北朝鮮で「ホラ吹き防止法」が制定されました。この法令は、虚偽が増えている農業関連だけでなく、経済や社会全般にも適用されるといいます。この詳しい内容について韓国在住歴30年を超える日本人著者が発行するメルマガ『 キムチパワー 』が解説しています。
ホラ吹き防止法
北朝鮮で農業関連の「虚偽報告」を処罰するために新たに制定された「ほら吹き(=ホプン)防止法」が農業分野はもちろん非常防疫、人材養成、災害防止、民間防衛事業など全社会的な分野に適用される法であることが12日、初めて確認された。
「ニュース1」が入手した北朝鮮の「ほら吹き防止法」の全文によると、同法は第1章「ほら吹き防止法」の基本、第2章=経済計算でのほら吹き防止、第3章=農業生産でのほら吹き防止、第4章=社会全般でのほら吹き防止などで構成されている。
これによれば「法の使命」は「全国的、全社会的に虚勢を張る現象(つまりほらを吹いたり嘘をついたり)との戦いを強力に推し進め、国家の政策を正確に執行し人民の利益を保護するのに貢献するため」と明示されている。
「ホラの定義」は「公明心と利己心、責任回避といった古い思想にどっぷりとつかり、自分の部門、単位(家族あるいは隣組のようなものをいっているのであろう)の実態を虚偽で報告し、国家の政策執行と人民生活に厳重な害毒的な影響を及ぼす反国家的、反民族的行為」と規定されている。
これまでは、ほら吹き防止法は「食糧難」にともなう穀物生産、すなわち農業と関連した数値を虚偽報告したり糧穀流通過程で収穫量の不正搾取や縮小報告などを防ぐために制定されたとされていた。
しかし実際には農業を含めた経済はもちろん、社会全般の各分野に幅広く適用される法としてこの度新しく制定された。経済計算はもちろん統計部分、非常防疫、科学技術人材養成、民間防衛事業、生産文化、生活文化、災害防止、国家表彰など多様な分野に適用される法条項が含まれただけに、社会全般的に蔓延した「死角地帯」を根絶するために制定されたものと見られる。
特に同法には「統計数字の科学性と公正性を保障しなければならない」という内容も明示されているが、これは執権後から着実に統計化・数値化・科学化などの過程を通じて透明かつ合理的に国政を運営しようという金正恩の意志が盛り込まれたものと解釈される。








