日経平均が高すぎるという話が出ていますが、1株利益とPERを見ると日本株の割安感は強まっています。このままワクチン接種が進めば、日経平均が4万円になっても不思議ではありません。(『証券アナリスト武田甲州の株式講座プライム』)
急上昇する日経平均の1株利益
日経平均の1株利益が足元で急上昇してきています。5月28日の値は2,062.94円と、過去最高水準です。
日付 日経平均株価終値(1株利益)
2021/3/31:2万9,178.80(1,288.25円)
2021/4/30:2万8,812.63(1,411.00円)
2021/5/28:2万9,149.41(2,062.94円)
その一方、株価はそれほど上がってはいません。週末の5月28日に日経平均株価は600円も上がりましたが、それでも3月末よりも安いのです。
PERは急低下
日経平均のPERは急低下しています。
2021年3月末;22.65倍
2021年4月末:20.42倍
2021年5月28日:14.13倍
ということで日本株の割安感が強まっています。
それなのになかなか株価が上がらないのはなぜか?理由は簡単です。
Next: ワクチン接種が進めば、日経平均が4万円になっても不思議ではない?
ワクチン接種が進めば、日経平均が4万円になっても不思議ではない
日本は残念なことに「ワクチン敗戦国」となっており、ワクチン接種率が非常に低いことが株価を抑えてきました。
欧米のワクチン先進国では、社会の正常化を推し進め、海外旅行も解禁されつつあります。日本も遅ればせながら“ワクチンこそコロナ対策の柱”ということが理解され、接種拡大に向けて「あの手この手」というようになってきました。
この流れに株価が反応し始めました。航空株やその周辺の銘柄が動き始め、トヨタや日立に大規模な投資資金が流入し、5月28日の両社の株価は過去最高値です。
日経平均の予想1株利益は過去最高の2,062円。これを基準に考えますと、PER15倍で3万930円、同じく18倍で3万7,110円、また20倍では4万1,240円です。
PERは4月末でも20倍を超えていたわけですから、日経平均株価が4万円になっても不思議ではありません。
4万円で驚くことはありません。米国のNYダウは30年で10倍以上になっています。
ですから、日経平均株価が3万円を大きく超えても驚くことはありません。それぐらいの力が日本企業についてきたと思います。
『証券アナリスト武田甲州の株式講座プライム』(2021年5月30日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による