マネーボイス メニュー

ゴルバチョフも消え、そして誰も居なくなる…プーチン周辺で起きる奇々怪々な非業の死=山崎和邦

少年時代からスパイに憧れ、KGBの工作員として活動していたプーチン。邪魔者は暗殺することに躊躇はしない。ソ連崩壊の立役者は4人のうち3人が、ウクライナ侵攻以降に短期間で死亡している。最後に亡くなったのはゴルバチョフだが、これまでのプーチンの所業の数々を見てみると、ゴルバチョフの死にも関わっているのではないだろうか?(「週報『投機の流儀』」山崎和邦)

※本記事は有料メルマガ『山崎和邦 週報『投機の流儀』』2022年10月16日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。

プロフィール:山崎和邦(やまざき かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴61年、前半は野村証券で投資家の資金を運用する「セルサイド」、後半は自己資金で金融運用する「バイサイド」、晩年は現役研究者と、3つの立場で語ることを信条とする。2022年85歳で国際コミュニケーション学博士号を取得。

プーチンの狡賢さがよくわかる逸話

ウラジミール・プーチンは国際法を全て始めから無視してかかる男だ。筆者は2003年夏からプーチンの動向に注目していたが、その数年後にはっきりとそれを知った。

筆者は北海道の苫小牧駒澤大学の教師として、夏の一週間の集中講義方式で、1年分の講義を行うことが3回あった。その時に、茨城県大洗の港から自分の車を苫小牧まで船で運んで直行し、苫小牧大学から車で15分の白老温泉で3週間泊まって、1週間は大学の仕事だったが、あとの2週間は北海道一周というのを3年やった。

その3年目は西側回りで北海道の最北端まで行き、事前にビザを用意しておいたから、そこから船でロシア領のサハリンに行ったが、その船の中でスーツを着た日本人が20~30人にいた。どこの人々か訊くと三菱商事と三井物産と東京ガスの人々だった。

そこで「サハリン2」のプロジェクトの立ち上げが始まったと肌で感じた。その「サハリン2」の完成と同時に、プーチンはそれを無償で接収して、自国で新会社を作ってそこへ移してしまった。

すると三井物産と三菱商事がオルガナイザーとして出資してきた「サハリン2」会社への出資がどうなるのか、それを問いただそうともせずに、大統領の国際法無視の無償接収を、人の良い日本は容認した。無論、二社の商社には抜かりはない。エネルギー安保上で新会社に参加されたいと言わせた後に、出資をちゃんと決めている。

そして誰も居なくなる…ウラジミール・プーチンの奇々怪々

1991年にソ連崩壊を決定付けた立役者は4人いたが、最後の一人が9月1日に死亡したゴルバチョフであった。ロシアのウクライナ侵攻以降に、4人の立役者のうちの3人が短期間で死亡した。筆者は陰謀論に与するわけではないが、大統領のプーチンは、少年時代からスパイになることに憧れ、そのためにKGBに就職して、工作員としても活動し、東ドイツ崩壊の時には、そこに駐在していたので、大いに挫折感を覚えたはずだ。彼は、何十人か何百人かを毒殺し、暗殺しているはずだ。

そして或るロシア通から聞いた話しだが、毒殺した死体を後で解剖しても毒が検出されない毒薬を、KGBは開発しているという。このソ連崩壊に関わった3人の死が、何らかの意図に基づくものではなかったかと、プーチンを見てきた者は当然、疑う。

ウクライナの残虐行為やロシアの失敗が明らかになった時期に、3人が立て続けに死亡した。これは統計的に極めて不自然である。こういうことを言うジャーナリストは、また毒殺される。筆者のような極東の日本の一市民が言うから、毒殺されないで済んでいるだけの話だ。

ロシアのエネルギー業界の富豪も謎の死を遂げた。不審死したロシア財界の大物は6~7人になるはずだ。天然ガス大手の副会長が別荘で家族もろとも遺体で見つかったとか、原油ガス事業の大富豪が自宅において首吊り死体で発見されたとか、その3日前に、もう一人のガス会社の幹部が、国内で不審死している。もう一人は儀式中に心不全で突然死したという。

また、財界の大物が、病院の窓から飛び降り自殺したこともあった。飛び降り自殺した男はウクライナ侵攻に対して、反対を表明したロシア企業のトップである。相次ぐ不審死・自殺は、エネルギー業界の人間が、秘密作戦の金融面に関する情報をリークしている疑いがあるからではないだろうか。

マフィアと同様に、沈黙の掟を裏切った途端に毒殺される。解剖しても毒は検出されない。あるいは首つり自殺する、あるいは家族全員で不審死する。謀略と暗殺を専門とする工作員として、KGBで訓練受けてきた男が大統領である。ロシアではジャーナリストは何十人か何百人かが暗殺されている。こういう国を信用することはできない。

Next: 500mの津波で米国全土を破壊する“ポセイドン”は存在するのか?



500mの津波を起こし米国全土破壊

500mの高さの津波を起こすことができ、500kmに渡って破壊するという核兵器を積んだ巨大魚雷「ポセイドン」は、2,000mの深海を潜航するから、事前に捉えることもできない。NY近郊で捉えたとしても、NYが津波に襲われ、500kmが津波に襲われるというから、ボストンもワシントンもシカゴも、津波に攫われる。アメリカが消滅する。プーチンがアメリカ3億人を人質にとって、自分も失脚するだろうから、ともに「無理心中する」という脅かしかもしれない。

プーチンは謀略・毒殺・暗殺だけではなく、情報を捜査して、偽情報を流すこともKGB時代に特訓を受けてきた。「ポセイドン」なる巨大魚雷は実は存在しないのだという説は、ロシア通から聞いた。

ただし、局部的被害を与える小型核兵器(戦術核と言われている)は実際には使用したら、プーチンは失脚する可能性があるから使用はしないけれども、実験はする可能性があると思う。

プーチン政権下でルーブルは大下落

筆者は自分の恥をさらすような失敗だったが、プーチンが大統領に就任した時に、1ロシアルーブル5円で国債を買った。そして3円で投げた。今は2円前後だが、1円割れまで下がった。

その投げは正解ではあったが、1ルーブル5円で買った時の筆者の読みは、プーチンは他国には嫌われても、自国には有利になる経済政策を取るはずだと観たからだ。他人に嫌われても、自分だけが金持ちになるという人間が個人としてもいるように、プーチンはそういう大統統ではなないだろうかと思った。

したがって、ロシアルーブルは強くなると筆者は勝手に考えたが、この考えは甘かった。プーチン就任以来、5円強を超えるルーブル為替相場は、筆者が買った時以外にないのではないかと思う(3.5円で投げてしまって、1円未満まで下がるのは見ていたが、詳しく調べたわけではないから、5円以上のルーブルはなかったと断言はできないが、多分筆者が買ったところが最高値だったと思う)。

財界の大物を次々と毒殺する。ジャーナリストを次々と毒殺や不審死させる。こういうことを証拠も残さずに繰り返すプーチン、「サハリン2」は自然環境を破壊するからとて無償で取り上げるプーチン、こういう男は有能であるほど恐るべき男ということになる。

Next: 追いつめられたプーチンは核兵器を使うのか?



追いつめられたプーチンは核兵器を使うのか?

プーチンは岐路に立っていると見た方が良いだろう。強気なポーズを取り続けてはいるが、内心は暗殺とクーデターの恐怖に怯えた毎日であろう。自分で何十人も何百人も暗殺毒殺してきたのだから、暗殺を防ぐ方法については、世界中で誰よりも長けているはずだ。クーデターなどの身内の反乱による政権崩壊もないことではない。

核兵器は「使うべき軍事力ではなく、抑止力として持つべきものだ」ということも、プーチンも 百も承知しているはずだ。したがって「戦術核兵器と称する小型核兵器を近日中に使う、その準備をしている」というのは浅薄な見方であって、プーチンは核兵器を実際に使用することはないと思う。ただし、核実験をすることによって、国際社会の反応を探ることはするであろう。プーチンが核実験をする可能性はある。ただし、それは国際社会の反応を探るためであって、直ちに核兵器を使うということではない。

プーチンは、謀略や暗殺を専門とするKGBに、名門大学を卒業してからすぐに就職して、東ドイツに配置されて、そこで東ドイツ崩壊を目の前で見た。その後、タクシー運転手などをやって苦労したが、KGB出身であることを認められて、旧レニングラードの副市長に就いた。

そこが政権への入り口となったのであるが、暗殺毒殺・事故死に見せた財閥の暗殺はお手の物で、その専門部署にいた。彼は工作員として東ドイツに派遣されていたのであった。そんなプーチンだからこそ、裏表を全て知っているはずだ。簡単に核兵器を使えば、どういうことになるかも承知しているはずだ。近日中に核兵器を使うという説があるが、筆者は、それはないと思う。

妙な言い方ではあるが、プーチンが戦術核兵器を使ったならば、それは一つの投資のチャンスであろう。その時に急落したら、それは20年3月15日号で述べた「100年兵を養うは一日これを用いんがため」の時のチャンスではないだろうかと思う。今からそのつもりで市場に接していなければ、その時にまた遅れる。

ゴルバチョフが世界に遺したもの

1991年のレーガン対ゴルバチョフのマルタ共和国における会談で、旧ソ連は消滅した。そして傘下にある14ヶ国が解放されて、共和国として独立した。当時54歳のゴルバチョフは「情報公開」と「改革」を成し遂げた。その結果、混乱を招いたことは事実だ。改革はペロストロイカと呼ばれ、情報公開はグラスノスチと呼ばれて、世界中で標準語になった。

ゴルバチョフはソ連の外交政策を大きく転換させた。アメリカとの軍縮合意を結んだ。アフガニスタンからの撤退も決めた。ソ連が崩壊する前々年に東ドイツ(ソ連の一部だった)の議会で、彼は演説した。「社会のあり方はその国の人々が決めるべきだ。そして社会のあり方は多様であるべきだ」として多様性の受容・容認を叫んだ。

ベルリンの壁を壊したのは大砲でもミサイルでもない。東ドイツ国民の一人一人がハンマーで壊したのだ。それは西側から入った情報であり、ゴルバチョフの叫びが原因でもあった。つまり、「情報公開と改革」がベルリンの壁を突き破った。

筆者はその直後にドイツに行き、敢えて旧東ドイツのホテルに泊まり、翌日に西ドイツのホテルに泊まった。雲泥の差だった。西ドイツのタクシーは全部がベンツだった。それに対して、わずか数キロしか離れていない旧東ドイツのホテルは、ミシュランの格付けによれば二つ星も怪しい。筆者はハンマーで破壊された「ベルリンの壁」の一部分を一つの「自由への道」のお守りとして、100円位で買ってきた。

45年続いた冷戦を終わらせ、ヨーロッパの1億人の人間を解放し、14ヶ国の旧ソ連構成国の1億5000万人に独立をもたらした。これはゴルバチョフに他ならない。

筆者がレニングラード(旧ソ連崩壊後はサンクトペテルブルグ)とモスクワに行った時に頼んだガイドは、モスクワ大学(日本で言えば東大)のアジア諸国学部出身のイワンという好青年だった。小学生の時にロシア大使館に駐在しているKGB職員の父親と一緒に日本に住んでいたというので、日本語が達者だった。

彼はゴルバチョフのことを全く評価していなかったし、スターリンが最高の指導者だと言っていた。同胞を 何千万人も射殺させたスターリンが優れた政治家であり、ソ連構成国の14ヶ国の1億5000万人に独立をもたらしたゴルバチョフが、最低の指導者だったというのは、これでは議論にならないので筆者は黙って聞いていた。

そのゴルバチョフの基本的な考え方をプーチンは次々と廃止していった。そして不都合な人物は暗殺していった──

続きはご購読ください。<残約15,000字>。

<山崎和邦の投機の流儀vol.541 10/16号>

第1部:当面の市況
(1)市況コメント
(2)日本市場に織り込まれていない短期的な材料は、NY大幅高or大幅安。
(3)ファンダメンタルを無視した為替市場の「相場操縦」の効き目は少ない。
(4)年末までの大まかな見方
(5)日本国内の中長期債、海外勢は8年半ぶりの最大の売り越し。
(6)日銀の景況感
(7)鉱工業生産の9月・10月の見通しは上方修正
(8)「QUICK投資家心理指数は4ヶ月連続で弱気」
(9)ファンダメンタルを無視した相場操縦だけでは、円安は止められない。
(10)「悪い円安論」「良い円安論」
(11)円は12日に146円台後半を付けて、9月22日の為替介入時よりも安値を付けた
(12)日米金利差という為替相場のファンダメンタル要素の落ち着き所
(13)進む円安で、外国人労働者が減った。
(14)米中間選挙、有権者の関心度においてコロナ問題は15位で最下位
(15)個人資金が海外投信へ2.4兆円弱の流入

■ 第2部:中長期の見方
(1)岸田政権の支持率急落は無理もない。
(2)「アベノミクス離れ」ができない岸田政権の衰退
(3)委縮しつつある日本
(4)衰退中の日本を救うのは、新機軸しかない。
(9)「次の株価暴落を乗り切る投資法」
(10)「米国株の逆金融相場は年末まで」「激変した株式サイクル」
(11)「資産形成支援と所得格差拡大の二律背反は、避けて通れない。
(12)東電株の行方    

※これらの項目は有料メルマガ購読者限定コンテンツです →いますぐ購読!

<定期購読ですぐ読める! 10月配信済みバックナンバー>

※2022年10月中に定期購読手続きを完了すると、以下の号がすぐに届きます。

2022年10月配信分
  • 山崎和邦の投機の流儀vol.541(10/16)
  • ★★★2022年10月分一覧 週報『投機の流儀』-PDF形式-(10/16)
  • 山崎和邦の投機の流儀vol.540(10/9)
  • ★★★2022年10月分一覧 週報『投機の流儀』-PDF形式-(10/9)
  • 山崎和邦の投機の流儀vol.539(10/2)
  • ★★★2022年10月分一覧 週報『投機の流儀』-PDF形式-(10/2)

いますぐ購読!


※本記事は有料メルマガ『山崎和邦 週報『投機の流儀』』2022年10月16日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に購読をどうぞ。

<こちらも必読! 月単位で購入できるバックナンバー>

※定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます。

2022年9月配信分
  • 山崎和邦の投機の流儀vol.538(9/25)
  • ★★★2022年9月分一覧 週報『投機の流儀』-PDF形式-(9/25)
  • 山崎和邦の投機の流儀vol.537(9/18)
  • ★★★2022年9月分一覧 週報『投機の流儀』-PDF形式-(9/18)
  • ★★★山崎和邦×武者陵司氏 9/27(火)19時 LIVE Webセミナー開催のお知らせ(9/15)
  • 山崎和邦の投機の流儀vol.536(9/11)
  • ★★★2022年9月分一覧 週報『投機の流儀』-PDF形式-(9/11)
  • 山崎和邦の投機の流儀vol.535(9/4)
  • ★★★2022年9月分一覧 週報『投機の流儀』-PDF形式-(9/4)

2022年9月のバックナンバーを購入する

【関連】会社員はやっぱり損?国民年金「月5万円」維持へ厚生年金で穴埋め、それでも今の高齢者を「ズルい」とは言えぬワケ=矢口新

【関連】NHKのバカ高い受信料の強制徴収はなぜ許されるのか?社員の平均給料1000万円、保有資産は1兆円、法人税も免除、政府とのズブズブ関係で肥え太るNHKの闇=神樹兵輔

image by:Gevorg Ghazaryan / Shutterstock.com

山崎和邦 週報『投機の流儀』』(2022年10月16日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

初月無料お試し購読OK!有料メルマガ好評配信中

山崎和邦 週報『投機の流儀』

[月額1,500円(税込) 毎週日曜日(年末年始を除く)]
大学院教授(金融論、日本経済特殊講義)は世を忍ぶ仮の姿。その実態は投資歴54年の現役投資家。前半は野村證券で投資家の資金運用。後半は、自己資金で金融資産を構築。さらに、現在は現役投資家、かつ「研究者」として大学院で講義。2007年7月24日「日本株は大天井」、2009年3月14日「買い方にとっては絶好のバーゲンセールになる」と予言。日経平均株価を18000円でピークと予想し、7000円で買い戻せと、見通すことができた秘密は? その答えは、このメルマガ「投機の流儀」を読めば分かります。

シェアランキング

編集部のオススメ記事

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MONEY VOICEの最新情報をお届けします。