「女性の共感」を得るどころか批判の声が上がった首相の答弁
オンラインでのG7首脳会議は2023年に2回、24年に4回、25年に1回開かれている。当時首相だった岸田文雄、石破茂両氏はもちろん参加した。
今回は英国のバーナム首相が実父の葬儀というやむを得ない理由で欠席したが、トランプ大統領を含む5か国のトップが出席した。「世界の真ん中で咲き誇る日本外交」を標榜する高市首相としては決して軽んじることのできない会議のはずである。リーダーシップという観点からは不可解な欠席というほかない。
超多忙な総理大臣が限られた時間をどう使うかは重要な課題である。かねてから高市首相は睡眠時間を削ってまで国会答弁の準備にあてているとアピールしてきた。野党が求める予算委員会への出席を大幅に削減したいという思いが強い。
その意を受けてかどうか、10月14日の衆院予算委員会で、連立を組む日本維新の会の藤田文武共同代表は、首相の国会出席の時間が多すぎると指摘し、国会改革の必要性を訴えた。そのさい、参考資料として取り上げたのが、元自民党衆院議員の小倉将信氏が所長を務める民間シンクタンク・NXJIリサーチのレポート「総理の時間の使い方」だ。
レポートは、総理が年2,000件をこえる面会をこなし、必須でない面会にも時間が消費されているうえ、年約200日におよぶ国会出席を余儀なくされていることに言及。予算委員会など各委員会への総理出席は原則不要とし、総理答弁を党首討論に集約するべしと提言している。
藤田氏は「首相がここまで国会に出席して長時間拘束される現状は、国際的に見ても普通ではない」と首相に見解を求めた。以下はそれに対する高市首相の答弁だ。
1年近く内閣総理大臣をつとめて感じたのは、わが国の向かうべき方向性を腰を据えて戦略的に考える時間を取るのは簡単じゃないということ。私の場合、山のように書類を持って帰って夜中に読んでいる。それから女性総理であるということに、秘書官たちも慣れてくれなくて、テレビ入りの時にちょっとだけ化粧をする時間もとられていなかった。家に帰ったらクレンジングで落としたり、朝は入浴をし、朝食の支度をし、後片付けをし、お化粧もし、男性総理よりは3~4時間余分に使っているかもしらんなという気がします。
あたかも「女性だから」と言いたげなこの発言は、女性の共感を得るどころか、むしろ「女性が日々工夫して社会進出してきた努力を否定しかねない」「初の女性総理が後続の足を引っ張るようなジェンダーバイアス発言」などと女性識者の間から批判の声が上がっている。男女にかかわらず、国のリーダーとしての自覚を持ってほしいからだろう。
多忙な中で家事や身支度に時間を要するのは多くの働く人々の現実だが、一国のリーダーが国家意思決定の場で時間不足の言い訳として提示すべき内容だろうか。問題はそこではない。
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