株主優待を新設した背景や理由を教えてください。
当社はtoC事業を展開しており、株主優待制度とは相性が良いと考えていましたので、以前から株主優待を導入したいという思いがありました。また個人株主のみなさまからも継続的にリクエストをいただいておりました。
前回の株主総会の招集通知に試験的に1回限りの株主限定クーポンを同封したところ、想定以上の反響がありました。この結果、株主のみなさまの当社商品に対する理解が深まっただけでなく、サブスクリプションの新規獲得数も増加し、事業面でも有益な結果が得られました。
この経験を振り返り、社内で本格的な議論を行い、株主優待制度の導入を決定いたしました。株主のみなさまへの感謝の気持ちを形にし、当社の商品やサービスをより多くの方に体験していただくことで、長期的な株主関係の強化を目指しています。
他の株主還元策ではなく「優待」を選んだ理由を教えてください。
当社の商品は「完全栄養食」という新しい商品カテゴリーであり、実際にお試しいただくことで、その価値をより深く理解していただけると考えました。よって、株主優待を通じて、株主のみなさまに直接商品を体験していただくことが、当社の魅力を伝える最良の方法と判断いたしました。
近年、株主優待の廃止や見直しを行う企業も増えていますが、あえて新設する決断をした理由を教えてください。
確かに、最近の市場動向として株主優待の見直しを行う企業が増えていると思います。しかし、当社はtoC事業として株主優待との相性が良く、株主のみなさまとの直接的な接点を増やすことで、商品理解を深めていただくことが重要と考えました。さらに、前回株主総会でのトライアル結果も踏まえて、改めて実施することのメリットを実感し、このタイミングでの新設を決定いたしました。
株主優待を新設するにあたり、社内でどのような議論がありましたか?
社内では、優待制度の導入に伴うコストや運営体制、また株主のみなさまへの効果的な還元方法や効果の測定方法についてさまざまな議論を行いました。
特に、あらゆるパターンでコストをシミュレーションし、どのパターンであれば優待内容が株主のみなさまにとって有益でありながらも当社の負担可能なコスト範囲に収まるか、また株主優待の不正利用をどのようにして防止するか、どのような設計であれば運営を効率化できるかなどは重点的に検討しました。
導入に際して、社内外で特に苦労した点や課題はありましたか?
対外的に苦労した部分は多くはありませんでしたが、社内的にはさまざまなチームの横断的な協力が必要となるため、慎重に議論を重ねてきました。中には、優待を「コスト」として捉えられてしまい、社内で前向きに検討されないといった例も少なくないと思います。
当社は優待導入によってIRと事業両方にメリットがもたらされることを目的に置いていましたので、最初から互いに協力できており、必要性を理解してもらうのに苦労するといったことはありませんでした。ただ、優待内容の選定や、優待の運用に関するシステム構築や、情報発信のタイミングなど、細部にわたる調整が必要でしたので、早い時点から他部署を巻き込み、互いに課題を1つ1つ潰しながら設計しました。
優待の導入が企業の業績や経営に与える影響について、どのように考えていますか?
優待制度を通じて、株主のみなさまに当社商品を体験いただくことで、ブランド認知度、愛着度の向上や新たな顧客の獲得につながると期待しております。また何よりも、実際に商品を体験していただくことで、決算発表だけでは読み取れない当社の強みや事業進捗を理解していただけると思っています。
株主優待を導入することで、企業のコーポレートガバナンスや経営姿勢に変化はありましたか?
株主優待制度を導入したばかりですし、実際の進呈時期はまだ先のため、明確に何か変化があったわけではありませんが、株主のみなさまとの相互のコミュニケーションを強化するきっかけになったと思います。
決算発表を通じて、数字で当社を理解いただくだけでなく、商品やサービスを通じて、商品力の強化やサービスの向上などといった定性的な部分もご評価いただけることになるため、より多角的に株主さまのご意見やご要望をヒアリングすることができると思います。
優待の新設は、御社の成長戦略や市場でのポジショニングにどのような影響を与えると考えていますか?
優待制度を通じて、当社の商品を多くの方に知っていただき、体験いただくことで、市場での認知度向上やブランド価値の強化につながると考えております。
今回の優待内容を選定する際に重視したポイントは何ですか?
株主のみなさまに「当社の商品」を実際に体験していただくこと、また継続的にご利用いただけるよう、公式HPで複数回に渡って利用可能なクーポンを提供することを意識しました。
株主優待を新設することで、どのような株主層をターゲットにしていますか?
既存の株主のみなさまの満足度向上はもちろんのこと、当社の商品に興味を持つ新規の投資家や、健康志向の高い若年層の方々にも関心を持っていただけると考えております。これにより、多様な株主層の拡大を目指しております。
株主優待の導入によって、会社としてどのような効果を期待していますか?
今回の株主優待の導入により、株主数の増加、中長期保有の促進、会社・ブランドに対する愛着度の向上を期待しています。優待を通じて、株主のみなさまに当社の商品を実際に体験していただくことで、企業のビジョンや事業内容への理解が深まり、中長期的に株式を保有いただく動機につながると考えています。
その結果、時間をかけながら、安定的な株価形成につながっていくことを期待しています。さらに、株主に商品・サービスをご利用いただき、その体験を通じてブランドへの愛着を持っていただくことで、企業と株主の関係性が強まり、持続的な成長を支えるファン株主の育成にもつながると考えています。こうした効果を通じて、企業価値の向上と長期的な成長を実現していきたいと考えています。
競合他社との差別化を意識した点はありますか?
強く差別化を意識していることはありませんが、D2C×食×健康×サブスクというビジネスモデルを運営する当社だから実施する意義/ユニークネスが何であるかは意識しました。
逆に差別化ではないですが、優待制度を取り入れているITスタートアップの先輩企業に話をうかがい、実際の体験談や運営の仕組み作りで工夫したところなどをヒアリングさせていただき、先輩企業から学ぶということを意識しました。
優待を通じて、個人投資家の御社への関心やロイヤルティは高まっていると感じますか?
株主優待制度を導入してからまだ時間が経っていないですし、実際の進呈時期はまだ先であるため、効果検証は今後になると思いますが、導入に対してはポジティブなフィードバックを多くいただきました。株主のみなさまが実際に商品を試し、継続的にご利用いただくことで、エンゲージメントが強化されることを期待しています。
優待制度を導入してみて、想定していなかった意外な反応はありましたか?
予想以上に反響が多く、驚きました。以前からリクエストはいただいていたものの、ここまで話題になるとは思っていなかったので、無事リリースすることができたよかったと思いました。
株主優待のコスト負担について、経営的にどのようにバランスを取っていますか?
優待クーポンを通じて獲得した新規のサブスク会員が生み出す利益と優待コストを天秤にかけて、バランスを意識してます。そのため、優待制度のコストはマーケティング投資の一環として捉え、事業成長に直結する仕組みを構築しています。
優待の利用率や満足度をどのように測定し、改善につなげる予定ですか?
優待クーポンの利用率、新規獲得数と獲得コスト、株主定期ユーザーの継続率などをモニタリングしていく予定です。また、株主アンケートやフィードバックを通じて優待内容の改善に反映していく予定です。
優待新設により、どのような企業イメージを発信したいと考えていますか?
株主優待を通じて、特定の企業イメージを伝えたいというよりかは、実際に商品・サービスを体験いただくことで、決算発表などによる定量的な情報発信からは得られないような会社の進捗や、商品力などをご理解いただきたいという思いの方が強いです。
株主との関係強化のために、優待以外で取り組んでいることがあれば教えてください。
直近では新たに以下の新しい取り組みを実施しました。
・半期に1回の決算発表→四半期毎の決算発表に頻度を上げた
・個人投資家向けQ&Aセッション会の開催
・個人投資家からのアンケート収集
また、SNSやメールマガジンを通じて、企業活動や商品開発に関する最新情報をタイムリーに発信し、株主との継続的なエンゲージメント強化に努めています。
まだまだ基礎的な内容とは思いますが、まずは基本をしっかりと、かつ継続して実施することが重要と思っています。今後も株主・投資家のみなさまのご要望を取り入れながら、積極的なIR活動を目指して参ります。
個人投資家に向けて、メッセージをお願いします。
当社は 「主食をイノベーションし、健康をあたりまえに」 というミッションを掲げています。このミッションを実現するには、多くのステークホルダーの協力が不可欠であり、株主のみなさまもその重要な一員です。
今回、新たに株主優待制度を導入し、株主のみなさまにも当社の商品を直接体験していただける機会を設けました。実際に商品をお試しいただくことで、当社のビジョンに共感し、長期的な成長を共に歩んでいただけますと幸いです。
今後も株主のみなさまとともに成長し、持続的な企業価値の向上を目指して参りますので、引き続きのご支援をよろしくお願いいたします。