安倍元首相暗殺の遠因を作ったとさえ言えます。他にも、この人物は、森友学園問題や加計学園問題にも関わっていますし、裏金問題でも旧安倍派5人衆の一人として深く関わっています(政策秘書が略式起訴されて有罪確定)。このような人物が国会議員であり続けることの国家的リスクは計り知れません。
高市氏が解散総選挙を断行するのであれば、次の選挙では確実に落選させねばならない議員の筆頭格であると思っています。そして同時に、韓国当局にも協力してもらって、旧統一教会による政権与党への政界工作については、日本でも改めて徹底した捜査が必要です。
折しも、李在明大統領が来日して13日には首脳会談が行われましたが、旧統一教会問題については、日韓で合同捜査チームを作って徹底解明する合意を作るべきだったと思いますし、まともな首相であればそうしたでしょう。作り笑顔を振りまいてドラムを叩いている場合ではないのです。
ちなみに、私がここで掲載した2つ目のポストでは、佐高信氏のポストを引用していますが、その後、佐高信氏が玉木雄一郎氏を「旧統一教会に近い」とX上で揶揄したことから、玉木氏がそれに応戦し、ネット民を巻き込んだ大炎上になっていました。私は佐高氏とは直接親交があり共著もあるので肩を持つわけではありませんが、佐高氏の指摘は間違っていないと思います。
旧統一教会問題は、日本の政治と社会に極めて深刻な影を落としているのです。
(本記事は『グーグル日本法人元社長 辻野晃一郎のアタマの中 』20261月16日号の一部抜粋です。このほか、「今週のメインコラム 「国際法」とは何か、「国際機関」とは何か」「読者の質問に答えます!」など、レギュラーコーナーも充実。この機会にぜひご登録をご検討ください)
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