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ピー・シー・エー、旧シリーズ製品リプレイス需要の減少により減収も、ストック収入のクラウドは前期比10.2%増

連結業績のポイント

佐藤文昭氏:みなさま、こんにちは。ピー・シー・エー株式会社代表取締役社長の佐藤でございます。当社の2023年3月期第2四半期の決算説明を始めます。まず、第2四半期の決算実績について、次に通期の見通しについてご説明します。

第2四半期の売上高です。私どもの旧主力製品である「PCA Xシリーズ」が前年末にサポート終了になった結果、前期は「PCA Xシリーズ」からのバージョンアップやリプレイスの特需がありました。今期はその需要が減少したことによって、売上高は前期比6.7パーセントの減収となりました。

一方、当社が近年力を入れているクラウド及び保守サービスの合計は、オンプレミス製品が減少したことによって相対的に上がり、ストック収入の売上構成が73.8パーセントと大変高い数値になりました。特需がないということは、私どもの実力値ということになります。ですので、実力値でストック収入の割合がここまで高くなったことは、私どもの戦略上、大変喜ばしいことだと思っています。

実際に、クラウド売上は前期比10.2パーセント増、保守売上は前期比2.5パーセント増となっています。

このクラウドのトピックとしては、9月末で導入社数1万9,853法人と、2万法人が目前となっています。近いうちに、2万法人突破のご報告をみなさまにできることを楽しみにしています。

2023年3月期 上期サマリー

上半期のサマリーです。売上高は、前期比6.7パーセント減の61億6,300万円となっています。この売上減少に加えて、今期は製品・サービスの強化に向けた製品開発投資に力を入れています。その結果、営業利益が大幅に減少し、8億4,700万円、経常利益は8億7,100万円となっています。

また、前期には投資有価証券売却益があったため、その特別利益分を差し引くと、当期純利益も前期比で大幅に減少しています。

種類別売上高推移

種類別の売上高の推移を前期と比較してご説明します。売上全体は前年同期比93.3パーセント、オンプレミス製品は前年同期比32.4パーセントと大幅に減少しています。しかし、その他の項目については軒並み成長を維持しており、総体で見ると、製品の売上減少ほどは全体の売上は減少していないと思っています。

また、今期は種類別の売上高におけるクラウドの算定方法を一部変更しました。そのようなこともあり、クラウドは前年同期比110.2パーセントとなっていますが、実績的に見ると、成長率はもっと高いと思っています。

上期連結売上高 前期比 増減内訳

種類ごとの売上高の前期比を個別に見ていくと、製品が11億6,100万円のマイナスとなっています。しかし、クラウドが2億6,400万円のプラス、ソリューション等が3億5,200万円のプラスとなったため、差し引きでは5億円ほどのマイナスにとどまっています。

上期連結営業利益 前期比 増減内訳

同様に、営業利益の前期比を見ていくと、売上高減少分が4億4,600万円となっています。経費として、その他の製造経費において開発投資を増やすため、外注費を約1.7億円増やし、最終的な利益は8億4,700万円となりました。

下期連結損益サマリー

下期連結損益サマリーです。下期の売上高は、前期の下期におけるバージョンアップの特需が少し落ち着いてきました。それでも製品の売上は下がっていますが、クラウド等の売上の増加で補っており、前期とほぼイーブンの売上を確保できました。

一方で、今期の基調である開発関連費用を積極的に投資しました。外注費が2億5,000万円、研究開発費が1億1,000万円、推進中の社内DXの費用も前期と比べて約1億円増加しています。

下期単独の最終的な利益は約2億5,000万円ですが、今後の成長を見越して使うべき経費はきちんと使うという計画で進んでいるため、予定どおり、このような進捗でいきたいと思っています。

下期連結売上高(計画) 前期比 増減内訳

売上高の前期比の増減内訳です。製品が4億円弱のマイナスとなっていますが、クラウドとソリューション等の増加があり、最終的にはイーブンと見ています。

下期連結営業利益(計画) 前期比 増減内訳

営業利益の前期比の増減内訳です。売上高は大きく変わりませんが、先ほどお伝えした外注費はその他の製造費用となっており、こちらの大幅な増加などによって、利益的には下がっています。

貸借対照表(連結/前期末比)

貸借対照表はスライドに記載しているとおりです。従来、前受収益としていた部分を今期からは契約負債としています。また、引き続き高い数値を確保しており、これが安定的な収益の確保につながっていると理解しています。

予想連結売上高 前期比 増減内訳

今期の通期の見通しです。こちらは期初の見通しを変更していないため、売上高は約129億円となっています。

2023年3月期 損益計画(連結/前年同期比)

損益計画です。営業利益や経常利益は約11億円で期初の計画のとおりです。今後のクラウドの成長に向けて、製品やサービスのラインナップをきちんと増やすために、開発力を強化するための投資を行っている部分が予想に反映されています。

予想連結営業利益 前期比 増減内訳

予想連結営業利益の前期比の増減内訳です。最終的に売上高が約4億5,000万円減少しますが、開発力の強化のためのメンテナンス費用や研究開発費用を合わせて、約7億円の投資を行います。「PCA Hub eDOC」をはじめとする製品やサービス力の強化に、きちんとお金をかけていこうと考えています。

【News Release】

今年のPCAグループのトピックスです。PCAグループは近年、就業管理システムの「クロノスPerformance」や、ストレスチェックなどを行い、メンタルヘルス分野に注力しているドリームホップなどの会社とHR分野を強化しています。

そして、ドリームホップが開発・販売している「メンタルヘルスプログラム ORIZIN(オリジン)」の復職支援サービスとして、鳥取県智頭町の森林セラピーを活用する連携協定を先ほど締結しました。

メンタルヘルス分野は近年大変注目されており、「健康経営をきちんと行っていかなければ企業の成長はない」と言われています。そのため、メンタルヘルス分野に注力し、「働く、が変わるとき。」のPCAグループとして、働く人たちに寄り添い、貢献していこうと思っています。

電帳法・インボイス制度対応 PCA Hub

近年では電帳法(電子帳簿保存法)、そして来年10月にスタートするインボイス制度にきちんと対応していきます。当社はこれまでも、制度の変更や改正にしっかりと対応し、お客さまの信頼を勝ち取ってきました。現在、電帳法やインボイス制度にもきちんと対応していく準備を進めています。既存の製品群についても、インボイス制度への対応を予定しています。

さらに基幹業務の周辺サービスにも力を入れ、2022年3月には「PCA Hubシリーズ」をリリースしました。中小企業や中堅企業における社内業務や企業間取引のペーパーレス化を推進し、日本社会のデジタル化を実現するための新サービスとなっています。

第1弾としてリリースした「PCA Hub eDOC」は企業内の重要な業務データやファイルを安全・安心に共有できるオンラインストレージサービスです。また、電子帳簿保存法にも対応しており、領収書や請求書などの証票保管にも利用できます。

当社は「PCA Hubシリーズ」を活用し、PCAクラウドと共に企業の成長に役立つサービスをこれからも展開していきたいと思っています。

AI-OCRオプション

「PCA Hubシリーズ」については、2022年11月下旬に「PCA Hub eDOC AI-OCRオプション」をリリースする予定です。このサービスを利用すると、お客さまが受領された請求書や領収書に記載されている取引先、金額、日付など税務上の項目を、AI-OCR機能で「PCA Hub eDOC」に自動で登録できます。また、登録されたデータを各種「PCA 会計シリーズ」と連携し、仕訳作成に利用できるため、経理担当者の入力業務を自動化することが可能となります。

取引明細 配信サービス

来春には「PCA Hub 取引明細」の配信サービスをリリース予定です。こちらは「PCA 商魂・商管シリーズ」「PCA hyper 会計シリーズ 債権管理オプション」と連携するサービスで、デジタルインボイスの発行には必須です。その他にも、PDFによる請求書等の配信にも対応した請求書の電子化サービスとなっています。

給与明細 Web配信サービス

同じく来年の春には「PCA Hub 給与明細」のWeb配信サービスもリリースする予定です。「PCA Hub 給与明細」を利用すると、「PCA 給与シリーズ」で計算した結果を取り込むことができ、従業員のみなさまにWebでの案内通知が可能となります。これによって、紙の郵送等のコストや作業を大幅に短縮でき、業務の負担を大幅に軽減できると考えています。

佐藤氏からのご挨拶

当社は、クラウドの成長や周辺サービスであるPCAシリーズの拡充によって、これからも成長していこうと考えています。また、企業のみなさまに寄り添い、「働く、が変わるとき。」を実践していきます。このようなPCAの戦略をみなさまにもぜひご理解いただき、これからもPCAの成長を見守っていただければと思います。本日はご清聴ありがとうございました。

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