接客のプロが「よろしかったでしょうか?」論争に終止符。結論は

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ファミレスやコンビニの店員さんが多用するとされる、「よろしかったでしょうか」をはじめとしたいわゆる「ファミコン言葉」。気になる派と気にしない派の数も拮抗していると言っても過言ではありませんが、はたしてこの言葉、使っても許されるものなのでしょうか。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』で、接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが考察しています。

柔軟に変えるために

「こちらは〇〇になります」
「よろしかったでしょうか?」
「~のほうは〇〇です」

接客の基礎的な話ではありますが、上記したような言葉は「ファミコン言葉」と呼ばれるような間違った敬語と言われます。「ファミコン」とは、ファミレスやコンビニなどで、アルバイトの方が増えた時代に、敬語っぽく言おうとして間違った敬語が使われ出したことから来ているそうです。

「~になります(成ります)」という言葉は、「AからBに成る」などのように変化を表す言葉ですから、変化しないものに対して使うのは違和感があります。

「よろしかったでしょうか?」は、過去形になっているのですが、すでに起こった事象を確認していることになるので、これもおかしいとされます。

「~のほう(方)」は、方角や方向を示す言葉ですから、そうでない場合に使うのはやっぱりおかしいということなんですね。

これらの言葉がおかしな敬語だとわかっているとして、問題はそこからです。おかしな敬語は果たして間違いなのかという部分を考える必要があるからです。

確かに、敬語表現としてだけ見れば、間違いなのでしょう。しかし、実際にこうした言葉を使う時には、必ずお客様という相手が存在します。その相手が特に違和感を抱かなければ、例え誤った表現だとしても、間違いだとは言い切れないのではないでしょうか。

方言などもそうなのですが、相手がおかしいと思わないとしたら、極端な話、どんな言葉を使ったとしても、問題はないように思います。女子高生相手にあまりに敬語を使いすぎても、それは逆に違和感を抱かせてしまう恐れがありますよね。だから、相手に合わせた言葉を使えるのが理想的だとは思うのです。

ただ、さらに考えていくと、別のことも見えてきます。それは、「違和感を抱く人がいるなら避けるべき」という考え方です。冒頭で書いたようなファミコン言葉は、気にしない人もたくさんいますが、気にするという人もたくさんいます。接客業という仕事は多くのお客様を相手にする仕事ですから、その中に一人でも気にされるお客様がいれば、そこで使っている言葉は不適切と言えるでしょう。

だとしたら、最初は基本に忠実な言葉でいて、相手を見ながら表現を変えていけるくらいの柔軟さがあるのがベターだと感じます。そうするためには、やはり基本的なことがしっかりできていないといけないということなのです。

相手に合わせるために基本をしっかりする。

その感覚を持つことで、より多くのお客様を相手にできる柔軟さが手に入ります。

今日の質問です。

  • 接客で基本だと言えることは何ですか?言葉や所作など、考えてみましょう。
  • それらを相手に合わせて柔軟に変えるには、どんな基礎知識と応用知識が必要ですか?

image by: Shutterstock.com

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【著者】 坂本りゅういち 【発行周期】 日刊

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