通勤電車の中でデザインスキルをあげる方法とは?
さて、今回は「通勤電車の中でデザインスキルをあげる方法」という少し変わったテーマで書かせてもらいます。
今回は少し短めにさくっと書かせてもらいました。ちょっと息抜きの気持ちで、読んで頂けたらと思います。
Photoshopもスケッチブックもいらない、ゲーム感覚で出来る、スキルアップ法です。良ければ是非試してみて下さい。
この方法は別名「コンセプト探しゲーム」という名で、家から会社まで電車やバスで通われてる方は、その間にデザインの勉強が出来るはずです。毎日やってるとそれなりに効果がありますよ。
僕は埼玉から東京の方まで通ってるのですが、なんだかんだで1時間20分くらいかかります。その間、京浜東北線の車中や駅の中で、時々このゲームをやってます。
僕の場合は気がつくとこの遊びをやっている事が多く、ほとんど無意識にやってる感じですが、『これはもしかしたら意識的にやると知らず知らずのうちにデザインの勉強になるかもしれない』と今更ながらに気がついたので、今回メルマガで皆さんに、お伝えさせてもらいます。
自分で問いかけてみて自分で答えてみる
さて、では電車の中で一体何をするのでしょうか? 電車の中の吊り広告を使います(壁にはってあるやつも含みます)。今日、僕が使ったのは『プレミアムモルツ』の広告ポスターです。
『プレミアムモルツ』の広告は、矢沢永吉さんや竹内結子さんががプレミアムモルツを美味しそうに飲み干す、とてもシンプルなものです。
しかしこの広告、ひとつ異様な?(斬新な)ところがあります。プレミアムモルツのビールだけ金色のカラーで、それ以外、人物から背景まで、全部白黒なんですね。
あなたがこの「コンセプト探しゲーム」でやることは、この印象的な広告ポスターが『何故このデザインとなったのか?』、作り手の気持ちになって考えてみる事です。自分で問いかけてみて自分で答えてみるのです。
『何故この広告のレイアウトはどシンプルなの?』
『→変わった配色(白黒と金色の組み合わせ)を際立たせるため?
あえてレイアウトはシンプルにしたため?』
『何故ビールだけ金色なの?』
『→プレミム感を演出するため?』
『何故ビール以外画面全部が白黒?』
『→ビールの金色を目立たせる為なのはもちろんなのと、画面から軽さをなくすため?』
『→ある種の重々しさを連想させるため?』
『→重々しさというより格式、それはやはり普通のビールよりも高いということで必要な要素?』
とか、、とにかく何回も色んな角度から自分に質問しながら、自分で答えていくのです。仮説をたてていく!と言ってもよいかもしれません。
つまりは自分で『この広告のコンセプトは何か?』『そのコンセプトだからこのデザインにしたはずだ』とか、どんどんコンセプトを探るのです。
もっと言えば『その広告が狙ってるのは何か?』『見る人をどこへ連れて行こうとしているか?』等探っていってください。
これが「コンセプト探しゲーム」の全容です。
デザインには全て理由がある
できれば、こうして思いついた事を紙に書き出して、考えただけではなく、紙に残して後で見返してみる事をおススメします。
前にこのメルマガでも書きましたが、デザインには全て理由があります。また『理由があるからこそデザインである』とも言えるのです。
そして、一番大きな理由はコンセプトと深く関わっています。デザインをする上でコンセプトをたてることはとても重要ですしこれを意識していなければ、どれだけビジュアル的に凄いものを作ったとしても意味がありません。(アートではないのですから)
ですから良くデザイナーの採用面接で、面接官の人が『何でこういうデザインにしたんですか?』と聞く事があると思います。
ただなんとなく聞いてる訳では決してなく、『きちんと自分なりにコンセプトを考えて、こうだから、こういう理由でこのデザインにしました』と言えるくらいにデザイナーの中で整理が出来ているのか?理由づけられてるか?それを面接官は探ってる訳です。
ですからもちろん『何となく』とは答えてはいけません。(面接会場、一発退場の恐れがあります^^いやホントです)
デザイン教材を無料で見つける事は簡単だ
この「コンセプト探しゲーム」は大抵の電車の中吊り広告で、ジャンルを問わずに出来ます。
ただ、週刊誌の中吊り広告は、目的はとにかく「部数をのばしたい」って事で、完結してしまいそうなので、無理かもしれません。(逆に週刊誌の中吊り広告は「見出し発見ゲーム」というのを出来そうですけど、、、これについてはまた今度ご説明します)
会社へ行くまでの数分でも、実は巷の広告ポスターが先生となって実に多くの事を教えてくれます。あなたが本気でデザインを勉強したいのであればデザイン教材を無料で見つける事は簡単でしょう。
この前も後輩のデザイナーと電車で移動する間、中吊り広告を見ながら「ゴシック体と明朝体の使い方」について、「金麦」と「ぐい生」の中吊り広告を比較しながら、すっかり説明してしまいました。
デザインの基礎がわかってくると、色々なデザインの狙いや作り方の謎が解けてきて、とても面白いです。
「家まで30分であなたのデザインスキルを飛躍的にアップする方法」(中吊り広告デザインドリル)なんて教材も簡単にできそうですね。
自分のデザイン脳を強化するために、「コンセプト探しゲーム」というこの方法、ゲームとしてでも良いので是非一度試してみてください。
Information:
『プロが教える『美大いらずのデザイン講座』』
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