今回は「日本の衰退を加速させてきた自民党に票を入れるのはもう止めませんか?」というテーマでお届けします。自民党政権が行ってきた悪政の数々を列挙すれば、その実体がアメリカによる日本支配を完遂する米国の傀儡(かいらい)政権にすぎない──ということがよくわかります。(『 神樹兵輔の衰退ニッポンの暗黒地図――政治・経済・社会・マネー・投資の闇をえぐる! 神樹兵輔の衰退ニッポンの暗黒地図――政治・経済・社会・マネー・投資の闇をえぐる! 』)
※本記事は有料メルマガ『神樹兵輔の衰退ニッポンの暗黒地図――政治・経済・社会・マネー・投資の闇をえぐる!』2023年8月14日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
投資コンサルタント&マネーアナリスト。富裕層向けに「海外投資懇話会」を主宰し、金融・為替・不動産投資情報を提供。著書に『眠れなくなるほど面白い 図解 経済の話』 『面白いほどよくわかる最新経済のしくみ』(日本文芸社)、『経済のカラクリ』 (祥伝社)、『見るだけでわかるピケティ超図解――21世紀の資本完全マスター』 (フォレスト出版)、『知らないとソンする! 価格と儲けのカラクリ』(高橋書店)など著書多数。
噴出する自民党への不満
今回は、「日本の衰退を加速させてきた自民党に票を入れるのはもう止めませんか?」というテーマでお届けします。
つい先般、自民党女性局所属の議員たち38名が、「海外研修」の名のもとにフランスを訪れました。
そして、女性局長の松川るい参院議員(52・元外交官)が、エッフェル塔の前でおどけたポーズをとった記念写真をSNSに載せてしまいました。
これがキッカケで、またたくうちに「税金の無駄遣い」やら「子連れ(子供2人同行)観光旅行」などと、国民からはさんざん叩かれています。
週刊誌の報道では3泊5日の旅程のうち、研修らしきものに充てられたのは、「たったの6時間だった」などと批判されましたが、ホントに6時間も研修があったのかよ!――といった突っ込みの声まで聞こえてきています。誰も信じていないのです。
これはもう、「研修」という名の「海外・大名・豪華・絢爛・慰安・物見遊山の観光旅行」といった趣旨が、すでに国民にはバレバレだったからでしょう。
それならば、もう開き直って、「そうです。研修という名の子連れ観光旅行でした」「皆さんの税金ももちろんたっぷり使わせていただきました」などと正直に答えたらよかったのかもしれませんが、そうなると次の選挙が危なくなるので必死に「弁解」に努めています。しかし、余計に墓穴を掘ることになりました。
参加した女性局長代理の今井絵理子参議院議員(39・SPEED元メンバー)は「無駄な外遊ではありません。旅費についても党の活動ですから党からの支出と、参加者の相応の自己負担によって賄われています」と反論しましたが、ことさら「税金ではない」という主張が、火に油を注ぎました。
なにしろ、2022年度の年間政党交付金315億円(国民1人当たり税金250円)のうち、自民党本部には159億円(約50%)ものカネが流れ込んでいます。
そのカネで、自民党本部の政党収入の7割が賄われているのですから、「党費だから税金ではない」などというのは、そもそも通らない言い分なのです。カネに色はついていないのですから。
国民はみんな、国会議員の言動など端から信用していないのですから、議員が海外で楽しそうにしているだけで、「上級国民」やら「特権階級」などと妬まれるのは当たり前なのです。
そこへ、SNSにエッフェル塔前での「はしゃぎ写真」などを載せたのですから、「おバカ」という他なかったのでした。
国会議員は、ろくに仕事なんぞしていなくても、「いつも国のためにお仕事しています!」「24時間働いています!」というポーズだけでも、ウソでもとらなきゃいけない立場なのに、自覚がなさすぎたのでした。
ともあれ、非常によいタイミングで、自民党議員全体の傲慢で弛緩している「体質」を象徴してくれる、お粗末な出来事を露見させてくれたのでした。
「自民党」という看板の前であぐらをかく世襲議員たち
とにかく自民党国会議員は、党の世襲の親分たちの言いなりで動くしかない人たちなので、日本を公正・公平な社会にしようとか、困っている国民の声を真面目に聴こう――とか、まともに国民や国家の将来のことなどを考えている人たち――のようには到底見えないでしょう。
多くの自民党国会議員は「員数合わせ」の寄せ集めでしかないからです。見識もなく、政策にも疎く、世襲親分の言いなりの身分でしかないからです。
それでいて、年間5,000万円は下らぬ高額報酬を得て、高待遇や特権を享受してきたのです(国会議員の収入や特権などについては、以下の過去記事をご参照ください)。
自民党という看板があればこそ、毎回有権者の50%前後の低投票率の中で当選できるのですから、世襲親分たちの指令に従っていれば、ひたすら安泰なのです。
大企業から献金をもらって大企業の言いなりの政策を作り、利権・口利きを図って収賄で捕まったり、アメリカの言いなりで兵器の爆買いをしたりと、岸田政権に連なる自民党の歴代政権を見ていれば、1人1人の国民の声を真摯に汲み取って誠実に政治を行ってきた――とは到底思えないからです。
自民党全体を主導してきたのが代々世襲の大物国会議員なのですから、そっちのほうに顔を向けていればラクチンという議員ばかりです。
あわよくば、自分も世襲議員・第一世代になって、今後の自分の後継一族の繁栄を担っていけるかもしれない――とも思っているのでしょう。
Next: 「やってるふり」の少子化対策。旧統一教会問題も未清算のまま
「やってるふり」の少子化対策
さて、少子高齢化による人口減少は30年以上前から警鐘が鳴らされていたのに、アリバイ的に「少子化担当相」などというコケオドシの特命大臣の看板だけを掲げ、何もやってこなかったのが自民党でした。
それにもかかわらず、ここにきてなんでまた突然の「異次元の少子化対策」なのでしょうか。
大軍事拡大政策に舵を切ったことへの、せめてもの罪滅ぼしのつもりだったのでしょうか。
「異次元の少子化対策」などと岸田首相が唐突に打ち出したものですから驚かされました。
しかし、これはもう、今さら、もはや手遅れでしょう。
まだ予算も曖昧なままですが、これから「少子化対策」と称して、年間3兆5,000億円も使う気なら、先に軍拡のほうをどうにかしてほしいと思います。この程度の予算では、「子育て支援」にすぎず、人口増につながる「出生対策」にはなっていないからです。
岸田政権は、今年もすでに2,000億円もの予算をつけて、米国の旧式トマホークミサイルを400発も買ってあげ、米国軍需産業の在庫一掃セールに手を貸しています。
「アメリカのATMかよ!」と突っ込みたくなります。
旧安倍政権下で米国との「集団的自衛権行使」を国是とし、専守防衛を形骸化し、もはや憲法改悪などしなくても、オフショアバランシング政策で、アメリカの代わりに日本が中国と戦う図式の「ウクライナ化」が進行中です。本当に恐ろしい話なのです。
なにゆえ、アメリカの言いなりなのでしょう。
岸田政権は、あの安倍元首相でさえできなかった大軍拡で、今後5年間で43兆円もの軍事予算をつぎ込み、今の2倍のGDP2%規模の「防衛力」を有し、世界第3位の軍事大国になることを目指しています。
北朝鮮ミサイル開発原資は日本人信者から巻き上げたカネ!
岸田自民党政権では、北朝鮮のミサイル乱射の脅威を糧として、ますます米国の軍需産業を潤す属国化がすすんでいます。
その北朝鮮には、自民党とズブズブの関係を続けてきた旧統一教会を通じて、4,500億円もの日本人信者から吸い上げたカネが流されていたのですから、笑止千万でした(米国防総省=ペンタゴンの調査報告による)。
ほとほと呆れたことに、ミサイル原資が旧統一教会にマインドコントロールされて奪われた日本人信者からのカネだったのですから、ずっこけてしまいます。
その信者獲得に長らく「広告塔」として貢献してきたのが自民党議員たちという構図でした。マッチポンプだったのです。
嗚呼――と、うなだれるばかりです。
ホントにもう、反日・売国・世襲・大企業優先・米国隷従なのが自民党政権だった――というわけです。
そして、それに連立でくっついているのが、これまたカルト教団をバックにした、かつては「平和の党」を標榜していたはずの「下駄の雪」の公明党なのでした。
政治に無関心の日本国民の知らないところで、ものすごい醜怪な構図になっているのが今の日本で、それを築いてきたのが自民党なのです。
政・官・世襲・大企業・アメリカ政府・カルト教団などの影響力が複雑に絡み合って、今後も自民党の政策が行われていきます。
いちいち実例を挙げて、見ていった方が早いでしょう。
Next: 悪政の連続。大企業や経団連の要望で作られた資本家優遇政策を列挙
大企業や経団連の要望で作られた資本家優遇政策を列挙
<1986年導入「労働者派遣法」>
「中間搾取」「有期雇用」「間接雇用」の合法化で法人組織の労働者を「正規雇用」と「低賃金非正規雇用」に分割・差別化しました。
本来なら派遣労働者のほうに正社員よりも大幅に高額の賃金を支払うべきなのに、非正規を低賃金にして、さらに3割~4割のマージンを搾取する派遣会社を日本中にはびこらせました。この法律の導入も、もちろん大企業や経団連からの「人件費抑制」のための自民党への指令でした。
また、後述しますが、アメリカからの一方的な日本への内政干渉といえる「年次改革要望書」においても、労働者派遣の自由化が求められていたのです。
<1989年導入「消費税」>
これによって税率アップで、法人税率を次々と引き下げ、所得税率を大幅に緩和し、ただでさえ特例減税措置が沢山ある大企業を儲けさせ、内部留保を潤沢に増やさせました(所得税の最高税率は75%から45%に引き下げ)。
大企業と金持ちへの大優遇措置だったのです。
しかし、消費税率を上げる度に、消費を冷やし、景気の腰を折ってきたのが実態でした。
輸出大企業は下請けに払ってもいないはずの消費税の輸出還付金をたんまり得てきたのですから、消費税率アップには大賛成でした。
<1993年導入「外国人技能実習制度」>
劣悪環境で奴隷労働を外国人に強いる制度導入で、不当な低賃金労働者をどんどん国内に広げていきました。日本人への賃金低下圧力も甚大です。
今後も特定技能の資格を付与して、外国人の永住化や、事実上の移民政策を差別的に広げていくつもりなのが自民党なのです。大企業にとって、とても望ましい政策展開です。
<2003年導入「証券優遇税制」>
上場株式や公募株式投信の譲渡益や配当などにかかる税率を20%から10%に下げ、金持ち優遇策を強化しました。
さすがにやりすぎなので、2014年に20%に戻しましたが、1億円以上の年収のある人は、配当所得が多いので現行の一律20%の税率では、逆に所得税率の実質負担額は下がっていきます。
社会保険料の負担額も上限の100万円ですんでいるのが実態です。ゆえに大企業も富裕層も納得しています。
本来は消費税など廃止して「資産税」を導入すべきでしょう。1億円以上の資産を有する富裕層には相続税のほうを廃止してあげ、毎年払う「資産課税1%」程度の税率にしてあげたほうが、はるかに富裕層の生涯負担も少なくなるはずです。
それでいて税収増大効果は最も確実だからです。
<2015年導入「マイナンバー制度」+2016年からのカード交付・各種情報の紐付け>
マイナンバーカードの取得は任意のはずが、2024年秋には健康保険証の代替とすることで事実上の義務化を決めてしまいました。
ところが今では紐づけ情報の拙速措置のあまり、誤登録のオンパレードで大混乱を招いています。
このマイナンバーカードについて、大企業や経団連は行政と企業との情報処理効率化と社会保障の負担と給付の明確化を図ることでコスト削減に効果がある――としていますが、情報処理事業(地方公共団体情報システム機構)の受注(2013年度からの10年間で2810億円)によって、大企業8社が請け負う形においては、すでに大儲けしています。
……ざっと以上を見ていただいただけでも、多くの国民よりも大企業経営者や富裕層の優遇にばかり、日本の自民党政治は傾いてきたのが実態です。
野党もだらしないので、国民からの批判も盛り上がりませんでした。
大企業からの「政治献金」を許してきたから、こうなったのです。
ともあれ、「政治献金」は企業団体献金も、企業団体献金を偽装できる個人献金も、すべてを禁止すべきでしょう。
政党交付金導入時の公約を果たさずに(企業・団体献金はやめることを表明していた)、カネ、カネ、カネ、カネ……カネまみれの反日・売国・金権・世襲政党だったのが、自民党の実相だったのです。議員による利権の口利きも永遠に終わりません。
なにしろ、大企業からの献金は、ほとんどを自民党が独占しています。選挙の時だけ国民に「いい顔」をして、大企業・富裕層を大優遇する政策を打ち続けてきたのが自民党だったのです。
国民は、アベノミクスの大失敗もあって、極度の円安で物価が高騰し、貧乏になるばかりなのでした(アベノミクスの大失敗とその弊害については、以下の過去記事をご参照ください)。
さて、つづいて、アメリカ政府の言いなりで自民党が行ってきた政策についても見ておきましょう。
日本はとうてい自立した国民主権の独立国には見えないことがわかります。
Next: アメリカの言いなりで行ってきた自民党の米国隷属政策の数々
アメリカの言いなりで行ってきた自民党の米国隷属政策の数々
<横田空域の問題>
米空軍管轄の横田基地(東京都の立川市、昭島市、福生市、武蔵村山市、羽村市、瑞穂町の5市1町にまたがる国内最大級規模の基地)や厚木基地(神奈川県)を中核とする1都9県(東京、埼玉、群馬、栃木、神奈川、福島、新潟、長野、山梨、静岡)に広がる米軍の管制空域のことです。ものすごく広大な空域なのです。
これが、日本の領土でありながら、「管制権」は米軍にあります。
そのため、日本の民間航空機であっても、米軍の厳しい規制下にあるこの空域においては、飛行に制約を受けるため事実上飛べない状態です。
羽田空港や成田空港の旅客機の離発着にも支障をきたしています。これをずっと放置してきたのが自民党政権でした。
<対外有償軍事援助協定(FMS)>
アメリカの軍需産業を食わせるために、アメリカから武器を購入しなければならないというプログラムです。
日本はここから逃れるわけにいきません。アメリカで用済みとなった役立たずの兵器であろうと、自民党政府は文句を言うことが出来ません。
「これとこれを買いなさい」と命じられた兵器の購入を断わることは出来ないのです。兵器購入では、6兆円分の後年度負担金までも積み上げてしまっています。
これを戦後、ずっと米国政府の言いなりで受け入れてきて、一切文句を言わなかったのが自民党政府でした。
国民本位でなく米国政府本位の政治であることが如実にわかるのです。
<日本国土内の基地問題>
まるで米国の植民地のように日本中に米軍の基地が置かれ(全国130基地のうち米軍専用が81カ所、49カ所が自衛隊と共用)、訓練空域や訓練水域においては上記の横田空域同様の問題を多く抱えています。
米国は世界中に米軍基地を展開していますが、駐留経費の負担割合が75%(負担額44億1100万ドル)の高率に及ぶのは日本だけです。
2番目に多いドイツでさえ33%(15億6,400万ドル)、韓国に到っては、負担割合40%ですが負担額は8億4,300万ドルにすぎません。
これが日本独自の米軍への「思いやり予算」の結実です。負担は増えるばかりです。
1978年当時の自民党・金丸信防衛庁長官が、基地で働く日本人給与の一部まで負担することを申し入れてから、これが常態化してきています。
なお、アメリカは日米安全保障条約の下にある「日米地位協定」で日本中のどこにでも基地を作れるようになっています(外務省は日本政府の許可が必要と公言しますが、自民党政府がNOと言えるわけがありません)。
ロシアのプーチン大統領が北方領土を返さないのは、このせいだ――と主張している政治家もいますが、あながち間違った主張とも言い切れないでしょう。
沖縄・普天間基地の代替施設である辺野古の埋め立てすらもうまくいっていないのに、自民党政府は辺野古沖の緩いシャーベット地盤に基地を作ろうと強行作業に突入しています。
<日米合同委員会の存在>
前述の日米地位協定の合議がここで行われますが、外務、防衛の両省の上級官僚や在日米軍司令官からなるメンバーで、国会にも合議内容は報告されないため、国民にも公表されません。
秘密協定のオンパレードという疑義が数多く指摘されています。
かつて作家の故松本清張氏は「別の形で継続された占領政策である」と喝破したゆえんなのです。米国の言いなりで数々の秘密協定(密約)が結ばれているとされ、台湾有事の際には、真っ先に自衛隊への出動命令が出されてもおかしくないといわれます。
こうした占領政策もどきの秘密協議を戦後一貫して唯々諾々と受け入れてきたのが自民党政府でした。
<年次改革要望書>
源流は1993年当時の自民党の宮澤喜一首相とビル・クリントン米国大統領との会談で決まった「日本とアメリカ合衆国との間の新たなパートナーシップのための枠組みに関する共同声明」でした。
これ以降、さまざまなネーミングによる枠組みで日米両国の経済発展のために改善すべき規制や制度をまとめた――という名目の文書を、日米相互がタテマエ上は交換する形で提起し合っています。
そして、2001年からは毎年度、お互いの要望を文書にまとめて交換する形としたのが、現行の「年次改革要望書」です。
この「年次改革要望書」の交換は、自民党が下野して、2009年民主党の鳩山由紀夫政権となり、一時廃止されました。
しかし、自民党政権復活とともに再び交換を行うようになっています。
日米両国が互いに相手国に要望する形をとっているものの、日本からの要望が米国に受け入れられたことは一切なく、一方的に日本が米国からの要求に従う形となっており、「年次改革要望書=日本への脅迫状」とも呼ばれているものです。
要するにアメリカの国益にかなう日本――となるよう、いろいろな政策を求めたのが、この「ニッポン改造計画書」なのです。
内政干渉もいいところですが、自民党はこれを忠実に受け入れ、国民生活がどうなろうがお構いなしの忠犬ポチ状態になっています。
また、日本の大手マスメディアは、自民党への忖度なのか、自民党からの圧力なのかは不明ですが、一切新聞やテレビの報道で「年次改革要望書」の存在やその内容を報道することを避けています。一行たりとも触れない奇異な状況です。
今さら国民が知れば、これまで報道してこなかった責任追及やら自民党批判が起きて大騒ぎになるのが怖い――からなのでしょう。
これからも1ミリたりとも報道しないはずで、腐った日本のマスメディアなのです。
ちなみに、日本からの要望書は外務省ウェブサイトに、米国から日本への要望書は駐日アメリカ大使館のウェブサイトに日本語訳が載っています。
Next: 「米国の言いなりの自民党のせいで日本は厳しい社会に変えられた」
「アメリカの言いなりの自民党のせいで日本はこんなに厳しい社会に変えられた」
以上の通り、米国の命令による日本の国内政策は、みなさまおなじみの「労働者派遣法」の制定や、小泉内閣の看板政策だった「郵政民営化」だけではありません。
独禁法改変や持株会社解禁もそうでした。
大店法(大規模小売店舗法)を廃止したのも、法科大学院や司法試験制度改変、保険業法の改変や建築基準法の改訂、健康保険本人3割負担導入、日本道路公団の分割民営化、新会社法での三角合併容認……などなど、次々と制度変更を行ってきたのですが、これらすべてが米国の命令(年次改革要望書)で行われてきたのです。日本は米国の属国なのです。
自民党は、米国に逆らうことなく、これらの政策を忠実に実行に移してきただけの政党だったのです。
つまり、自民党政権の実体は、アメリカによる日本支配を完遂する米国の傀儡(かいらい)政権にすぎない――といえるわけです。
独禁法や持株会社解禁で、M&A(企業の合併・買収)が盛んになり、子会社の切り売りや子会社従業員の賃下げがしやすくなってしまいました(子会社は持株親会社への団体交渉権がない)。
巨大化した持株会社は寡占・独占化しやすく、市場の効率的な弱肉強食化が図られます。まさしく「新自由主義」の実践なのです。アメリカの大資本が国内市場へ入りやすくなります。
司法試験制度改変では、弁護士を大量輩出し、アメリカ並みの訴訟社会にして、権利の主張がバンバン行われる強欲な「自由」と「民主主義」の風潮を実現させる形となっています。
つまりは、米国企業が日本の弁護士を安く使えるようにするのが目的でした。
大店法廃止では、中小小売店への保護がなくなり、商店街を疲弊させて、日本全国にシャッター通り商店街を拡げました。
新会社法による三角合併の解禁は、株式時価総額が巨大な米国企業が、容易に日本の大企業を株式交換で飲み込みやすくする制度変更でした。
また、保険販売においても、当初から日本の保険会社は「ガン保険」の販売が一切禁止されていました。これによって、日本でのガン保険は米国保険会社の独壇場になっています。
こうした「年次改革要望書」に記された米国の要望とは、アメリカ社会の「新自由主義」「強欲資本主義」「弱肉強食」の論理を日本にも普及させたい――という米国の国益を図るための要求にすぎません。
「構造改革」だの「規制改革」だのといった言説のもとに、日本の古き良き社会制度や慣習がどんどん廃止させられ、「自己責任」が中心のアメリカ型・弱肉強食化がすすむ一方なのです。
現在ではさらに、ホワイトカラーエグゼンプション(少々の年収アップだけで残業代廃止と労働時間規制撤廃)の導入までも米国は日本に求めてきています。
少ない報酬で、過労死しようが自己責任という悪魔の雇用制度を作らせよう――というのが米国の狙いなのです。
……以上、駆け足でざっくりと見てきましたが、自民党という政権がいかにひどいものであったか――ということが、十分おわかりいただけたのではないでしょうか。
それなのになぜ、日本国民のみなさんは、大した批判もなく、こんな自民党を支持するのでしょうか。
なにしろ、国民の3人に1人は自民党支持なのですから、ホントに驚いてしまうのです。
もちろん、まともな野党がないから、自民党に票を入れるしかないんだよ――という大向こうから聞こえてくる声を筆者も否定するものではありません。
消極的な自民党支持――という人も少なくないのでしょう。
しかし、せめて自民党とその亜流となってきた日本維新の会や国民民主党といった、変な方向を向き始めた政党も、まともな野党に立ち返らせるべく、自民党はとにかく、いったん退場に追い込むべきではないでしょうか。
そうすれば、これらの野党の政策も大幅に変わってくるはずだからです。
とにかく一度、自民党のこれまでの政策を、ほとんどすべて否定しないと始まらないのです。
国政においては、たしかにロクでもない野党だらけですが、少なくとも自民党と代わり映えのしない「ゆとう(与党でも野党でもない)」はいらないでしょう。
自民党が選挙でボロ負けし、国民も目覚めさえすれば、「ゆとう」も健全野党に立ち返ることが期待できるでしょう。
近年では、労働者組織の「連合」までもが、自民党寄り――と指摘され始めたのですから首を傾げざるをえないのです。
いったいどうなっているのでしょう。
大丈夫か、ニッポンーーと声を大にして筆者は訴えたいのです。
皆さん、選挙には必ず行きましょう。
国民の多くは大企業に勤めているわけでもなく、アメリカの軍需産業の味方でもないはずです。
自民党のやってきた反日・売国・亡国政策をやめさせるチカラを国民全員で出していきましょう。
厳しい経済環境を、国民ひとりひとりのための豊かな経済環境へと変えていきましょう。
そのためには、せめて国民の9割が選挙に行き、まともになってほしいと、あなたが信じる野党に入れる他ないわけです。 ※本記事は、神樹兵輔氏のメルマガ『神樹兵輔の衰退ニッポンの暗黒地図――政治・経済・社会・マネー・投資の闇をえぐる!』2023年8月14日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月分すべて無料のお試し購読を ※初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込880円)。
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』(2023年8月14日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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1990年のバブル崩壊から続く「失われた30年」を経て、ニッポン国の衰退ぶりは鮮明です。デフレ下でGDPは伸びず、賃金は上がらず、少子高齢化で人口は減り、貧富の格差も広がりました。いったいどうしてこんなことになったのでしょう。政治、経済、社会、マネーや投資に瑕疵があったのは否めません。本メルマガは、そうした諸分野に潜む「闇」を炙り出しグイグイえぐっていこうとするものです。