イーロン・マスクはどこへ消えた?トランプに成り代わりアメリカ再構築のため手腕を発揮した“切り込み隊長”の行方

Paris,,France,-,Nov,6,,2024:,A,Smartphone,Displays,A
 

トランプ大統領の下で政府効率化省を率い、連邦政府の「ムダ」削減に手腕を振るったイーロン・マスク氏。しかしながらその手法が賛否両論を呼んだこともあってか、来年7月4日までの任期を前に政治の表舞台から姿を消す形となっています。今回のメルマガ『『グーグル日本法人元社長 辻野晃一郎のアタマの中』~時代の本質を知る力を身につけよう~』では『グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた』等の著作で知られる辻野晃一郎さんが、そんなマスク氏の最新の話題を紹介。「太陽系への人類の拡散」という自身の野望に着々と近づく同氏の確実な歩みに興味を示しています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:イーロン・マスク氏のその後

プロフィール辻野晃一郎つじの・こういちろう
福岡県生まれ新潟県育ち。84年に慶応義塾大学大学院工学研究科を修了しソニーに入社。88年にカリフォルニア工科大学大学院電気工学科を修了。VAIO、デジタルTV、ホームビデオ、パーソナルオーディオ等の事業責任者やカンパニープレジデントを歴任した後、2006年3月にソニーを退社。翌年、グーグルに入社し、グーグル日本法人代表取締役社長を務める。2010年4月にグーグルを退社しアレックス株式会社を創業。現在、同社代表取締役社長。また、2022年6月よりSMBC日興証券社外取締役。

トランプ政権から実質的に離脱。イーロン・マスク氏の気になるその後

トランプ2.0政権において、政府効率化省(Department of Government Efficiency、DOGE)のトップとして、連邦政府のリストラに大ナタを振るったイーロン・マスク氏ですが、発足から100日を迎えた段階で「潮時」と判断したのか、政権の手伝いはトーンダウンし、本業であるテスラ社やスペースX社の経営に軸足を戻しています。

【関連動画】Elon Musk receives applause from Cabinet as he begins planned departure from DOGE role

DOGEはもともと、米国の建国250周年にあたる来年7月4日(独立記念日)までに任務を完了し解散するという期間限定のイレギュラーな組織として発足しました。しかし、マスク氏の過激で急進的な手法に対し、リストラされた連邦政府職員はもちろん、一般国民や国際社会からも反発が強まり、テスラ社の施設への破壊行為や放火などが相次いでいます。トランプ大統領としては、反マスク運動が反トランプ運動に波及するリスクを懸念し、早目に手を打ったというところでしょう。

個人的には、マスク氏にはもうしばらくDOGEを続けてもらって、リストラを進めると共に連邦政府の不透明な資金の流れを徹底解明するところまで踏み込んで欲しかったので、中途半端な形で終わってしまうのは大変残念に思います。

彼のやり方や考え方に対する賛否は分かれるところでしょうが、トランプ氏に成り代わってこのような切り込み隊長としての大胆な役割を担えるのは、後にも先にもマスク氏をおいて他には考えられません。自分の事業や資産を犠牲にしてでもこの役割を引き受けたマスク氏には、米国を再構築する上での強い使命感があったことは疑いのないところです。

この記事の著者・辻野晃一郎さんのメルマガ

登録はコチラ

print
いま読まれてます

  • イーロン・マスクはどこへ消えた?トランプに成り代わりアメリカ再構築のため手腕を発揮した“切り込み隊長”の行方
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け