私自身はこの地獄を何度も味わった。
あるお客様とのこと。
初回面談から着座をして3時間以上話をした。
その時は「これだけ真剣に考えてくれているなら契約になるぞ」とワクワクしていた。
もちろん次のアポも取れる。
いい感じで進んでいた。
しかし、打ち合わせを重ねるたびに要望が増えていく。
「やっぱりここを変えてほしい」
「この仕様ではなく、もっとコスパのいいものして」
「他社ではこんな提案をしてもらった」
プランを何度も作り直した。
見積もりも5回以上出した。
気がつけば商談は3ヵ月以上長引いたのだ。
最終的には契約になった。
おそらく他社の営業スタッフも嫌気がさしたのだろう。
しかも、かなりの値引きをして無理矢理決めた感じだった。
これでおさまればまだいい。
この手のお客様はこれからが地獄。
建物の仕様を決めるのに普通のお客様の3倍は時間がかかった。
当然だが、工事が始まると問題が頻発する。
「図面と少し違う気がする」
「思っている色と違う」
「こうなるとは聞いていない」
などなど。
現場に何度も呼び出された。
契約から引き渡しまでの数ヶ月間、
このお客様だけで私の時間のほとんどが埋まってしまった。
後から振り返ると、その間に別のお客様を3組ほど失っていた。
対応が遅れ、他社に取られてしまったのだ。
つくづく「あのお客様に時間をかけなければ」と後悔したもの。
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