トラブルが起こった際、自分としては誠心誠意、しかも丁寧に謝っているつもりなのに、相手の怒りは増すばかり…。こんな状況に陥ることが多いという方、それはもしかしたら自分自身に問題があるかも知れません。今回の無料メルマガ『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』では著者の佐藤しょ~おんさんが、謝罪する前に理解すべき3つのポイントを解説。まずは相手が立腹している理由を探るべしとしています。
謝罪したのにもっと怒られる人
腰が低く、丁寧な対応をする人なのに、やたら叱られる人っているんですよ。しかも特定の人に叱られるのではなく、社内、部内の人に万遍なく叱られるというか、ディスられるというか、バカにされちゃう人をたまに見かけます。
私は人を観察することには、人後に落ちないところがあるので、そういう奇特な人を見つけると、
● どうしてこの人は、みんなにこういう対応をされるのかな?
と、その理由を知りたくなるんです。
サラリーマンの頃に何度かそういう人を見掛けて、その都度注意してあげたものですが、こういう人ってすぐに謝るんですよ。相手が不機嫌になったと感じたら、とにかく先に、
■ 申し訳ありませんでした!
って謝っちゃうの。しかも謝り方がバカ丁寧なんですよね。
実はこれが相手の怒りを増やすのですが、本人はそこに気付いていません。すぐに、すかさず謝っているのに、謝れば謝るほど、なぜか相手の怒りが強く、深くなって行き、謝っている方がパニックになるんです。そこで出て来る対応が、更に深く、丁寧に謝るということになるんですが、ここでの謝罪は全く意味を為していません。ポイントはそこじゃないのに、いつまでも謝り続けるから、
■ あの人って何も分かっていないよね
と思われて、それが理由で陰でディスられたり、バカにされたりするんです。
無条件に、反射的に謝罪しても意味がないの。というか、これは自分のバカさ加減を露呈することにしかならないの。
試しにそういう人に、
● 自分のどこに問題があると思って謝っているんですか?
って訊いたら分かります。謝るということは、その裏に謝るべき事象が存在しているはずで、その事象はあなたに責任があったということなんですよね。だからあなたが謝ったんでしょ。ですから、それは何だったのですか?と訊くと、たいていの場合モゴモゴと口籠もってしまい、
■ あの人が怒っているから、まずは謝らなきゃと思って…
って答えるんですね。ここが最大の問題なんです。
何に対して謝らなきゃならないのか?のピントがズレた状態で、いくら丁寧に、深く頭を下げても、相手の怒りは減らないんですよ。クレーム客で謝っても許してもらえないというケースは、このパターンが多いんです。
謝罪するというのは、実は高度な認知が必要で、
▼ 状況の理解
▼ 事が起こった時系列の理解
▼ 責任の所在についての理解
が前提にあって、その上で、自らの責任範囲に於ける至らぬ点と、相手の怒りの原因が一致している時にだけ有効な行為なんです。このどこかがズレていたら、
● オレはそんなことで怒っているんじゃないんだよ!
となって、火に油を注ぐことになります。
簡単に謝っちゃう人って、この部分の理解のプロセスを飛ばして、
■ とにかく頭を下げれば許してもらえるだろう
って考えるんです。あのね、謝る前に、怒りのポイント、原因を理解してその気持ちを共有するのが先なの。どうしてこの人は怒っているのか、その原因に自分がどう関わっているのかを「正しく」理解して、相手に
● あなたが怒っている理由はこれですよね
と分からせるプロセスが必要なんです。怒りという感情は、自分の考えていることを理解してくれないところからスタートするのです。ですから、
● 私はあなたのことを正しく理解していますよ
と相手に分からせなきゃならないんです。謝るのはその後なの。
だから謝ったのに相手の怒りを増やしてしまう人というのは、相手を観察して、理解する能力が無い人だということになり、それが故にディスられたり、バカにされたりするんです。
相手が怒った→すぐに謝る、という条件反射的行為は止めて、
● ん?なんでこの人は怒っているのかな?
と考えるプロセスを立ち上げなきゃならないんですよ。
image by: Shutterstock.com